10/01/2016

dangerous body panel restoration

 レストア再開てことで、いろいろネットで調べたりしてたんですが、巷のvespa屋さんも、vintageモデルの再生産が終了し、生き残りを掛けて、piaggioの新車販売継続主体か、旧車の修理を重点に置くか、だいたい二方向に各店試行錯誤されたようですね。
 わたしがレストア開始した当時は、ボディのレストアから自社でやってるvespaのショップなんて日本にはまず無かったんですよね。vespaのボディの板金塗装てのは、どこのショップも外注任せだった。お店でやるのはボディから分解して、エンジンとサスペンション周りの修理と、板金屋さんから仕上がってきたボディへの再組み立て。こういう流れだったと思います。それが最近では自社で板金も扱うお店が増えてきたようですね。
 でも、前述のように、本来、板金塗装の技術的には決して長けていなかったのに手を出してるものだから、お勉強不足甚だしいショップが多いように感じます。

 なんと云っても、旧車のボディのレストアでの一番の懸念は、錆びとりと防腐加工処理について、です。
 これに関して、余りにも無知で、稚拙な発想のまま施行されているvespaショップが目につきます。

 錆びとりの技術の一つとして、"Sand Brust"という施行方法がやっと日本でもポピュラー化したようですが、これ、実際にやれば判りますが、ミラクルです。まるで塗装のスプレーを吹き付けるように見る見る錆が落とせてゆくんですからね。サンダーなんかで削り取る作業なんて時間が掛かるし、同時に錆びていない健康な地金もどうしても削り取ってしまうから、加工の時間も仕上がりにも雲泥の差が出ます。なので、ブラスト処理することを『売り』にしてる業者があります。
 ところが、ですね、ブラストすると、地金が剥き出し状態になります。つまりはまったくの鉄の素地の状態になります。すると、忽ち空気中の酸素と水分に反応して表面は錆び始めるんです。ほんと、これは早いです。まるで施工者の吐く息や汗の水分にも反応するかの如く、の即効性なのです。これに塩分が加われば更に酸化が促進されるのはご存知の通りです。なので、「すぐにプライマーを塗布します」と、ご丁寧に自社のサイトで解説されているショップがあります。
 いやいや、ちょっと待て。それじゃいかんだろ……。
 実際問題、表面的にあの茶錆は見えていなくても、鉄表面の酸化は空気に触れた瞬間にもう既に始まってしまっているので、それでは不完全なんです。こういう手順でプライマー塗布、上塗り、と進めても、当初の仕上がりは良くても、数年も保たずに錆が浮き出てくるのは目に見えてます。何故なら、塗膜では密閉不可能だから、です。要するに、塗膜には無数の小さな穴があり、そこから空気も水も通すから、です。密着とシール力の高いプライマーは在るには在りますが、高価ですし、完璧ではありません。また、特別にオーダーしない限り、一般的にはそのような塗料はまず使用されてません。プライマーと上塗り塗装で最大限密閉性を高める方法はただ一つ、「できるだけ塗膜を厚くする」です。

 では、判り易い例として、新車時の製造ではどうなのか? と、シンプルにおさらいしてみましょう。
 まず、第一に、メーカーで使用する鉄板は表面を酸化防止処理されたパネルを使用しています。だから、在庫時も製造時も、無塗装状態でも錆の発生には一定期間猶予があるわけです。それでも、ボディの製造工程の曲げなどの加工で表面の擦れなどは起こり得ますし、溶接などを施した部分などは熱が入ってるから錆び易い傾向が出てしまう。往々にして、後々の錆の発生はそういう箇所から始まるわけです。
 とにもかくにも、素地が剥き出しの鉄板なんてものはメーカーの工場では使用されてません。

 だから、大前提として、ボディ・レストレーションでは『パネルの表面に酸化防止加工を施さねばならない』ということなんです。これが、鉄板加工の最初の最低限の防腐対策です。
 ブラスト処理からそのままの状態でのプライマー塗布では、この大事な工程を完全にすっ飛ばしてしまうわけですから、後々は悲惨なことになるのは目に見えています。これについては、わたしは自分自身でレストア時の実験として実際に試して、よくよく承知しています。ほんと、鉄板をまったく防腐処理しないでその上から塗装すると、錆の発生は早いのです!
 だから、こういう手抜きをすること自体、わたしとしては大変な驚きです。
 これは、何もブラスト処理時だけに限らず、板金加工時全般に云えることです。ただ、板金処理した箇所には大抵表面を平滑に仕上げる為にパテが入れられます。「ポリ・パテ」てやつですね。ヘタクソな板金屋さんほど、このポリ・パテを厚く盛って下手な地金加工仕事を誤摩化す。しかし、逆説的には、この厚盛りポリ・パテのシール効果で、一定期間は浮き錆は「押さえ込まれている」んですね。しかし、その下の素地の層ではちゃんと日々錆は進行してるんです。なので、ある期間を越すと、表面の塗装諸共パテで埋められたところが「ドサッ」と落ちて錆びた鉄板が現れる……こんな経験をされた方は旧車マニアには多いことでしょう。

 パネルの防腐処理を海外のレストアラーの間では"Panel Plep"と呼んでます。単純に「事前処理」ですね。これは、工程的には、液体処理によって科学的に表面を焼く、と云えば伝わり易いでしょうか? つまり、鉄の表面を化学変化させて対酸化亜鉛皮膜を形成させるんです。これは、メッキ処理に似ています。こうしておけば、しばらくはそのまま放置でも錆びません(水に直接濡らすなどしなければ)。
 要するに、レストレーションで一旦、亜鉛皮膜表面が剥がされた鉄板が、再度、メーカーが新車を製造するときに近いパネルの状態に戻せるわけですね。だから、ブラストした後は、防腐処理として直ちにこのパネル・プレップをやる。これがプロフェッショナルのボディ・レストレーションの当たり前であり、常識なんです。この液体処理作業は、確かに一工程手間は掛かりますが、使用剤は決して高価なものではありません。
 そして、尚、この上から防腐に優れたプライマーなりでシールする、それでも完璧ではありませんが、出来る限りの最低限のボデイ・レストアの処理作業とは、本来はこういうことです。

 たぶん、以前にも書いたかも知れませんが、パネルの下地処理って、本当に大事なことなんですよ。だって、使用環境等にも左右されますし、それでも錆は完全には防げませんから。
  プロならちゃんと勉強して欲しいと思います。そして、客の立場であるみなさんにも、本当に、正しい認知と知識が広がって欲しいと思います。でないと、高い出費をして後で泣きを見ます。
 医者でも信じられない施術やらかして患者を殺したりするでしょ? プロだからって、手放しで信用しちゃダメです。
 ボディ・レストレーションをショップに依頼する場合は、プライマー塗布前の防腐処理について詳しく確認されることです。「パネル・プレップ? なんですか、それ?」なんて返されたら、即、踵を返して立ち去りましょう。そのように厳しい眼でショップの認識なり技術なりを判断する。そうすれば、業界的にも技術向上に繋がるんじゃないでしょうか。

 あ、ちなみに、一つ前の投稿のHandlebarの無塗装部分がPlepしてある状態です(無論、わたし自身の手で)。

9/29/2016

Blinker Switch

 Blinker (Indicator)付加モディファイにあたり、下準備。


 現状の我がrally 200のHeadsetにはBlinker less仕様のGear Change Handlebarが付いてます。つまり、上の画像の穴無しヴァージョン。
 Blinker付き仕様にするには、この画像の穴空きGear Change Handlebarが必要になります。まあ、自分で加工する人にはどうでもよいことでしょうが。
 そして、このようなダイレクションSwitchも当然ながら必要。

 ところが、複雑なんです、vespaは。


 Blinker Less(つまり、本来の状態)のHandlebarには、いわゆる"Inner Tube"なるものが本来在りません。そして、Cable StopのPully取り付けRetainerの位置がInner Tube付きタイプとは根本的に違うところになってます(画像の小さな穴の位置)。この穴の位置は、Headsetのセンターハウジング内(Headlight Housing)ではなく、その両外側になります。180SSなんかも同様ですね。
 ところが、Blinker付きヴァージョンはInner Tubeが付加されたことから設計変更され、Outer Tubeの長さと、このRetainerが貫通する小さな穴の位置も違うんですね、ややこしす(Headsetハウジング内に)。
 Inner Tubeの役割は、単純にHandlebar両端に付けられることになったBlinker Light Assy.の供回りを制御するための新設計によるものなんですが、旧タイプのThrottle & Gear Changeの両HandlebarのOuter Tubeは、これらBlinker Less Typeとは正確には互換性がありません(Handle Grip部の長さも違う)。
 旧タイプのHandlebarにBlinker Light Assy.を取り付けたい場合、「供回りしてもいいから強引にやっつけたい」という発想もありかと思いますが、純正の"Bar End Blinker"は、そもそもInner Tube在りきの規格なので、旧タイプOuter Tubeにはそのままでは取り付け出来ません。

 なので、本来、画像のこのGear Change Handlebarには純正のBlinkerは取り付けできないので、不思議な仕様なのですが、これはU.S.仕様のrally 200の純正品なんです。あの、Handlebarには付かない不細工なBlinker Light用だから、これでも構わなかったわけですね。

 
 U.S. rally 200のBlinker SwitchはCEV製で、SIEMのよりも上質です。動作操作感もカチッとして安心感がある物です。
このオリジナルが充分再使用可能なので、これを使う予定です。


 Knobの形状がSIEMの丸いのと違いますよね。こっちの方が指の引っ掛かりがよろしいです。

 ということで、小ネタでしたが、この画像のGear Change Handlebarは使用しません。
 この際、両HandlebarごとBlinker仕様に変更するつもりでいます。

9/24/2016

next project


 さてさて、今後の方針なんですが、下記のUp-dateを目論んでいるところです。


  1. Pinasco Flytech Kit導入
  2. Sports type Air Filter導入
  3. Headset (Handlebar Assy.)のRepaintとBlinker導入
です。

 1.は、前回、12v化モディファイ済みなんですが、更に電装まわりの安定化をしよう、と。もうオリジナルのFemsaに拘る必要もないか、と。で、P200のStatorを買ってDucati 12v化するよりもですね、Pinascoから発売されてるKitの方が安上がりだし、出力wattageも高いし、Lightweight Flywheelも付いてくるじゃん、というわけです。

 2.は、もう、すぐ破れて使い物にならなくなる、あのRubber Intake Bellowsを何度も購入させられるのはご免! と。そこで、RamairのSports Filterを装着し、オリジナルのAir Filterは廃止。これは決定事項!(笑)

 3.は、ちょっと経緯を思い出せないんですが、レストア時のペイント作業で、何故かヘッドまわりをサフェーサーを塗布せずにアルミ・キャスティングに直に本塗りしてたみたいなんですよね……手抜きだよー。で、今頃になってペイントが剥げてきましたわさ、と(アルミは直塗りだと塗料が密着しません)。わたしとしたことが、なんでそんなことしたんだろか? ま、とにかく、剝離して塗り直しです。
 で、この際、12v化もしたことだし、装備としてBlinker装着を考えても余裕だよな、と。昨今の交通事情も鑑みて、です。
 けれども、わたしはどうしてもあのvespaオリジナルのHandlebar End Blinkerが好きになれんのです。というのも、あの余分な尺のお蔭で車両の取り回しが面倒になるからです。これまでも歴代所有vespaで何回邪魔な思いをしてきたことか。だいたい片側50mmくらいでしょうか? トータル100mmですよ? それだけ車幅が広がるわけです。そりゃあ邪魔です。なので、ぶつけるし、ぶつけられるし、レンズをしょっちゅう買い替えないといけません。美観的にもHandlebarはBlinker Lessの長さがベストだとわたしは思いますし、それに拘ってます。
 で、ちょっといい思いつきをしまして、わたしオリジナルの考えを決行するつもりです。

 ということで、近々レポも開始予定であります。

original carburettor failiur


 またしても長期放置してしまったので、キャブのチェックから開始したんですが、オリジナルのDellorto Si 24 24Eに不具合が見つかりました(画像右)。

 スロットル・バルブが固着してしまってました。あれ、おかしいな? 問題無かったんだけど……。
 これはLarge-frame vespaに最もよくあるトラブルで、Si 24 24E本体の歪みが原因ですね。わたしとしては、キャブの固定トルクには要注意していて、トルク・レンチを使用して、緩めに管理していた筈なんですよね。だから、何故なのか、ちょっと解せないんですが。考えられるのは、トルク・レンチの不良か、セット間違いですが、うーん、あり得ない気がする。
 とは言っても、このままでは仕方ありませんので、急遽代替キャブを調達しました。「加工精度が悪い」と、評判がよろしくない近年のSpaco製ではなく、わたしとしては、やはりオリジナルDellortoのが欲しいところで、探しましたば、運良く初期型P200に取り付けられていたと思しき、大変状態の良いSi 24 24Eを手に入れることが出来ました(画像左)。
 オリジナルのは、過去投稿にありますように、初期型のものでしたが、入手出来たのは改良型だったのでラッキーです。

 早速、清掃し、使用していたウチのrally用"Tuned"仕様のJet類とCOSA Float Chamber、"01" Slide Valveを移植して「ニコイチ」化しました。殆ど新品に近い状態のキャブでした。これならバッチリです。
 固着していたSlide Valveは新品にしました。ちなみにP用は"03"が付いてました。rally 200は"01"で、こっちだとアイドリング時に燃料が薄くなりません。

 一先ず、キャブの問題は解決できました。
 

9/13/2016

Rivet Clamping Tool


 Floor Railの取り付けは、いい加減に 仮付けしたままなのですが、ちゃんとやり直そうと思います。
 問題は、あのAluminium Rivetで、なかなか美しく仕上げるのが難しい、大多数のD.I.Y. vespaレストアラー泣かせなポイント。きれいにかしめたいところですが、ハンマーを使用した手作業では大変難しく、しかもRivetの数が多いときた。なので、Pop Rivet(二本では「ブラインド・リヴェット」と呼ばれる)を代用した例が多いです(専門店の仕上げでも)。しかし、Pop Rivet仕上げは、作業自体は専用の打ち込みGunを使用するので素人でも至極簡単ながら、オリジナルのアピアランス感が失われて味気ないことこの上ない。早い話しが手抜き。

 そこで、今回は専用Special Toolを仕入れました。
 これだと片手でかしめることが出来、美しく仕上げられ、且つ作業時間も短縮。鬼に金棒Toolです。
 先端アタッチメントがFlatとRoundの二種が付属で、Badge用のも在って、Front Badgeの取り付けにも使用できます。

poor rubber

  再開手始めエントリーです。


 上の画像は、Carburetter Box InletのIntake Bellow Rubberなんですが、もう、これ、レストア後交換の3個めなんですよね……。
 現在、各国で流通しているOld vespa用Partsの大半は、OEM Partsで、特にRubber関連品はpiaggio純正のは極一部を除いて現在まず手に入りません。OEM製造メーカーも多く、どれが良質でどれが粗悪品なのか、各メーカー製のものを総当たりしてみないことには見当が着け難く、情報も少ない。このIntake Bellow Rubberには"Steelbird"の刻印が在ります。他の無印メーカーのも品質は同様でした。だいたい2年保たないで劣化してズタボロに破れてきます。本来、フレキシブルさが求められているのに、まったく機能を果たしません。
 ちなみに、Floorの「三角Floor Center Rubber」もGrey色の無印社外品のに同時期に交換してたんですが、こちらも同様にボロボロに……。総じて、社外メーカーのRubber関連Parts類は材質が粗悪で、昔のpiaggio純正品よりも早くに劣化崩壊しますね。お値段は結構するんですけどね。得にGreyとか、黒ではない色ものはもっと早く崩壊する気がします。
 まあ、消耗品として割り切るか……というところではあるのですが、それだと常にSpareを用意しておかないといけないし、しかも、不経済この上ない。このIntakeに関しては、わたしとしてはもう堪忍袋の緒が切れたというか、別手法でいく決断をしました。
 近々、Carburetterを含めたInlet系をUpgradingする方向で検討中です。

9/09/2016

long time

 久しぶりの新規投稿。



 またしても放置してしまいました(200 rallyもこのblogも) 。
 身内に不幸があったり、個人的に苦難が多々あったものですから。
 なんとか落ち着いてきたので、これからまた追々UPできるかな、と思います。

 Google検索ではウチのblog、凄くHit率高いので驚きました。blogの統計で見てもかなりのアクセスがありました。みなさんのお役に立っていたのでしょうか?
 以前、ファンの方から「全ページ、プリントアウトして読み込んでます」とのメッセージをいただき嬉しかったことを思い出します。またUsefulな投稿ができると良いのですが。

 取り敢えず、blogの表示文字サイズを標準に変更して読み易くしてみました。投稿数が多かったので大変でした。

11/22/2012

used vespa buying guide

 粉屋珈琲の女将(笑)が愛車(?)の大改造ET3を手放され、新しい愛車を物色中ということで、いい機会なのでwicked vespa的Used vespa Buying Guideを書いてみます。
 「新車」と、マニアックな「旧車」は対象外として、一般的に現在入手可能なUsed Vintage StyleのModelについて、ね。

 わたしみたいな自分自身でレストアしちゃうようなハードボイルドD.I.Y.レストラーはさておいて、一般的な方々を対象とすると、女将にも言ってたのですが、先ず、第一に「カスタマイズされていないフル・オリジナル車輌にしときなさい」てことです。
 何故かと言うと、おかしな手を掛けられた車輌は不具合が起きたときの修理が厄介だからです。オリジナルのままなら、純正部品で修理出来るし、修理方法も通常手段で対応できる。ところが、独自に改造が施された車輌となると、それが通用しない。カスタマイズした本人しかわからないような特殊な改造が施されていたりするので、修理以前にオリジナルの状態復帰さえ困難なこともあります。
 また、Bodyに穴を開けたりした改造車もやめておいた方が無難。オリジナル復帰に手間と費用が掛かりますし、手放すときには買い取り査定だって大幅に下がる対象になります。

 専門雑誌等でよく見掛ける常套句「信頼出来るお店で」という「信頼」に値すると言われるvespa専門店がそういうカスタマイズをお客に扇動して施したりしていて、信頼もへったくれもあったものじゃない。少しでも売り上げの嵩を上げる為に、彼らはそういうオプショナルをお客に提示して販売したりする。また、「vespaは手が掛かりますよ」という店主の文句の裏側には、出来るだけ自店で手を掛けさせて売り上げにしようという魂胆が見え隠れする。

 ケーブルが切れる等という消耗的トラブルを除いて、オリジナル維持で乗られているvespaは丈夫だと長年のvespa経験からわたしは思います。
 例えば、2 Stroke Oilにしても、専門店では自店が取り扱うLiter@数千円の高級品でないとダメ、と宣う。本当にそうなのか?
 インドでは、古くからvespaがノックダウン生産されていて、近年、その市場を日本製Scooterに乗っ取られるまでは、彼の地ではScooterと言えばvespaが代名詞で、庶民の足として長年国民に愛用されていました。さて、インド庶民のみなさまはvespaに高級Oilを使っていたでしょうか? 廉価な、或いは、安物のOilを使用していても壊れない頑丈さがあったからvespaは長年インドで愛されて普及していたのではないのでしょうか?
 勿論、上等のOilを常用すれば、当然機械の持ちは良くなるでしょうから、悪いことはないでしょう。でも、一般的に現在の日本で販売されている汎用市販Oilの品質ならば、悪くするということもないと思うのですけどね?
 ちなみに、わたしはホームセンター「コーナン」で販売されている一番安い自社ブランドの2 Stroke Oil(1 Bottle@数百円也)をずっと使用しています(鉱物油ベース半化学合成)。それでこれまでノン・トラブルですし、分解点検ではCylinderもPistonも、実際、コンディションは最高で、コーナンOil使用による悪影響はまったく見て取れませんでした。というか、結果からすると大変優秀なOilと言えると思います。
 まぁ、わたしが言いたいのは、いわゆる際物取り扱い専門店特有の呪文に洗脳されて、手放し色眼鏡で真偽を見誤ってしまうのは楽しくないし、お金だけ使わされちまって、ちっともおもしろくもない、てことです。

 ちょっと話しが逸れましたが、何れにせよ、Used vespaを購入するなら、あらゆる面で「Full Originalが最強」であり、無難てことです。あなたがメカに疎く、vespa初心者なら尚更、です。
  • カスタマイズ(改造)しないで乗られていたオーナーてのは、概して、大人しい乗り方をされていたと見てよい。
  • 修理、トラブル履歴が把握し易い。
  • 購入後のメンテ&修理もし易い(自身で修理するにせよ、お店に任せるにせよ)。
  • 手放すときに売買が容易(査定価格が不当に低くならない)。
 また、修理やメンテの面倒を見てもらうお店についてですが、ちゃんとした整備が出来る真っ当な二輪専門店なら、vespa専門店でなくても、基本的に整備はしてもらえます。が、やはり、vespaならではの特殊性があり、重整備についてはvespa専用特殊工具などを常備されていないと厄介ではあります。
 ところが、vespa専門店てのが、ほんと、どこもかしこもめんどくさい店主揃いでして(良心店少なし)、整備の腕が良いと思われる真っ当なvespa専門店が身近にある、という好条件の地域であることも少ないと思われます。
 しかし、ふつうに乗ってれば、重整備が必要になるようなトラブルに至ることは少ないと思うんですよね。なので、Clutch、Brake、Gear ChangeのCable類と、Light Bulbの交換、調整法さえマスターしておけば、自力でなんとかなると思うのですけども。Partsは通販で購入できますし、消耗Partsは安価な部類ですしね。少なくとも、この辺のメンテ自力維持覚悟はvespaを購入するなら必要かも知れません。昨今では、情報はこのようにネットでゲットできますし。

 走行距離については、Speedometer本体、或いは、Gear & Cableが不調だった場合(これ、よくある)、その積算距離が正しいかどうかはわかりません(交換されている可能性も)。が、やはり、コンディションは走行距離に大体比例しているものです。それは、Tyreの減り具合や、Engineの外観を見れば大凡わかります。vespaの場合、CarburettorとExhaust Pipeの取付け部からのOil漏れが多い。よく乗られていた車輌はその辺りが黒くなったタール状の汚れが大抵どっさり付着しています(奇麗にクリーニングされてたら解りませんけども)。
 Exhaust Pipeはたいてい錆びてます(新車から)。これは、熱が常態的に掛かる部分の鉄は酸化が促進されるからで、どんな車輌でも同じです(が、確かにvespaのそれは特に錆び易い)。
 年式は古いのに走行距離が異常に少ない - という場合は、放置期間が長かったと思われます。その場合、Fuel Tank内部が錆びていることがありますので要チェックですが、自走可能な場合は大丈夫なこともあります。何れも、Carburettorにゴミが詰まり易い常態になっていることが多いですが、一度Gasolineを抜いて、Tank内とCarburettorを洗浄すれば問題ありません。
 機械というのは、常に適度に使用されていた方が概して調子が良いものです。走行距離が少ないから良い/距離が伸びているから良くない、は、その個体の総合的なコンディション次第なので、どちらとも言い切れません。

 あと、vespaはSteel Monocock構造です。つまり、Body全体が鉄チン製。つまり、遅かれ早かれ、いつかは錆びます。vespaの塗装は概していい加減で、塗膜は薄めです。中には、新車から明らかな塗り残しさえ見受けられるイタリアンさです。
 なので、雨ざらし青空保管されていた車輌は特に錆の進行が早いです。Floorには水が溜まり易く、酷い場合は、数年で腐って穴が空いたりします。なので、屋根付きガレージで保管されていたであろう車輌を選ぶことですね。
 雨ざらし保管されていた車輌は、地面に落ちた雨粒が跳ねて、上回りは奇麗でも下回りが特によく錆びてます。同じく、鉄チンのホィールがよく錆びている車輌も雨ざらし保管の確率が高いですので、見極めポイントに。
 また、再全塗装/再部分塗装されている車輌は、よくよく見定めること。何故、塗装し直されたのか? を考えましょう。「自分の好きな色じゃなかったから」というだけの理由で贅沢に塗り直されることもあるにはあるでしょうが、大抵は修理のついでの補修(つまり、傷隠し)ということが多い。上手な板金塗装がなされていればそれはそれでよしとしても、酷い状態のものもあり、そういうのは後々ぼろが露呈します。塗装もやはりオリジナル維持が最強です。

 Good Luck!

11/21/2012

DC 12v conversion pt. 3

 夜間走行Testしてきました。


 画像ではイマイチわからないでしょうが、やはりBlogネタ的に画像は必要かと思い、撮影しました。
 Lightingは安定していて、Systemにまったく問題はないようでした。

Rare APRILLIA Headlight.

 これにて12v Conversionは完遂。レポート終了〜。

11/18/2012

DC 12v conversion pt. 2

 Femsa StatorのままのDC 12v化、作業終了。
12v Rectifier/Regulator & Battery installed
 何のことはなく、作業としてはL.T. Coilの結線をちょこっと変更と、BatteryとRectifier/Regulator、Bulbの総交換だけで、特にオリジナル・アピアランスを損なうような大改造を施すこともなく、比較的安直に出来てしまいました。

 このDucati Rectifier/Regulatorは、G/G/+B/L/Cの5 Terminal仕様で、"R"端子は存在しません("R" Terminal付きVersionは、"Center-Tap" Coil用のものです)。画像でBlueのリードが"R" Terminalに刺さっているように見えるのは、わたしが"+B" Terminalを"Piggy-Back Terminal"による二股分岐展開しているだけのことです。"L"は"Charge-Lamp"用の回路Terminalで、Ducati(Motorcycle)ではCharge Lampが実装されているので接続しますが、vespaでは使用しませんので不接続にして未使用です。"C"は"Battery-charge"用回路で、画像ではコネクションされていませんが、本来はBatteryの"+"端子と導通していないとBatteryがチャージされずに放電してしまいます。

 US rally 200には標準でこのような2回路保護用Fuse Holderが付いています。

 やはり、6vから12vへの変更の恩恵は大きく、Lightの明るさと安定度は違いますね。US rally 200の場合、6vでも電装は比較的安定的だったので不満はそれほどなかったのですが、12vは根本的に効率の良さが違うので、昼間でも「点いてる」のがちゃんとわかります。電圧も安定していて、揺らぎ、ちらつきもありません。Advantageの差は大きいですね。

 Headlight BulbはオリジナルのBA20DのBulb Socketのまま、ドイツBilux製の35w/35wのHalogenにしましたので、光量は必要にして十分、これなら夜間走行も楽々安心。しかし、日本製の同TypeのHalogen Bulbは全然明るくならないらしいので注意。今後、何なら、H4 BulbのHeadlight Unitに丸ごとUp-Grade交換、という更に奥の手も使えます。
Stop & tail light (lens removed)
 Tail LightとStop Lampの視認性も明るくてバッチリで、Tailは5w、Stopは10wのBulbで明るさ十分。
 画像は、Stopに20wのBulbを試しの図ですが、これは恥ずかしいくらい無駄に明る過ぎました。
 ついでに、WhiteのRubber Gasketに交換してみました。本当はGreyで統一したいところなのですが、Greyのが販売されていないもので。

 Speedometer Bulbだけ、6v 0.6wのBulbが何故か切れずに持ちこたえているので、しばらくそのまま使ってみます。ま、オーバーワークなので寿命は縮まるでしょうが、どっち道6v Bulbは余剰品になってしまったので。


rally 200 original DC 6v horn
 結局、DC 6vのrally 200 Hornも12v直結のままで問題無さげだったので、これもしばらくそのままの状態で様子を見ることにしました。乗用車並みのデカイ音で鳴るようになりましたので、本来、在っても殆ど意味のなかった貧弱なvespaのHornの実用レベル以上の音量です(笑)。これ、そもそも本来は12v仕様なんじゃないのか? という疑惑も。

 しかし、こうなると、6vでは貧そな断末魔的点滅しかしないFlasher Lampも搭載してもよい気がしてきました。出力に余裕がありますし、電装Systemの安定度が格段に余裕綽々レベルになりましたので、この12v SystemならFlasher Lampも十分に実用レベルになるかな? とね。うーん、Bar-End Blinker、着けてみるかなー。

 とにかく、この12v化によって現代的車輌のスタンダード電装仕様になったので、今後のメンテナンスや、更なるUp-Gradingが容易になる、というメリットは大きいですね。
 わたしのrallyのWiringは現代の線材で新たに引き直しているので、線材の劣化による性能ダウンは極小だと思いますが、同じ12v化をしてもWiring線材の酸化劣化によって抵抗値が上がっていて性能を十分に引き出せないケースは多いと思います。先ずはWiringの引き直しは必須。同じ12v化でも結果に大きく差が出ます。

 ちょっと今の時期寒いんですが、しばらく夜間走行Testしてみて、BatteryのCharge等、今回のSystemに問題がないか確かめてみることにします。

11/15/2012

12v conversion kit with stock stator

 じゃーん! これがわたしのDC 12v化に必要なItemsのほぼすべてです。
My rally 200 DC 12v conversion kit - 12v Sealed battery, 12v Rectifier/Regulator, 12v Bulbs
 あと、問題になるのはDC 6vのrally Hornですが、これはZener DiodeでHorn回路のみ単独DC 6v制御して対処するつもりです(最も簡易、且つ、確実&安価な策)。

 Bulbを6vから12v仕様へと総取り替えてのは、もったいないとずっと思ってたのですが、よく考えると予算的にはそう大したこともないんですよね。でも、Headlight BulbをHalogenにしたので、ちょっと嵩が上がりはしますけれども。

 Rectifier/Regulatorは、Ducati Energiaの単相12v仕様。これでDC 12v全波整流可能な筈。
 DucatiのRectifier/Regulatorは、めちゃくちゃVariationがありまして、端子の数や回路が異なってたりします。回路が単相用/2相用/AC Regulator機能のみ、等、同じカタチで外見上は変わらない物でも内部の機能的にはまったく違っていたりしますので、購入には注意が必要。また、機能的には巷ではあまり評判がよろしくありません。でも、これと同じものは航空機にも純正採用されているんですよ。
 ちなみに、このDucatiは、あのMotorcycleのDucatiとは別会社で、あくまで電装品メーカーなのですが、DucatiのBikeにDucatiの製品が使われていたりもするので、ややこしいこと極まりありません。(笑)

 今回用意したこのBattery、本来は横置きにデザインされてはいますが、Sealed Typeなので縦置きでも問題なく使用可能(液漏れしない)。
 ちょっとばかり端子の位置レイアウトが変わるだけです。12v 8.5Ahで、容量的にもまったく問題ありません。この型式は日本車Scooterに使用されているものなので、汎用品として入手も容易です。
 そして、なんと!……
Wonderful size compatibility for DC 12v conversion! - Left: 12v Sealed, Right: 6v unsealed type battery
 rallyのBattery格納スペースに無改造ポン付け装着可能な6vの縦型Batteryと見事にほぼ同じドンピシャSizeなのです!
 この12v Batteryは、6v Battery仕様Old Large Frame vespaのDC 12v化には、もうパーフェクトでしょ。

 というか、画像での比較対象品として登場の右の6v Batteryは元々使用してたヤツで、放電してとっくに死んでたと思い込んでたのですが、先日、試しに充電してみたら元気に復活しちゃいまして……、この前購入した6v Batteryと合わせて、健康な6v Batteryの余剰在庫を2個もつくっちゃいました……トホホ。

11/14/2012

L.T. coil wiring circuit

 12v Conversionに際して、わたしが理解しているUS rally 200のL.T. CoilのWiring Circuitのおさらいと、解説です。
 上の画像で説明しますが、Stator Plate上にCoilを3つ並べて配置されています。これは、6 Pole Piece型Generatorと言われるもので、vespaの場合、新旧共に基本的にこの6 Pole型です。60度刻みに均等にPhilips Screwが留められているところがPole Pieceになります。その外周をFlywheel Magnetが回転することで、電磁石の原理で電力を出力します。つまり、これは6つのCoilで構成されているAlternatorなのです。

 しかし、見た目、Coilは3つしか確認できませんよね?
 そう、つまり、これらのCoilは、実は2個@1組 x 3になっているんです。これを理解してない人は、下手にStatorをいじると大きな間違いを起こすので、いじらないようにしましょう。

 また、Stator Plate上のこれらの3つ(6つ)のCoilは2種類あり、見た目上、Ignition用の1 x H.T. Coilと2 x L.T. Coilの組み合わせです。
 H.T. Coilは、Ignition用に高圧/高出力になるようにL.T. Coilとはまた異なったWindingがされており、1個配置されています(画像の10時 - 11時位置)が、これも本質的には2個勘定です。
 Early Typeのrally 200(Femsa Type)などのOld vespa modelの場合、H.T. CoilのWiringは直にIgnition Coilに繋げられていて、L.T.系とは別系統になっている為、Rectifier/Regulatorには接続されていません。故に、Batteryが上がろうが、Engineは始動可能なわけです。なので、このH.T. Coilについては、今回の懸案となっている電装系とは基本的に無関係なので、今回はこれ以上は云々いたしません。

 さて、電装系で問題となるのは、残る見た目2個のL.T. Coilの方です。
 「2個が1組になっている、というのは、どういうことか?」これを理解するには、では、「何故、1個のCoilにPole Pieceが2個もあるのか?」 を考えてもらえればよろしいです。
 では、「何故、その2個が1組のCoilなのに、配線は2本しか引き出されていないのか?」と言われるかも知れません。(通常、2本リード出しがvespaの場合普通なので)それは、「2つのCoilの結線が直列になっているから」、つまり、「CoilとPole Pieceの逆転使い回し」です。
 はい、ここまでの解説ですんなり理解できた方はかなり優秀です。

 ところが、このUS rally 200の場合、これらのL.T. Coilの1組からは4本のリードが出ています。
 それは、センタータップ結線になっているからです。「センタータップとはなんぞや?」と思われた方は、ここからの解説は更にちんぷんかんぷんになりますので、予備学習をお願いします。また、ここからはWiring Diagramで示さないと、わたしも説明が困難ですし、理解にも苦しまれるでしょう。なので、作成してみました。
 たぶん、この回路で間違ってない筈です。

 このL.T. CoilのWiringは"Ducati Wiring" Typeとして知られているもので、同じくItaly製のMotorcycleの"DUCATI"のStatorと同じ結線の仕様で、かなり特殊です。
 実際、これを文章で説明するのはかなりややこしくて困難を極めます。図に起こすのもまるでパズルのようで面倒(もし、間違いがあったら、ご指摘ください。訂正します)。なので、誤解例が多いものです。
 これは、基本的には「センタータップ2 Phase」Wiringで、いわゆる2相式回路結線なんです。このDucati WiringをSingle Phase(単相)と勘違いされている方が自称プロを含めて多々いらっしゃいますが、単相ではありません。

 センタータップ(Nutral)抜きのこの2相間のACV OUT値の14vは、わたしのrally 200でのIdling時のMultimeterでの実測定によります(Rev.回転数不明)ので、EngineのRev.が上がれば、更に高電圧出力になります。そして、センタータップでの片相のACV OUT: 7vを6v仕様Rectifier/Regulatorで2相整流制御しています(これは、全波整流というか、デュアル半波整流、と言えるようなものです)。
 ということは、この場合、最も簡易な変更では、センタータップのアーシングを外し、使用せずに、12v仕様Rectifier/Regulatorを使用すれば、DC 12v全波整流可能ということです。或いは、少々作業が面倒にはなりますが、Coilの結線を根本的に変えれば、単相/直列、並列の組み合わせでもAC OUT 12vを得ることができます。
 
 さて、ここで解る最も重要なポイントは、このrally 200のStator上のL.T. Coil - 4個2組 - の最大出力可能電圧は、すべてのCoilの直列結線でIdling時@約AC OUT: 28vになるということです!

 というわけで、電気に知識の太い人ならば、上のBold文字の情報だけであとは自力でどうにでもなされるでしょう。

 vespaのStator Coilの場合、それぞれのModelによって搭載されているCoilの違いで若干の出力(Watts)の多少の違いはあるようですが、L.T. CoilのTotalの出力電圧は、Idling時の最低値でだいたいACV Out: 30v前後になるように設定されている筈です。これは、使用する電装品が必要とする電力から逆算すると必然的に出てくる値なのです。
 ですから、基本的にはCoilの結線次第で、AC 24v、12v、6vと出力設定が可能だということがざっと理解できると思います。(ただし、"Ducati Wiring"は、センタータップ付きのCoilでないと実現不可能です)
 つまり、vespaのStatorの6v/12v仕様というのは、Coilの結線方法の違いによるもので、まったく同じStatorをベースにして、6v仕様にも、12v仕様にもできる、ということです(わざわざ別のStatorを購入して交換するまでもなく)。
 vespa屋さんは儲かりませんが……(笑)。

*Stator Coilの出力電圧の確認方法: Engineを始動して、1個のL.T. Coil(わたしの言うところの「2個1組)の出力リード2本間をMultimeterでACV測定します。

 もし、この解説で理解できない方は、予備学習が必要ですので、がんばってください。でも、大丈夫。プロのvespa屋さんでさえ解ってないからー(笑)。

11/13/2012

DC 12v conversion pt. 1

 Rectifier/Regulator不調をどう対処するか - で、いろいろ調べてみました。
 検討した結果、DC 12v化に方針変更することにしました。
 というのも、OriginalのDucati 6v Rectifier/Regulator自体が現在希少過ぎて、入手が激困難、且つ、高価ということが第一にあります。汎用品を流用はできますが、その6v仕様の汎用品も現在では入手が困難になりつつあり、6vの電装システムが最早廃れる仕様である、ということ。Originalに拘るのなら、6vでとことんいってもいいんですけど、次の事情から方針変更しました。

 それは、そもそも、US rally 200のL.T. Coilは標準で12v出力可能、ということです。これは、Coilの結線だけの問題なので、結線を変えれば、Stator CoilはOriginalのまま、無交換で12v化が成り立ちます。つまり、ここまでは0円で12v化できるということですが、ただし、それには12v Rectifier/Regulatorが必要になります。が、今回、現状の6v Rectifier/Regulatorが不調で要交換なわけで、6v仕様は前途のとおり入手困難ではあるのですが、一方、12v仕様ならゴロゴロある。どっちが簡易で安価かって話しになれば、そりゃー、何故か12vの方になるんです。しかも、12vの方がシステム的には2倍のUp-Gradeです。

 問題は、12v BatteryのSizeだったのですが、調べましたら、rally 200のBattery搭載SpaceにJust!のSizeのシールド型12v Batteryを見つけました。これを使えば、改造する必要もありませんので、見た目も限りなくOriginalのままの状態を維持できます。

 ということで、DC 12v Conversionを決行することにします。

11/07/2012

Ducati 6v rectifier

 US rally 200はBattery仕様で、Ducati 6v Rectifier(Regulator)搭載です。

 Euro rally 200 Battery仕様のCheapな半波整流Typeではなく、当時としては高級なSCR制御の6v 2相全波整流Type(の筈)で、5-Pin仕様です。
 このDucati Rectifierはpiaggioオリジナル搭載品ですが、本来はDucati用のもので、流用品です。

 実は、US rally 200のL.T. Coilは特殊で、1個につき、4本のリードが出ています。つまり、これは2個のCoilを一組みにしたものであって、1個で2相Coilなのです。Stator上で、2個の2相CoilをParallel接続して、2 x AC 6v Outletです。
 Series結線すれば、AC 12v Outletにもなります。
 これは数あるvespa Modelにあって、この時代のUS仕様車だけの特殊なTypeの仕様です。
 この画像は、いろいろ実験&確認Test中のショットなので、Wiringは正しくありません。

 さて、このRectifierの状態ですが、AC - DC変換が出来たり、出来なかったりをランダムに繰り返してるようで、Battery Chargeもできていません。内部回路の結線に不具合があるか、或いは、素子が劣化しているかの何れかのようです。要は、これは明らかに回路上の経年劣化です。
 内部の回路さえ露になれば、部品は安価だし、交換修理は容易いのですが、これがですね、丸ごと樹脂で固められておりまして、分解はちょっと一筋縄ではいきそうにありません。で、上の画像では取り敢えず急場のAC結線 + Batteryの2回路式を試みている、の図な訳です。

 このままRectifierをThroughしたAC結線で何とかLightningは可能ですが、HornはDC Typeなのでマトモには鳴らせませんし(鳴ることは鳴る)、BatteryをDC Chargeもできません。また、AC 6vは効率が悪い、と思いきや、試してみると、それは案外そうでもありませんでしたが、Voltageの昇下が激しいので、Valve切れ捲り。それに、全AC化には本来はOpen TypeのSwitchが必要。
 やはり、DC 6v全波整流が実利的だし、実際、Rectifierが正常な状態のDC Lightningは大変優秀で、不満ありませんでした。

 巷の6v vespa乗りさんでやりたい人が多いDC 12v化は、無駄な投資のStator交換してまで試みて居られる方が多数のようですが、前途の通り、なにもStatorを交換せずとも、L.T. Coilの結線を変えるだけのことで済むのですが(US rally 200に限らず)、わたしは今のところ必然性を感じてません。これはBulb類とRectifierの総交換が必須になりますし、それに、12v Batteryを搭載するスペースもrallyにはありません。
 AC 12v化なら、Batteryは必要ではないですけども、SwitchとHornは要交換になりますし、12v Regulatorも必要。それに、一部、Wiringも変更しないといけない。

 で、どうするか。
 この初期VersionのDC 6vの2相式Ducati Rectifierはかなりレアで、カタチは同じDucati Rectifierでも仕様が異なる為、Used品はおろか、新品の入手は現在かなり困難。見つかったとしても(一応、見つけてはあります)、かなり高額で2万円くらいはします。本当は2nd. Versionのが良いのですが、そちらの方は更にレアで入手激困難。
 分解修理は上記の理由の為、不可能ではないものの、困難で手間が掛かる。
 最もEasyなのが、他の汎用6v Regulatorを利用して交換する(2相なので、2個必要)。
 最後は、内部回路を丸ごと新たに自作して交換する。

 うーむ……検討中。