11/14/2012

L.T. coil wiring circuit

 12v Conversionに際して、わたしが理解しているUS rally 200のL.T. CoilのWiring Circuitのおさらいと、解説です。
 上の画像で説明しますが、Stator Plate上にCoilを3つ並べて配置されています。これは、6 Pole Piece型Generatorと言われるもので、vespaの場合、新旧共に基本的にこの6 Pole型です。60度刻みに均等にPhilips Screwが留められているところがPole Pieceになります。その外周をFlywheel Magnetが回転することで、電磁石の原理で電力を出力します。つまり、これは6つのCoilで構成されているAlternatorなのです。

 しかし、見た目、Coilは3つしか確認できませんよね?
 そう、つまり、これらのCoilは、実は2個@1組 x 3になっているんです。これを理解してない人は、下手にStatorをいじると大きな間違いを起こすので、いじらないようにしましょう。

 また、Stator Plate上のこれらの3つ(6つ)のCoilは2種類あり、見た目上、Ignition用の1 x H.T. Coilと2 x L.T. Coilの組み合わせです。
 H.T. Coilは、Ignition用に高圧/高出力になるようにL.T. Coilとはまた異なったWindingがされており、1個配置されています(画像の10時 - 11時位置)が、これも本質的には2個勘定です。
 Early Typeのrally 200(Femsa Type)などのOld vespa modelの場合、H.T. CoilのWiringは直にIgnition Coilに繋げられていて、L.T.系とは別系統になっている為、Rectifier/Regulatorには接続されていません。故に、Batteryが上がろうが、Engineは始動可能なわけです。なので、このH.T. Coilについては、今回の懸案となっている電装系とは基本的に無関係なので、今回はこれ以上は云々いたしません。

 さて、電装系で問題となるのは、残る見た目2個のL.T. Coilの方です。
 「2個が1組になっている、というのは、どういうことか?」これを理解するには、では、「何故、1個のCoilにPole Pieceが2個もあるのか?」 を考えてもらえればよろしいです。
 では、「何故、その2個が1組のCoilなのに、配線は2本しか引き出されていないのか?」と言われるかも知れません。(通常、2本リード出しがvespaの場合普通なので)それは、「2つのCoilの結線が直列になっているから」、つまり、「CoilとPole Pieceの逆転使い回し」です。
 はい、ここまでの解説ですんなり理解できた方はかなり優秀です。

 ところが、このUS rally 200の場合、これらのL.T. Coilの1組からは4本のリードが出ています。
 それは、センタータップ結線になっているからです。「センタータップとはなんぞや?」と思われた方は、ここからの解説は更にちんぷんかんぷんになりますので、予備学習をお願いします。また、ここからはWiring Diagramで示さないと、わたしも説明が困難ですし、理解にも苦しまれるでしょう。なので、作成してみました。
 たぶん、この回路で間違ってない筈です。

 このL.T. CoilのWiringは"Ducati Wiring" Typeとして知られているもので、同じくItaly製のMotorcycleの"DUCATI"のStatorと同じ結線の仕様で、かなり特殊です。
 実際、これを文章で説明するのはかなりややこしくて困難を極めます。図に起こすのもまるでパズルのようで面倒(もし、間違いがあったら、ご指摘ください。訂正します)。なので、誤解例が多いものです。
 これは、基本的には「センタータップ2 Phase」Wiringで、いわゆる2相式回路結線なんです。このDucati WiringをSingle Phase(単相)と勘違いされている方が自称プロを含めて多々いらっしゃいますが、単相ではありません。

 センタータップ(Nutral)抜きのこの2相間のACV OUT値の14vは、わたしのrally 200でのIdling時のMultimeterでの実測定によります(Rev.回転数不明)ので、EngineのRev.が上がれば、更に高電圧出力になります。そして、センタータップでの片相のACV OUT: 7vを6v仕様Rectifier/Regulatorで2相整流制御しています(これは、全波整流というか、デュアル半波整流、と言えるようなものです)。
 ということは、この場合、最も簡易な変更では、センタータップのアーシングを外し、使用せずに、12v仕様Rectifier/Regulatorを使用すれば、DC 12v全波整流可能ということです。或いは、少々作業が面倒にはなりますが、Coilの結線を根本的に変えれば、単相/直列、並列の組み合わせでもAC OUT 12vを得ることができます。
 
 さて、ここで解る最も重要なポイントは、このrally 200のStator上のL.T. Coil - 4個2組 - の最大出力可能電圧は、すべてのCoilの直列結線でIdling時@約AC OUT: 28vになるということです!

 というわけで、電気に知識の太い人ならば、上のBold文字の情報だけであとは自力でどうにでもなされるでしょう。

 vespaのStator Coilの場合、それぞれのModelによって搭載されているCoilの違いで若干の出力(Watts)の多少の違いはあるようですが、L.T. CoilのTotalの出力電圧は、Idling時の最低値でだいたいACV Out: 30v前後になるように設定されている筈です。これは、使用する電装品が必要とする電力から逆算すると必然的に出てくる値なのです。
 ですから、基本的にはCoilの結線次第で、AC 24v、12v、6vと出力設定が可能だということがざっと理解できると思います。(ただし、"Ducati Wiring"は、センタータップ付きのCoilでないと実現不可能です)
 つまり、vespaのStatorの6v/12v仕様というのは、Coilの結線方法の違いによるもので、まったく同じStatorをベースにして、6v仕様にも、12v仕様にもできる、ということです(わざわざ別のStatorを購入して交換するまでもなく)。
 vespa屋さんは儲かりませんが……(笑)。

*Stator Coilの出力電圧の確認方法: Engineを始動して、1個のL.T. Coil(わたしの言うところの「2個1組)の出力リード2本間をMultimeterでACV測定します。

 もし、この解説で理解できない方は、予備学習が必要ですので、がんばってください。でも、大丈夫。プロのvespa屋さんでさえ解ってないからー(笑)。

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