11/22/2012

used vespa buying guide

 粉屋珈琲の女将(笑)が愛車(?)の大改造ET3を手放され、新しい愛車を物色中ということで、いい機会なのでwicked vespa的Used vespa Buying Guideを書いてみます。
 「新車」と、マニアックな「旧車」は対象外として、一般的に現在入手可能なUsed Vintage StyleのModelについて、ね。

 わたしみたいな自分自身でレストアしちゃうようなハードボイルドD.I.Y.レストラーはさておいて、一般的な方々を対象とすると、女将にも言ってたのですが、先ず、第一に「カスタマイズされていないフル・オリジナル車輌にしときなさい」てことです。
 何故かと言うと、おかしな手を掛けられた車輌は不具合が起きたときの修理が厄介だからです。オリジナルのままなら、純正部品で修理出来るし、修理方法も通常手段で対応できる。ところが、独自に改造が施された車輌となると、それが通用しない。カスタマイズした本人しかわからないような特殊な改造が施されていたりするので、修理以前にオリジナルの状態復帰さえ困難なこともあります。
 また、Bodyに穴を開けたりした改造車もやめておいた方が無難。オリジナル復帰に手間と費用が掛かりますし、手放すときには買い取り査定だって大幅に下がる対象になります。

 専門雑誌等でよく見掛ける常套句「信頼出来るお店で」という「信頼」に値すると言われるvespa専門店がそういうカスタマイズをお客に扇動して施したりしていて、信頼もへったくれもあったものじゃない。少しでも売り上げの嵩を上げる為に、彼らはそういうオプショナルをお客に提示して販売したりする。また、「vespaは手が掛かりますよ」という店主の文句の裏側には、出来るだけ自店で手を掛けさせて売り上げにしようという魂胆が見え隠れする。

 ケーブルが切れる等という消耗的トラブルを除いて、オリジナル維持で乗られているvespaは丈夫だと長年のvespa経験からわたしは思います。
 例えば、2 Stroke Oilにしても、専門店では自店が取り扱うLiter@数千円の高級品でないとダメ、と宣う。本当にそうなのか?
 インドでは、古くからvespaがノックダウン生産されていて、近年、その市場を日本製Scooterに乗っ取られるまでは、彼の地ではScooterと言えばvespaが代名詞で、庶民の足として長年国民に愛用されていました。さて、インド庶民のみなさまはvespaに高級Oilを使っていたでしょうか? 廉価な、或いは、安物のOilを使用していても壊れない頑丈さがあったからvespaは長年インドで愛されて普及していたのではないのでしょうか?
 勿論、上等のOilを常用すれば、当然機械の持ちは良くなるでしょうから、悪いことはないでしょう。でも、一般的に現在の日本で販売されている汎用市販Oilの品質ならば、悪くするということもないと思うのですけどね?
 ちなみに、わたしはホームセンター「コーナン」で販売されている一番安い自社ブランドの2 Stroke Oil(1 Bottle@数百円也)をずっと使用しています(鉱物油ベース半化学合成)。それでこれまでノン・トラブルですし、分解点検ではCylinderもPistonも、実際、コンディションは最高で、コーナンOil使用による悪影響はまったく見て取れませんでした。というか、結果からすると大変優秀なOilと言えると思います。
 まぁ、わたしが言いたいのは、いわゆる際物取り扱い専門店特有の呪文に洗脳されて、手放し色眼鏡で真偽を見誤ってしまうのは楽しくないし、お金だけ使わされちまって、ちっともおもしろくもない、てことです。

 ちょっと話しが逸れましたが、何れにせよ、Used vespaを購入するなら、あらゆる面で「Full Originalが最強」であり、無難てことです。あなたがメカに疎く、vespa初心者なら尚更、です。
  • カスタマイズ(改造)しないで乗られていたオーナーてのは、概して、大人しい乗り方をされていたと見てよい。
  • 修理、トラブル履歴が把握し易い。
  • 購入後のメンテ&修理もし易い(自身で修理するにせよ、お店に任せるにせよ)。
  • 手放すときに売買が容易(査定価格が不当に低くならない)。
 また、修理やメンテの面倒を見てもらうお店についてですが、ちゃんとした整備が出来る真っ当な二輪専門店なら、vespa専門店でなくても、基本的に整備はしてもらえます。が、やはり、vespaならではの特殊性があり、重整備についてはvespa専用特殊工具などを常備されていないと厄介ではあります。
 ところが、vespa専門店てのが、ほんと、どこもかしこもめんどくさい店主揃いでして(良心店少なし)、整備の腕が良いと思われる真っ当なvespa専門店が身近にある、という好条件の地域であることも少ないと思われます。
 しかし、ふつうに乗ってれば、重整備が必要になるようなトラブルに至ることは少ないと思うんですよね。なので、Clutch、Brake、Gear ChangeのCable類と、Light Bulbの交換、調整法さえマスターしておけば、自力でなんとかなると思うのですけども。Partsは通販で購入できますし、消耗Partsは安価な部類ですしね。少なくとも、この辺のメンテ自力維持覚悟はvespaを購入するなら必要かも知れません。昨今では、情報はこのようにネットでゲットできますし。

 走行距離については、Speedometer本体、或いは、Gear & Cableが不調だった場合(これ、よくある)、その積算距離が正しいかどうかはわかりません(交換されている可能性も)。が、やはり、コンディションは走行距離に大体比例しているものです。それは、Tyreの減り具合や、Engineの外観を見れば大凡わかります。vespaの場合、CarburettorとExhaust Pipeの取付け部からのOil漏れが多い。よく乗られていた車輌はその辺りが黒くなったタール状の汚れが大抵どっさり付着しています(奇麗にクリーニングされてたら解りませんけども)。
 Exhaust Pipeはたいてい錆びてます(新車から)。これは、熱が常態的に掛かる部分の鉄は酸化が促進されるからで、どんな車輌でも同じです(が、確かにvespaのそれは特に錆び易い)。
 年式は古いのに走行距離が異常に少ない - という場合は、放置期間が長かったと思われます。その場合、Fuel Tank内部が錆びていることがありますので要チェックですが、自走可能な場合は大丈夫なこともあります。何れも、Carburettorにゴミが詰まり易い常態になっていることが多いですが、一度Gasolineを抜いて、Tank内とCarburettorを洗浄すれば問題ありません。
 機械というのは、常に適度に使用されていた方が概して調子が良いものです。走行距離が少ないから良い/距離が伸びているから良くない、は、その個体の総合的なコンディション次第なので、どちらとも言い切れません。

 あと、vespaはSteel Monocock構造です。つまり、Body全体が鉄チン製。つまり、遅かれ早かれ、いつかは錆びます。vespaの塗装は概していい加減で、塗膜は薄めです。中には、新車から明らかな塗り残しさえ見受けられるイタリアンさです。
 なので、雨ざらし青空保管されていた車輌は特に錆の進行が早いです。Floorには水が溜まり易く、酷い場合は、数年で腐って穴が空いたりします。なので、屋根付きガレージで保管されていたであろう車輌を選ぶことですね。
 雨ざらし保管されていた車輌は、地面に落ちた雨粒が跳ねて、上回りは奇麗でも下回りが特によく錆びてます。同じく、鉄チンのホィールがよく錆びている車輌も雨ざらし保管の確率が高いですので、見極めポイントに。
 また、再全塗装/再部分塗装されている車輌は、よくよく見定めること。何故、塗装し直されたのか? を考えましょう。「自分の好きな色じゃなかったから」というだけの理由で贅沢に塗り直されることもあるにはあるでしょうが、大抵は修理のついでの補修(つまり、傷隠し)ということが多い。上手な板金塗装がなされていればそれはそれでよしとしても、酷い状態のものもあり、そういうのは後々ぼろが露呈します。塗装もやはりオリジナル維持が最強です。

 Good Luck!

11/21/2012

DC 12v conversion pt. 3

 夜間走行Testしてきました。


 画像ではイマイチわからないでしょうが、やはりBlogネタ的に画像は必要かと思い、撮影しました。
 Lightingは安定していて、Systemにまったく問題はないようでした。

Rare APRILLIA Headlight.

 これにて12v Conversionは完遂。レポート終了〜。

11/18/2012

DC 12v conversion pt. 2

 Femsa StatorのままのDC 12v化、作業終了。
12v Rectifier/Regulator & Battery installed
 何のことはなく、作業としてはL.T. Coilの結線をちょこっと変更と、BatteryとRectifier/Regulator、Bulbの総交換だけで、特にオリジナル・アピアランスを損なうような大改造を施すこともなく、比較的安直に出来てしまいました。

 このDucati Rectifier/Regulatorは、G/G/+B/L/Cの5 Terminal仕様で、"R"端子は存在しません("R" Terminal付きVersionは、"Center-Tap" Coil用のものです)。画像でBlueのリードが"R" Terminalに刺さっているように見えるのは、わたしが"+B" Terminalを"Piggy-Back Terminal"による二股分岐展開しているだけのことです。"L"は"Charge-Lamp"用の回路Terminalで、Ducati(Motorcycle)ではCharge Lampが実装されているので接続しますが、vespaでは使用しませんので不接続にして未使用です。"C"は"Battery-charge"用回路で、画像ではコネクションされていませんが、本来はBatteryの"+"端子と導通していないとBatteryがチャージされずに放電してしまいます。

 US rally 200には標準でこのような2回路保護用Fuse Holderが付いています。

 やはり、6vから12vへの変更の恩恵は大きく、Lightの明るさと安定度は違いますね。US rally 200の場合、6vでも電装は比較的安定的だったので不満はそれほどなかったのですが、12vは根本的に効率の良さが違うので、昼間でも「点いてる」のがちゃんとわかります。電圧も安定していて、揺らぎ、ちらつきもありません。Advantageの差は大きいですね。

 Headlight BulbはオリジナルのBA20DのBulb Socketのまま、ドイツBilux製の35w/35wのHalogenにしましたので、光量は必要にして十分、これなら夜間走行も楽々安心。しかし、日本製の同TypeのHalogen Bulbは全然明るくならないらしいので注意。今後、何なら、H4 BulbのHeadlight Unitに丸ごとUp-Grade交換、という更に奥の手も使えます。
Stop & tail light (lens removed)
 Tail LightとStop Lampの視認性も明るくてバッチリで、Tailは5w、Stopは10wのBulbで明るさ十分。
 画像は、Stopに20wのBulbを試しの図ですが、これは恥ずかしいくらい無駄に明る過ぎました。
 ついでに、WhiteのRubber Gasketに交換してみました。本当はGreyで統一したいところなのですが、Greyのが販売されていないもので。

 Speedometer Bulbだけ、6v 0.6wのBulbが何故か切れずに持ちこたえているので、しばらくそのまま使ってみます。ま、オーバーワークなので寿命は縮まるでしょうが、どっち道6v Bulbは余剰品になってしまったので。


rally 200 original DC 6v horn
 結局、DC 6vのrally 200 Hornも12v直結のままで問題無さげだったので、これもしばらくそのままの状態で様子を見ることにしました。乗用車並みのデカイ音で鳴るようになりましたので、本来、在っても殆ど意味のなかった貧弱なvespaのHornの実用レベル以上の音量です(笑)。これ、そもそも本来は12v仕様なんじゃないのか? という疑惑も。

 しかし、こうなると、6vでは貧そな断末魔的点滅しかしないFlasher Lampも搭載してもよい気がしてきました。出力に余裕がありますし、電装Systemの安定度が格段に余裕綽々レベルになりましたので、この12v SystemならFlasher Lampも十分に実用レベルになるかな? とね。うーん、Bar-End Blinker、着けてみるかなー。

 とにかく、この12v化によって現代的車輌のスタンダード電装仕様になったので、今後のメンテナンスや、更なるUp-Gradingが容易になる、というメリットは大きいですね。
 わたしのrallyのWiringは現代の線材で新たに引き直しているので、線材の劣化による性能ダウンは極小だと思いますが、同じ12v化をしてもWiring線材の酸化劣化によって抵抗値が上がっていて性能を十分に引き出せないケースは多いと思います。先ずはWiringの引き直しは必須。同じ12v化でも結果に大きく差が出ます。

 ちょっと今の時期寒いんですが、しばらく夜間走行Testしてみて、BatteryのCharge等、今回のSystemに問題がないか確かめてみることにします。

11/15/2012

12v conversion kit with stock stator

 じゃーん! これがわたしのDC 12v化に必要なItemsのほぼすべてです。
My rally 200 DC 12v conversion kit - 12v Sealed battery, 12v Rectifier/Regulator, 12v Bulbs
 あと、問題になるのはDC 6vのrally Hornですが、これはZener DiodeでHorn回路のみ単独DC 6v制御して対処するつもりです(最も簡易、且つ、確実&安価な策)。

 Bulbを6vから12v仕様へと総取り替えてのは、もったいないとずっと思ってたのですが、よく考えると予算的にはそう大したこともないんですよね。でも、Headlight BulbをHalogenにしたので、ちょっと嵩が上がりはしますけれども。

 Rectifier/Regulatorは、Ducati Energiaの単相12v仕様。これでDC 12v全波整流可能な筈。
 DucatiのRectifier/Regulatorは、めちゃくちゃVariationがありまして、端子の数や回路が異なってたりします。回路が単相用/2相用/AC Regulator機能のみ、等、同じカタチで外見上は変わらない物でも内部の機能的にはまったく違っていたりしますので、購入には注意が必要。また、機能的には巷ではあまり評判がよろしくありません。でも、これと同じものは航空機にも純正採用されているんですよ。
 ちなみに、このDucatiは、あのMotorcycleのDucatiとは別会社で、あくまで電装品メーカーなのですが、DucatiのBikeにDucatiの製品が使われていたりもするので、ややこしいこと極まりありません。(笑)

 今回用意したこのBattery、本来は横置きにデザインされてはいますが、Sealed Typeなので縦置きでも問題なく使用可能(液漏れしない)。
 ちょっとばかり端子の位置レイアウトが変わるだけです。12v 8.5Ahで、容量的にもまったく問題ありません。この型式は日本車Scooterに使用されているものなので、汎用品として入手も容易です。
 そして、なんと!……
Wonderful size compatibility for DC 12v conversion! - Left: 12v Sealed, Right: 6v unsealed type battery
 rallyのBattery格納スペースに無改造ポン付け装着可能な6vの縦型Batteryと見事にほぼ同じドンピシャSizeなのです!
 この12v Batteryは、6v Battery仕様Old Large Frame vespaのDC 12v化には、もうパーフェクトでしょ。

 というか、画像での比較対象品として登場の右の6v Batteryは元々使用してたヤツで、放電してとっくに死んでたと思い込んでたのですが、先日、試しに充電してみたら元気に復活しちゃいまして……、この前購入した6v Batteryと合わせて、健康な6v Batteryの余剰在庫を2個もつくっちゃいました……トホホ。

11/14/2012

L.T. coil wiring circuit

 12v Conversionに際して、わたしが理解しているUS rally 200のL.T. CoilのWiring Circuitのおさらいと、解説です。
 上の画像で説明しますが、Stator Plate上にCoilを3つ並べて配置されています。これは、6 Pole Piece型Generatorと言われるもので、vespaの場合、新旧共に基本的にこの6 Pole型です。60度刻みに均等にPhilips Screwが留められているところがPole Pieceになります。その外周をFlywheel Magnetが回転することで、電磁石の原理で電力を出力します。つまり、これは6つのCoilで構成されているAlternatorなのです。

 しかし、見た目、Coilは3つしか確認できませんよね?
 そう、つまり、これらのCoilは、実は2個@1組 x 3になっているんです。これを理解してない人は、下手にStatorをいじると大きな間違いを起こすので、いじらないようにしましょう。

 また、Stator Plate上のこれらの3つ(6つ)のCoilは2種類あり、見た目上、Ignition用の1 x H.T. Coilと2 x L.T. Coilの組み合わせです。
 H.T. Coilは、Ignition用に高圧/高出力になるようにL.T. Coilとはまた異なったWindingがされており、1個配置されています(画像の10時 - 11時位置)が、これも本質的には2個勘定です。
 Early Typeのrally 200(Femsa Type)などのOld vespa modelの場合、H.T. CoilのWiringは直にIgnition Coilに繋げられていて、L.T.系とは別系統になっている為、Rectifier/Regulatorには接続されていません。故に、Batteryが上がろうが、Engineは始動可能なわけです。なので、このH.T. Coilについては、今回の懸案となっている電装系とは基本的に無関係なので、今回はこれ以上は云々いたしません。

 さて、電装系で問題となるのは、残る見た目2個のL.T. Coilの方です。
 「2個が1組になっている、というのは、どういうことか?」これを理解するには、では、「何故、1個のCoilにPole Pieceが2個もあるのか?」 を考えてもらえればよろしいです。
 では、「何故、その2個が1組のCoilなのに、配線は2本しか引き出されていないのか?」と言われるかも知れません。(通常、2本リード出しがvespaの場合普通なので)それは、「2つのCoilの結線が直列になっているから」、つまり、「CoilとPole Pieceの逆転使い回し」です。
 はい、ここまでの解説ですんなり理解できた方はかなり優秀です。

 ところが、このUS rally 200の場合、これらのL.T. Coilの1組からは4本のリードが出ています。
 それは、センタータップ結線になっているからです。「センタータップとはなんぞや?」と思われた方は、ここからの解説は更にちんぷんかんぷんになりますので、予備学習をお願いします。また、ここからはWiring Diagramで示さないと、わたしも説明が困難ですし、理解にも苦しまれるでしょう。なので、作成してみました。
 たぶん、この回路で間違ってない筈です。

 このL.T. CoilのWiringは"Ducati Wiring" Typeとして知られているもので、同じくItaly製のMotorcycleの"DUCATI"のStatorと同じ結線の仕様で、かなり特殊です。
 実際、これを文章で説明するのはかなりややこしくて困難を極めます。図に起こすのもまるでパズルのようで面倒(もし、間違いがあったら、ご指摘ください。訂正します)。なので、誤解例が多いものです。
 これは、基本的には「センタータップ2 Phase」Wiringで、いわゆる2相式回路結線なんです。このDucati WiringをSingle Phase(単相)と勘違いされている方が自称プロを含めて多々いらっしゃいますが、単相ではありません。

 センタータップ(Nutral)抜きのこの2相間のACV OUT値の14vは、わたしのrally 200でのIdling時のMultimeterでの実測定によります(Rev.回転数不明)ので、EngineのRev.が上がれば、更に高電圧出力になります。そして、センタータップでの片相のACV OUT: 7vを6v仕様Rectifier/Regulatorで2相整流制御しています(これは、全波整流というか、デュアル半波整流、と言えるようなものです)。
 ということは、この場合、最も簡易な変更では、センタータップのアーシングを外し、使用せずに、12v仕様Rectifier/Regulatorを使用すれば、DC 12v全波整流可能ということです。或いは、少々作業が面倒にはなりますが、Coilの結線を根本的に変えれば、単相/直列、並列の組み合わせでもAC OUT 12vを得ることができます。
 
 さて、ここで解る最も重要なポイントは、このrally 200のStator上のL.T. Coil - 4個2組 - の最大出力可能電圧は、すべてのCoilの直列結線でIdling時@約AC OUT: 28vになるということです!

 というわけで、電気に知識の太い人ならば、上のBold文字の情報だけであとは自力でどうにでもなされるでしょう。

 vespaのStator Coilの場合、それぞれのModelによって搭載されているCoilの違いで若干の出力(Watts)の多少の違いはあるようですが、L.T. CoilのTotalの出力電圧は、Idling時の最低値でだいたいACV Out: 30v前後になるように設定されている筈です。これは、使用する電装品が必要とする電力から逆算すると必然的に出てくる値なのです。
 ですから、基本的にはCoilの結線次第で、AC 24v、12v、6vと出力設定が可能だということがざっと理解できると思います。(ただし、"Ducati Wiring"は、センタータップ付きのCoilでないと実現不可能です)
 つまり、vespaのStatorの6v/12v仕様というのは、Coilの結線方法の違いによるもので、まったく同じStatorをベースにして、6v仕様にも、12v仕様にもできる、ということです(わざわざ別のStatorを購入して交換するまでもなく)。
 vespa屋さんは儲かりませんが……(笑)。

*Stator Coilの出力電圧の確認方法: Engineを始動して、1個のL.T. Coil(わたしの言うところの「2個1組)の出力リード2本間をMultimeterでACV測定します。

 もし、この解説で理解できない方は、予備学習が必要ですので、がんばってください。でも、大丈夫。プロのvespa屋さんでさえ解ってないからー(笑)。

11/13/2012

DC 12v conversion pt. 1

 Rectifier/Regulator不調をどう対処するか - で、いろいろ調べてみました。
 検討した結果、DC 12v化に方針変更することにしました。
 というのも、OriginalのDucati 6v Rectifier/Regulator自体が現在希少過ぎて、入手が激困難、且つ、高価ということが第一にあります。汎用品を流用はできますが、その6v仕様の汎用品も現在では入手が困難になりつつあり、6vの電装システムが最早廃れる仕様である、ということ。Originalに拘るのなら、6vでとことんいってもいいんですけど、次の事情から方針変更しました。

 それは、そもそも、US rally 200のL.T. Coilは標準で12v出力可能、ということです。これは、Coilの結線だけの問題なので、結線を変えれば、Stator CoilはOriginalのまま、無交換で12v化が成り立ちます。つまり、ここまでは0円で12v化できるということですが、ただし、それには12v Rectifier/Regulatorが必要になります。が、今回、現状の6v Rectifier/Regulatorが不調で要交換なわけで、6v仕様は前途のとおり入手困難ではあるのですが、一方、12v仕様ならゴロゴロある。どっちが簡易で安価かって話しになれば、そりゃー、何故か12vの方になるんです。しかも、12vの方がシステム的には2倍のUp-Gradeです。

 問題は、12v BatteryのSizeだったのですが、調べましたら、rally 200のBattery搭載SpaceにJust!のSizeのシールド型12v Batteryを見つけました。これを使えば、改造する必要もありませんので、見た目も限りなくOriginalのままの状態を維持できます。

 ということで、DC 12v Conversionを決行することにします。

11/07/2012

Ducati 6v rectifier

 US rally 200はBattery仕様で、Ducati 6v Rectifier(Regulator)搭載です。

 Euro rally 200 Battery仕様のCheapな半波整流Typeではなく、当時としては高級なSCR制御の6v 2相全波整流Type(の筈)で、5-Pin仕様です。
 このDucati Rectifierはpiaggioオリジナル搭載品ですが、本来はDucati用のもので、流用品です。

 実は、US rally 200のL.T. Coilは特殊で、1個につき、4本のリードが出ています。つまり、これは2個のCoilを一組みにしたものであって、1個で2相Coilなのです。Stator上で、2個の2相CoilをParallel接続して、2 x AC 6v Outletです。
 Series結線すれば、AC 12v Outletにもなります。
 これは数あるvespa Modelにあって、この時代のUS仕様車だけの特殊なTypeの仕様です。
 この画像は、いろいろ実験&確認Test中のショットなので、Wiringは正しくありません。

 さて、このRectifierの状態ですが、AC - DC変換が出来たり、出来なかったりをランダムに繰り返してるようで、Battery Chargeもできていません。内部回路の結線に不具合があるか、或いは、素子が劣化しているかの何れかのようです。要は、これは明らかに回路上の経年劣化です。
 内部の回路さえ露になれば、部品は安価だし、交換修理は容易いのですが、これがですね、丸ごと樹脂で固められておりまして、分解はちょっと一筋縄ではいきそうにありません。で、上の画像では取り敢えず急場のAC結線 + Batteryの2回路式を試みている、の図な訳です。

 このままRectifierをThroughしたAC結線で何とかLightningは可能ですが、HornはDC Typeなのでマトモには鳴らせませんし(鳴ることは鳴る)、BatteryをDC Chargeもできません。また、AC 6vは効率が悪い、と思いきや、試してみると、それは案外そうでもありませんでしたが、Voltageの昇下が激しいので、Valve切れ捲り。それに、全AC化には本来はOpen TypeのSwitchが必要。
 やはり、DC 6v全波整流が実利的だし、実際、Rectifierが正常な状態のDC Lightningは大変優秀で、不満ありませんでした。

 巷の6v vespa乗りさんでやりたい人が多いDC 12v化は、無駄な投資のStator交換してまで試みて居られる方が多数のようですが、前途の通り、なにもStatorを交換せずとも、L.T. Coilの結線を変えるだけのことで済むのですが(US rally 200に限らず)、わたしは今のところ必然性を感じてません。これはBulb類とRectifierの総交換が必須になりますし、それに、12v Batteryを搭載するスペースもrallyにはありません。
 AC 12v化なら、Batteryは必要ではないですけども、SwitchとHornは要交換になりますし、12v Regulatorも必要。それに、一部、Wiringも変更しないといけない。

 で、どうするか。
 この初期VersionのDC 6vの2相式Ducati Rectifierはかなりレアで、カタチは同じDucati Rectifierでも仕様が異なる為、Used品はおろか、新品の入手は現在かなり困難。見つかったとしても(一応、見つけてはあります)、かなり高額で2万円くらいはします。本当は2nd. Versionのが良いのですが、そちらの方は更にレアで入手激困難。
 分解修理は上記の理由の為、不可能ではないものの、困難で手間が掛かる。
 最もEasyなのが、他の汎用6v Regulatorを利用して交換する(2相なので、2個必要)。
 最後は、内部回路を丸ごと新たに自作して交換する。

 うーむ……検討中。

flywheel side oil seal

 Battery交換して、夜間走行Testしますと、どうも電気系が安定しません。
 問題なく、Light点灯して走っていたところ、突然、Fade-Outという症状で、家に戻って、TesterでCheckすると、BatteryもWiringも正常。うーむ……L.T. Coilの方かぁ? でも、そっちは以前に自分でWiringを新しく引き直したしなー、とは思いながらも、StatorはFlywheelを外してみないと確認出来ないし……。
 めんどくさいけど、Oil Sealの点検もしておきたいところだったので、実施しました。
 Fly Wheelを外し、Stator Plateも取り外しました。
 若干不安のあったOil Sealですが、1974年の新車時から無交換でも状態は完璧で、一滴のLeakもなく、傷みもありませんで、Excellent!
 殆ど奇跡的Conditionです。

 さて、3つある内の一つ、H.T. Coilには異常がないのは確か。何故ならEngine Startは絶好調ですからね。
 何か問題があるとしたら残り二つのL.T. Coilの方なのですが、隈無くCheckしましたが、断線もなく、結局、問題ありませんでした。
 で、元戻し。
 ま、Oil Sealの健全性を確認出来たので、よしとしましょう。
 
 となると、Rectifier(Regulator)が怪しい、というか、ほぼ確信犯となりました。

11/06/2012

Prima helmet bag

 vespaにはHelmet Hookは着いてますが、"Un-Lockable"です。

 当然ながら、最新ScooterのようなHelmet収納スペースがあるわけもなく、ということは、車輌から離れるときは、Helmetは盗まれるのを承知でHookに掛けて放置しておくか、持ち歩くかの何れかの選択しかありません。
 過去、わたしはvespaのHookに掛けておいてHelmetを盗まれた経験があります。わたしは他人のHelmetはできれば被りたいとは思いませんが、盗む人はいるものなのです。
 そしてまた、持ち歩くにしても、裸状態のHelmetってのはこれが結構邪魔なんですよね。

 そこで、Helmet Bagを買ってみました。
 "Prima"というBrandのもので、Made In Italy。
 
 わたしのHelmetはJet Styleで大きめのVisor付きなのですが、ピタピタ・ジャストで入りました。Full-Face Styleはひょっとすると厳しいかも知れません。
 Shoulder Strapも付属で持ち運び可能で、置いたときの安定度も高いです。パッと見た目のSize的には、ちょっと洒落たCamera Bagて感じで、外からはHelmetが入っているとは思えないでしょう。
 また、このHelmet Bagなら、閉じた2個のジッパー穴にCable Lockを通して掛けられるので、車輌放置も可能。
Helmet非収納時は、Soft Bagなので、畳めばGlove Boxに収納可能かと。まぁ、ちと嵩張りますけども。

10/31/2012

@ Konaya Coffee, Kyoto

@ Shop front of Konaya Coffee, Kyoto
 ひょんなことからお知り合いになったvespa Ownerが店主のCafe。

 京都大徳寺の辺り、今宮大宮通りの商店街のすぐ近くの所謂京町家をリノベーションしたお店で、オリジナル焙煎のサイフォン珈琲がとても美味しくて、落ち着いたインテリアの店内でホッコリ一服できる、正に京都らしい隠れ処的雰囲気のお店。お薦めです。

 Road Testがてら、Coffeeを飲みに立ち寄ってきました。
 こうして見ると、vespaは古風な京町家にも何故か大変馴染みますな。それが京都にvespaが多い理由の一つでもあるのかな。

 店主は気さくな長身の美人さんで、Bar Handleに大々的に改造されたET3にお乗りです。

粉屋珈琲(Konaya Coffee)
京都市北区紫竹四高縄町48-1
Tel: 075 406 1422
Open: 8:00 - 18:00
Closed: Every Monday
Web Site: http://www7b.biglobe.ne.jp/~konaya/

10/29/2012

differences in under the seat

 我がrally 200は、日本ではかなり希少なRare Modelです。
 それがよくわかるのが、この画像の部分。
Original ignition switch & oil level site glass
 Ignition Switch(w/Key)とOil Mixer付きで、これらは後付け改造したものではなく、どちらもOriginal仕様のまま。Ignition Switchは列記としたpiaggio Genuine Partで、"vespa car"に取付けられている物に似た高級なCEV製のShielded Typeの物です。
 元々着いていたこのSwitchはSpare Keyが紛失欠品だったのですが、これが特殊な形状なので、汎用Spare Keyが作成不可能。Spare Key付きの同じ新品の純正Switchを探しに探して見つけてゲットン。交換したものです。
 位置もここが正解。この位置のIgnition Switchは、案外使い勝手が良いですよ。

 このわたしのrally 200よりも先代の初期rally 200には、Key式ではないEngine Cut-Out Button Switchが同じ位置に着けられていました。つまり、このKey SwitchはそのUp-Dated版の仕様な訳です。これは、北米仕向けModelだけの特別な仕様で、当時のUS Modelは最も高級な装備が与えられたvespaだったのです。

 この後のEuro Typeでは、更にこのIgnition SwitchがHandlebar HeadsetのSpeedometer上の位置に移動されましたが、Switch UnitはOpen Typeの廉価な物に変更されています。わたしが最初に所有していたrally 200は、その後期Typeでした。Ducati CDI付きのModelはその仕様になります。

 確か、Cut-Out SwitchとOil Mixerのコンビネーションの仕様は、本国Italy版のOptionのいわゆる"Lusso" Versionとして存在していた筈ですが(当時のカタログにも掲載されている)、北米以外のその他の仕向地ModelにはOil MixerのOption設定が無かったようで、その為、Oil Mixer Typeのrally自体が生産数がかなり少なく、現在、最もRareなrally 200かと思います。
 これらLusso Versionのrally 200は、当時、日本には正規輸入されていないので、日本では更に見かけることの少ないRareなrally 200だと思いますし、vespa好きの方でも、Oil Mixer Typeのrally 200自体が存在しないと思われている方も多いのではないかと思います。
piaggio genuine US rally 200 original ignition switch with key

 Oil Mixerは、やはり、給油時に手が汚れないし、Oilも計量Cupの置き場も不用。Oil TankへのOilの備蓄さえ怠らなければ、混合のし忘れや、誤計量は起こり得ませんし、ゴミの混入等も最小限に防げます。計量は機械式自動混合なので正確です。やはり、これは遥かに利便性が高いです。
 よく、「分離自動混合じゃない混合給油の方が性能は良い」という話しがありますが、その根拠がイマイチよく解りません。正しく説明できる方がいらしたら教えてください。わたしは過去に混合給油のrally 200も所有経験があるのですが、少なくとも、双方で実際にパーフォーマンス的にどちらかが劣るようにはわたしはまったく感じませんし、この分離自動混合Typeで今のところ不具合もありません。分解整備時のCylinder & Pistonの燃焼状態も大変良好でしたし。他の車種についてはわかりませんが、vespaにおいては、混合給油/分離自動給油の性能的な違い、差異を感じ取ることができません。

 ただ、このアナログなOil残量確認用のSite Glass(樹脂製)は、疲労劣化や、振動などが原因で割れることがあるので、それだけはウィークポイントかと思いますが、後のP-Typeの樹脂製Oil Tankと違って、rallyまでのOil TankはFuel Tankと一体の鉄チン製なので、振動が原因によるOil Tankの接続部の不具合等に対するアドバンテージは高いかな、と思います。

 Oil Mixer付きの場合、Choke Knobの位置がこの画像のような位置になります。

legshield mouldings

 元々現車に着いてたLegshield Mouldingsは、piaggioのOriginal品でしたが、初代オーナーさまが傷めていて、傷や凹みがありました。それをちょこっと板金修正して使用していたのですが、やはりくたびれ感があり、新調したいとずっと思っていました。

 以前、最初に入手したのは社外品のCuppini製の物で、これはOriginalの物よりも径が一回り太く、実際に取り付けてみると、僅かなことなのに、かなり見た目に大きな違和感があり、わたしとしてはどうしても納得いかなかったので、泣く泣くN.G.として不良在庫保管していました。しかし、当時、piaggio GenuineのLegshield Mouldingsは生産されておらず、廃版。その後、入手出来ないままだったので、仕方なく、傷んでいたOriginalのを着けた状態で我慢していた、というわけです。

 ところが、最近はこれもpiaggioから再生産されているようだったので、入手して取り替えることにしました。

LH Side Legshield Moulding - Left: piaggio original, Center: piaggio reproduction, Right: Cuppini
 Left Hand Sideの方のを3種並べてみました。
 左から当時のpiaggio Original、piaggio Reproduction、Cuppiniです。

 それぞれ、微妙に板金の曲げ加工のカーヴィングに違いがあります。生産公差による個体差もあるかと思いますが、出来映えは歴然で、やはり1970年代当時のpiaggioの物が一番よろしいです。

 当時の物はStainless Steel製のPolish仕上げで、実はメッキ仕上げではありません。Reproのはたぶん普通のSteelにChromeメッキ仕上げなのだと思いますが、ひょっとすると、Originalに準じたStainless製かも知れませんが、定かではありません。Cuppiniのは明らかにSteelにChromeメッキです。しかし、地金自体の厚みはCuppiniのものが最も厚く、頑丈で強固です。

 これ、左右センター合わせの部分(Headlightの真下の位置)を一部重ね合わせるようになっているのですが、面白いことに「右前」と「左前」がありまして、当時のpiaggioのは右前、ReproとCuppiniが左前仕様でした。
 なので、ここを見れば、当時のGenuine品かどうかが見分けつきますね。というか、それ以前に、実際に見て確かめられれば、造りの良さの違いで解りますけどね。

 ちなみに、当時のOriginalには"044"という刻印が端のところに打たれていました。

 取り付けScrewは、日本で言うところのイモネジで、piaggio Reproのは左右4個づつの計8個で取り付けます。

 実際に取り付けると、画像のように引っ掛かりのないフラッシュな仕上がりになり、美しく、こういった細部の仕上げのデザイニングにも拘りがあるところが、日本車とは一味も二味も違うvespaの良さの一つでもあるのですが、ここにも3種で微妙に違いがありまして、Cuppiniのだけ、Tapping Screwです。また、Originalの場合は1個づつ多い5個 x 2で取り付けで、Screw Holeの位置もそれぞれで異なります。

 両端のEnd部は、Floor RailのEnd部分との取り合せに併せて、piaggioのはOriginalもReproのも、どちらにも内側に芸の細かい斜めの切り欠きがあるのに対して、Cuppiniのは真っ直ぐCut。

 さて、これら3種の細部の違いを検証してみましたが、「それぞれ別物」と言えると思います。
 なので、片方だけ取り替える、ということは不可能ではないものの、実際には無理があるので、左右Set交換が必須ですな。まぁ、バラ売りはないですし、そんなに高価なアイテムではありませんけどもね。
 そして、トータルのクォリティは、風合い&仕上がり共、やはり1970年代当時のpiaggioのOriginal品に軍配ですね。

 このLegshield Mouldingsは、早い話しが、切り目を入れたPipeを曲げて加工してあるだけの物なのですが、中々アピアランス的には侮れんPartなのです。
 piaggio Repro品を取り付け交換後の画像。

 うーん、Corner部の曲げ加工が甘いですよねー。この撮影後に少し修正しましたが、でも、まぁ、こんなもんでしょう。

 Body Frame本体の板金の状態とMouldings自体の板金のカーヴィング状態の兼ね合いによって、Fittingはドンピシャにピッタリ! なんてのは稀な例だと思います。大抵、Mouldingsの方を小細工しないとフィットせず、上手く取り付けられません。でも、下手にバカ力で「エイヤッ!」と大胆に曲げてしまうと、歪んでしまって取り返しのつかないことになってしまうので、要注意(Body/Mouldingsの何れも)。

 Legshield Moudingsは、単なる見た目だけのドレスアップ・アイテムと侮ってらっしゃるあなた、それは見当違いなのです。
 このMouldingsにはBody Panelの補強の役割があり、これがある/なしではLegshield全体の強度が全く違うんですよ。それは、Legshieldに少し力を加えて、Legshieldある/なしで試してみれば解ります。なので、結構大事な物でもあるんです。
 rallyの場合、Legshieldの内側にはGlove Boxが取付けられており、それもまた、構造的に一体となってPanelの強度を高めるサポートにもなっているので、rallyのFront Panel部は他のModelよりもかなり強靭です。
 よく、廉価な樹脂製のMouldingで代用されている方が居られますが、あれだと見た目はまぁまぁでも強度補強の貢献度はゼロなので、ぶつけた時のLegshield Panelの壊れ方の度合いに大きな差が表れること請け合いです。だから、これは「転ばぬ先の杖」でもあるアイテムなのです。

10/26/2012

Dunlop TT100 GP

 ウチのBlogをご贔屓にしていただいてる方の中で、これまでの画像を見て、「あのTyreは?」と思われていた方は中々良い目されてます。
Dunlop Roadmaster TT100 GP 3.50-10
 Dunlopの"Roadmaster TT100 GP"というModelでして、あの「マン島GPレース」で活躍したクラシカルな伝統的Tread Patternを持つTyreで、DunlopのBike用Tyre中、最もロングランなModelです。Classic Bikeマニアの間では今尚信仰者の多いTyreですね。
 わたしはこのTyreを履かせたvespaを他に見たことがありません。

 以前、偶々覗いたレッドバロンにTT100の3.50 x 10"が在庫していたのを見つけたので、3本まとめて買ったのですよね、rally用に、と。
 これがですね、大変良いんですよ。
 わたしはこれまで、vespaにはCEATとPirelliでした。でも、ItalyのClassicなTyreってのはCompoundが硬めで、ツルツル滑り易いし、雨の日なんて怖くて乗れたもんじゃない。夏場はまだ良いとしても、冬場は特にガチガチで最悪なTyreでした。
 昨今では、vespa用Sports Typeとなると、Michelin "S1"が定番みたいですけど、S1は未だ試したことがありません。あのPatternは好きじゃないんですよね。P200には良いかもしれないけど、Classicなrallyにはちょっと似合わない感じがするし。
 わたしはこの"TT100"を使ってから、これにぞっこん惚れちゃった。

 このClassicalなPatternから想像すると、なんだか頼り無さげな印象を持たれる方も居られるかも知れませんが、実際はそうではないんです。我がrallyは雨天未使用なので、Wet時は不明なんですけど、Dryでは大変Gripが良く、rallyとの相性も抜群のTyreなんです。
 例えば、マンホール上通過時なんか、Pirelliでバンクで倒してたら、トゥルッ! なんですけど、TT100ならまったくそういうことがない。常時安心して走行できるんです。PatternはClassicalですけど、Compoundは今どきのそれなんですよね。だから、現在の道路事情にも外れてなくて、しっかりGripする。乗り心地もゴツゴツしてなくて、かといってソフトでもなくて、路面の状況を掴み易く、癖がなく、ステアリング・ワークも自然で非常にコントローラブル。ちょっとコレを試したら、信頼感という意味でも、もう他のTyreには換えられなくなります。素晴らしいTyreです。
 ルックスもClassicalなのにSportyで、一見、目立たないようでいてキリッと絞まって見える。そのあたりのバランスが何とも絶妙で、Vintageなvespaにも見た目がよく馴染む。

 ところが、大変残念なことに10"は現在ではカタログ落ちで廃版になったらしい。Dunlopのサイトをチェックすると、8"はまだ在るのに、なんとも残念。そういうことになるのなら、買いだめしておけばよかった、と今では後悔しきり。
 このTT100が入手不可能となると、残る選択肢がまたしても限られてしまう。是非、10"を復活させて欲しい。
 少なくとも、またこのTT100の3.50-10"が手に入るのなら、わたしは他には絶対浮気しませんよ、Dunlopさん。

10/24/2012

road test pt. 4

 Road TestによるJetting & Fine Tuningはいよいよ大詰め。

 Spark PlugをClean-Upし、Main Jet:を122/100から120/100に交換して走行Testしました。
 そして、40 km程走行後のSpark Plugの状態をCheckです。
 これまでで最も良質な燃焼状態で、これでCarburettorのJettingはBestのSettingになったと思われます。

 走行FeelingもThrottle - Open/Closedの何れの状況でもこれまでで最も滑らか、且つ、自然な応答で、Perfectです。
 ちょっと濃いめの122でも良いかな? とも思いますが、今の気候条件的には120がやはりBestで、結局、rally 200 Standardの118/100の一段階濃いめのMain Jetで決まりました。まぁ、Air CollectorのSizeを上げてますので、総量的なFuelの流量は増量されています。

 ということで、まだ慣らし中で、Pinasco 215 Cylinder換装後、約400 km走行ですが、1,000 km程の慣らし期間終了までは、問題が起こらない限り、このJetting固定でいくことにします。
 Full Throttleは未だ試してませんが、実際問題、Gear Ratioの問題もあり、慣らしが終わったとしても、Right Hand Gripをそこまで回すような機会はまずないでしょう。Top GearではSpeedがもう恐ろしい領域になりますしね。
 ここまで、段階を経て、自分也にBestなJettingに辿り着けたことには達成感を感じますです。

Last Up Dated -
Best Jetting w/Pinasco 215 Cylinder + Pinasco Exhaust + Ducafemsa CDI + NGK Iridium #9 Set Up
  • Air Collector: 190/100
  • Mixer Tube: BE3
  • Main Jet: 120/100
  • Idle Jet: 50/120(2.40)
As this type of mini ratchet tool is very useful for Dell'orto SI type carburettor jetting
 Road Test中、工具屋さんにちょっと立ち寄ってゲットンしてきましたのは、全長100 mmのMini Ratchet Tool。810 yen也。
 今頃……て感じではありますが、Carburettor Caseの開け閉めや、Air Filter、Jetの取付け/外し時、場所が窮屈な箇所なので、一般的なScrew Driverではアクセスし難く、非常に作業し辛いのですよね。Carburettorの正確な調整は、Openな状態だと混合気の濃度が変わってしまう為、Caseを閉じた状態にまで復帰してから調整しないと完璧にはならないので、ただでさえ付け/外し作業が面倒なのです。
 で、このToolなら、このようにCarburettorにアクセス・フリーで、かなり楽に作業可能です。でも、Carburettorへの頻繁なアクセスは今回でほぼ終了なんですけどね(笑)。もっと早く購入しておくべきToolでした。

 さて、Carburettor Tuningはもう決まり。
 これで車輌本体は正常な動体状態にまで漕ぎ着けました。

 これからは他の箇所の総仕上げに移ります。

10/22/2012

road test pt. 3


 Road Test Pt. 2での走行Feelingは良く、体感的には「これで決まり!」と思っていたのですが、その後、Spark PlugをCheckしてみますと、尚、濃いめの徴候でした。
NGK BR9EIX - Air Collector jet:190, Mixer Tube: BE3, Main Jet: 125, Idle Jet: 50/120(2.40)
*(ネジ山にはCopper Greaseを塗布していますので、黒く見えます)

 うむ、ここからはMain Jetの領域、ということで、Idle Jetは2.40のまま、Main Jet: 125を1段階薄めに落としの122に交換して、20 km程の短距離Testをしました。

 Main Jet: 122、Goodです! Main Jetは125で決まりと思っていましたが、走行Feelingは122で更に磨きが掛かった感じです。北島康祐じゃないですけど、「ちょーきもちエエー!」です。
 懸案のThrottle-On時のしゃくりも解消。Exhaust Soundも微妙に変化して、乾いた音質になりました。
 走行後のSpark PlugのCheckでは、濃いめの徴候は消えて、ほぼ理想に近い焼け具合に。

Up-Dated -
Best Jetting with Pinasco 215 Cylinder + Pinasco Exhaust + DucaFemsa CDI + NGK Iridium #9 Set Up


  • Air Collector: 190/100
  • Mixer Tube: BE3
  • Main Jet: 122/100
  • Idle Jet: 50/120(2.40)
@ Japanese country road in Yase-Ohara Kyoto
 次回、再度、120を試して、確かめたいと思います。
 恐らく、Main Jetは120か、122のどちらかがBestになるでしょう。

10/21/2012

road test pt. 2

 第2回Road Test敢行しました。

出発前に、先ずはSpark PlugのCheck。

 分離混合給油の場合、若干濃いめになる傾向なので、いい感じの焼けではありますが、やはり、若干濃いめの徴候が見て取れます。(画像では色が濃く写っています)

 これはIdle Jet: 2.67、Pilot Adjust@ 2 Turns-Outの結果なのですが、懸案の走行時のThrottle Off時のしゃくり上げに関しては、完全には解消されていない状態で、つまり、これはその時、一時的に混合気が濃い状況になってるんですよね。要するに、Fast Idleの安定とThrottle On/Off時とのBalanceのBest状態の間を取って調整すると、結果としては、全体的には若干濃いめのSettingになる訳です。
 分析すると、これは薄めのIdle JetをPilot Adjusterで濃いめに調節している状態、と言えるでしょう。

 そこで、その確認の為、逆を試してみることにします。今回はIdle Jet: 2.40でSetして、走行Testすることにしました。

 先ず、2.40に交換して、Fast Idleを調整。始動性、優秀。すると、Fast IdleはPilot Adjust@ 1 Turns-OutがRev.が最も高く安定し、Throttle SlideはほぼFull Closed位置でBestとなりました。1.5 Turns-Outを基準とすると、正に1.5 Turns-Outを挟んで2.67と逆転した感じで、分析を裏付けています。ということは、2.40と2.67の中間くらいがBest Of The Bestと言うことか?

 Idlingの安定具合は、2.40の方が2.67よりも良いようです。
 一転、どうやらこっちが当たりな気がしてきました。

 そこで、更なるUp-Gradingとして、Iridium Spark Plugに交換してみることにします。
NGK Standard B9ES & Iridium BR9EIX spark plugs
NGKのIridiumを購入しました。
 熱価は、B9ESでバッチリでしたので、同じ#9相当の"BR9EIX"です。並べて比較すると、外観からして高級な質感ですね。
Left: Standard, Right: Iridium
電極部形状が明らかに違います。
 Iridium Spark Plugの価格はStandard品の約3倍強、というところですが、費用対効果は非常に高く、耐用期間も遥かに長いので、十分元が取れます。

 このIridiumに交換して、いざ、出発。

 やはり、2.40が当たりでした。
 走り出してすぐにわかりました。Throttle Off時のしゃくり上げが完全に解消されました。Smooth Responceで自然なRev.落ちと戻り。Throttle Workが気持ち善いです。そして、Stop時のFast Idelも安定。
 ただ、今度は逆に1st. & 2nd.のGearでのThrottle-On時にほんの少しだけしゃくる。でも、それ程気になるレベルではなく、無視してもよい範囲で、気にすれば気になる、という非常に微妙なレベルです。そのせいで加速が鈍って、性能がスポイルされるという訳ではないです。3rd.と4th.はその徴候なし。

 そのまま、またしても100 km程走行。途中、Engine停止後の再始動性も問題なく、優秀。全般的に2.67よりも良いです。途中、再調整の必要も感じなかったので、走り出す前のSettingのままで帰ってきました。

 ふむ、2.40が良い。でも、"Best Of The Best"は2.50くらいってとこか。しかし、2.50てのは存在しないんですよね。要するに2.40と2.67の中間てのは設定が無いのです。となると、これまでのRoad Testでの結果から比較検討して、どっちを取るか、ということになると、2.40の方がBestと判断。

 やはり、Idle JetのJettingは、1.5 Turns Outを基準に選択して、Pilot Adjusterで微調整、というのが正しいです。つまり、Fast Idleが1.5 Turns Outから大幅に外れる場合(+-1/2 Turns以上)、そのIdle Jetは恐らく適正ではありません(或いは、他の何かがおかしい)。Pilot Adjusterを大幅に絞り込む/開ける、してJettingしてるひとも居られるようですが、その手法ではThrottle ClosedからHalf Throttle間の混合気濃度とIdling時の濃度とのBalanceが崩れるので、非常に不安定なSettingになります。やはり、面倒でも総当たりしてBestのIdle Jetの番手を選ぶのが結局は早道で、そうしないと、結局は帳尻が合わない訳です。

 Main Jetは、125のままですが、これに関しては今のところまったく問題を感じないんですよね。加速性能は依然素晴らしいし、Spark Plugの焼け具合からもMain Jetが濃いとは思えませんしね。

 そして、Iridium Spark Plug、やはり良いです。ミスファイアー皆無で、火花の飛びも強く、着火性が更に良くなったのが体感できます。
 DucaFemsa CDIの安定度も非常に高く、まったく不満がありません。Ignition系のTuningに関しては、もうこれで完璧と言ってもよいでしょう。

 ということで、DucaFemsa換装前の不調FemsaのときのJetting Testの結果とは全然違う結果となりました。安定したSparkは大変大事ってことで、CarburettorのSettingにまで大きな影響を及ぼす、てことですよね。

 今回の更なるBrush Upによって、Tuning DataをUp-Date修正します。

Up Dated -
Best Jetting with Pinasco 215 Cylinder + Pinasco Exhaust + DucaFemsa CDI + NGK Iridium #9 Set Up
  • Air Collector: 190/100
  • Mixer Tube: BE3
  • Main Jet: 125/100
  • Idle Jet: 50/120(2.40)
これで決まり! だ。
 ホントか?(笑)。

10/19/2012

road test pt. 1

 本日、お日柄もよろしく、Road Test Riding決行しました。
@ Lakeside of Biwa
 京都を出て、Shake Downよろしく、お隣の滋賀県琵琶湖畔を疾走してきました。
 琵琶湖の湖南、西側の湖岸道路は景色も良く、Road Testには最適な道路なんです。
 本日は台風通過の影響か、風が強くて走り辛かったのですが、一気にToatal: 100 km強の距離を走破しました。

 これくらい走ると、徐々に馴染みと当たりが着いてきてる、というか、Engineの状態(Balance)が少しづつ変化してきました。
 あ、そうそう、ずっとIdle Jet: 2.80と言ってたんですが、それは誤りで、実は2.67だったんです。思い違いしてました。すいません。

 走行中の加速時の状態は、いつでも申し分無く、それは文句なく素晴らしいのですが、どうも、Throttle-OffにしてEngine Brakeが掛かったとき、若干しゃくるのが気になってきましたので、途中、何度もCarburettorのSettingをいろいろ試してみました。
 すると、この前は、1-1/4 Turns-OutがBestだったFast IdleのSettingが、2 Turns-Outに変化してました。Pilot Adjusterの調整は濃いめ(と言うか、多いめ)にシフトしてるわけですが、Throttle Slideの開度との兼ね合いもあるので、単純に大幅に濃くなったというわけでもないです。しかし、若干、濃いめではあるようです。で、Pilot Adjusterで薄めに絞ってみると、今度はThrottle SlideのAdjustがかなり微妙で、Idlingを安定させるのが難しくなってしまいます("Stop & Go"のStop時)。なので、やはり、基本的に濃度調整はIdle Jetそのもので決めるのが定石で、Pilot Adjustはあくまでも微調整の範囲かと。実際、その方が状況変化に順応し易いし、安定幅が遥かに広いんですよね。
 とにかく、今回のRoad Testの結果、Throttle-On時は完璧なんですが、Throttle-Off時の僅かな挙動だけが気になる訳で、Main Jetは関係なくて、やはりIdle Jetの番手とPilot AdjusterのSettingだと思うんですよね。それ以外は2.67でまったく問題ないです。

 そして、薄めの判断基準として、2.80と言ってたけど、2.80じゃなかったその2.80に交換してみると、Fast Idleが高過ぎて調整範囲を超えてしまい(Throttle Slide - Full Closed)、使えませんでした。従って、これを無理矢理使うとしたら、かなりPilot Adjusterを絞り込まないとFast Idle Speedを落とせなんですけど、それでは実際、Idlingが不安定になってしまい、どうにもこうにもダメでした。
 うーん、Idle Jetは2.67で決まりと思ってたのですが(2.80は勘違い)、微妙に2.69かも知れませんねー。
 Jettingは奥が深いなー。というか、やっぱり、慣らしが終了するまでは未だわかりませんねー。

 CarburettorのFine Tuningは今後も継続します。

low down?

 Road Test Pt. IIに颯爽と走り出した途端、頭打ちで吹け上がらなくなり失速してしまいました。
 路肩に停めて、Center Standを掛けると、異常にFrontが高く持ち上がりました。RH Side Cowlを外してみると、Air Duct Bellowsがくしゃっと折れ曲がってしまっており、そのせいでAirを吸い込めなくなってカブってしまったのでした。
Wrong ride height - Rear end low downed caused top mount of rear shock absorber dropped out!
 まー、それはよしとして、そんなことになるってのは、明らかにRearがLow Downしてしまっているからであって……「もしかしてRear Shock抜けたか?!」と、取り敢えず引き返してCheckしてみることに。自宅から殆ど離れてないところだったので幸いでした。

 調べると、なんと、Shock AbsorberのTop Mountが外れており、Frameに突っかえて留まってました。いつの間にか緩んでたんかー。Shock Absorber本体自体は問題なかったので良かったです。このSebacのは大変お気に入りだったもので。ちゃんと取り付け直せばO.K.です。

 正常な状態に取り付け直すには、ShockのLower Mountも一旦バラさないといけないので、この際、ついでなので"Zippy Stand"を取り付けておくことにしました。これは、言わば折りたたみ式簡易Engine Standで、取り付けておくと、Rear Tyre Changeなどが楽ちんになるアイディア・アイテム。比較的昔からあるもので、Large Frame vespa用Accessoryとしてはよく知られているものです。
 ところが、これ、Engine CaseのBolt x 2とRear ShockのLower Mountに共締めしておくのですが、加工精度が悪くて、Lower Mountに位置が微妙に合いません。それで、ずっと以前から保有はしていたのですが、これまで取付けずにいたんですよね。
 今回はもう、Lower Mountの共締め部分はぶった切って、そこは端折って取付けることにしました。別に無くたって強度的には然程問題ないし、機関的にも無関係ですし。そもそもテンポラリーに使用するものですしね。

 ということで、ShockもZippy Standもササッと取付けたので、作業中の画像は撮ってません。
 Zippy Standはなんてことないアイテムなのですが、走行中の不意のトラブルでの簡易修理時にはやはり便利なのです。

 Low Downは解消。
 しかし、Road Test Pt. IIは時間切れで中止。やれやれ。

10/17/2012

first impression - Pinasco 215 + exh. pipe + DucaFemsa

 さて、これまでの経過をまとめしてみます。

My rally 200 @ the road test running
Modified:
  1. Pinasco 215cc Cylinder w/NGK B9ES
  2. Pinasco Exhaust Pipe
  3. DucaFemsatronic CDI Conversion
Dell'orto SI 24/24E Jetting:
  • Air Collector Jet: 190/100
  • Mixer Tube: BE3
  • Main Jet: 125/100
  • Idle Jet: 50/140(2.80)
 First Impressionは、未だ慣らし期間中なので暫定的ですが、Pinasco 215 Kitは過激なTuningではなくて、Torqueを維持したまま、全域に渡ってPower Upという感じ。それでも、CarbのJettingがバッチリだと、加速感は恐ろしいくらいで、ストレスなくTop Endまで回りきる感じで、Standardとの差は歴然です。元々、rally 200は1st. Gearでウィリーなじゃじゃ馬ですけど、それが更に荒くなって野生馬に戻っちゃった、て感じ。Idling時の振動も大きくなりました。しかし、Tuning Engine独特の扱い難さはまったく感じられませんし、Clutchは無交換ですが、特に問題を感じません。Long Stroke化で本領発揮なCylinderなので、増々、Long Stroke Crankを入れてみたくなりました。

 Pinasco Exhaustは、抜けが良いので、アクセラレーションの俊敏さに貢献していて、吹け上がり(抜け)は非常に素早いんですけど、その分、やはり低速時のTorqueは若干奪われてる感じです。でも、低速では走らせにくい、ということでもありません。ある程度カーボンが溜まるとChamber内の負圧も変化してくるでしょうし、むしろ、それくらいの状態を想定しているのかも知れませんね。新品状態のSoundはかなりやかましいです。これについても、Agingされた状態の方が望ましい感じになるでしょう。

 Original ModifiedのDucaFemsa CDI、これは大Hit作でした。始動性は大幅に向上し、安定度も高く、素晴らしいです。同時交換だったので、効果の見極めができませんが、Nology Hotwireの貢献度もあるのかも知れませんが、とにかく、OriginalのFemsatronic CDI搭載時の貧弱な感じとはまったく違います。始動性は完璧だし、コンスタントに確実に火が飛んでいることがCylinderの音からわかりますからね。このCDI Unitを更にUp-Gradingする方法もあるのですが、今回は実用可能になることを大前提に仕上げましたので、そこまではやりませんでしたが、また次回に試してみたいと考えています。このUnitの優秀さを実感してしまったので、もうFemsaに戻すことはないと思います。

 CarburettorのJettingに関しては、Tuningの度合い、車輌の個体差、気候の条件などで、必ずしも同じにはならないとは思いますが、だいたいPinascoさん推奨の範囲内に収まると思いました。Main Jetに関しては、慣らし後にもう少し煮詰めてもいいかな? とも思っていますが、Idle Jetに関しては、慣らし期間後もこれで決まりかなと思います。

 あと、近々にEngine関係でUp-Gradingしたいと考えているのは、Spark PlugをIridiumのに交換してみようか、と。これは、過去に自分のクルマで試して効果を実際に確かめられましたので、性能向上はもう間違いないと思っています。それによって、Ignition系は更に信頼度が増しますしね。今回、Ignition系の確実性の確保は全ての面で安定性と信頼度を高くする要と実感しましたので、実利に見合う投資だと思います。Test走行で適応Spark Plugの番手を確定できたので、早々にIridium Plugに交換予定です。

ここまでのTuning総合評価:
 これらTuning Partsの組み合わせは、当初、思っていたよりも性能が高く、かなり実用的な範囲内のものでした。メンテナンス性も頗る良いです。
 一つだけ難点を挙げるとしたら、音がかなりデカくなる、ということだけでしょうか(StandardのExhaust Pipeのままであっても)。
 ただし、Tuningのキモとなるのは、やはりCarburettorのJettingだと思いますね。これがバッチリ決まるかどうかで結果の反映には大分差が出るのではないでしょうか。乗り易さをを損なうことなく、同時にCylinderの性能も最大限引き出すSet-Upはそれ次第だと思います。なので、幅広い選択肢から、面倒でもJetを一つづつ試して煮詰める忍耐力が必要ですね(用意した殆どのJetは無駄にはなってしまいますが)。
 また、それ以前に、Carburettorの取付けを完璧にすること、これが大事。ここの取付けNutがゆるゆるで、Engine Caseとの合わせ目から漏れ&吸い込みがあるようだと(すぐには判明しない)、走りはしますがPerfectなSettingはできないです(巷のvespaは、大方この状態ですけど)。恐らく、締め付けTorqueで言うと、1 kg辺りが境目ですね。ここのSet-Upをパーフェクトにするのは中々難しく、Throttle Slideの固着を避けて、結局、締め付け不足で仕上げてしまうvespa Shopさんが殆どだと思います。お店の腕を確認できるポイントとも言えます。「ここからの漏れはvespaの場合フツーだから」は、できないメカさんの言い訳でしかありません。

 もう一度、今度はもう少し距離を伸ばしてRoad Testしてみます。

10/16/2012

jetting with Pinasco 215 cylinder & exh. pipe

 DucaFemsatronic CDI、激快調です!
 今のところ、どんな状況でもKick一発始動。今までのFemsa CDIでの不調はなんだったの状態。

 カーボン詰まりのExhaust PipをPinascoのに交換したので、これで始動性とCarburettorのJettingが正常な状態になる筈なので、再Tuning開始です。
 Pinasco Exhaustですが、交換後は空Kickで直ぐにわかる抜けの良さ、です。明らかにOriginalのは詰まってましたねー。その影響でCarburettorからCylinderへのBalanceが崩れていたのは間違いなかったです。
 しかし、Pinasco Exhaustさん、ウッサイ!(笑)215 Cylinderに交換しただけでも、OriginalのExhaust Pipeの音量が大きくなり(ポンポンポン……が、バンバンバン……に)、「音デカくなったなー」と思ってたのに、今度は「ガンガンガン……」に。
 すいません、文章表現に乏しいですが、Idling中に横で通常声量での会話が不可能な圧力の高い音量です。たぶん、215 Cylinderとの組み合わせにもよるのでしょう。OriginalのCylinderとの組み合わせなら、もうちょっとは大人しめな筈。
 Exhaust Soundは、周波数帯域的には低域は殆ど出てなくて、かなり高域寄りです。下ろしたての新品ですし、Chamber内部の反響音が金属的になるので最初のうちは仕方ないですが、使い込めば内壁にCarbonの膜が付着し、その吸音効果で高音域成分は減るでしょう。早くそうなって欲しい気が。

 では、Carburettor Settingのやり直しです。

 ですが、その前に、Idle Jet(Slow Running Jet)の番手の選択方法について、意見してみたいと思います。
 というのも、日本でポピュラーな方法解説には大きな誤り、というか説明不足があるように思えるからです。

 某国内通販vespa Partsショップのサイトでは、「交換の際にはスロージェット部分前2桁の大小でまず変更します」とあります。ネットで公開されている多くのvespa関連の個人Blogでは、この方法を鵜呑みにして「スロージェットを一番手濃いめの50番にしてみた」というような表記がよくされていて、わたし的には「50番て、一体どの50番よ?」と思うのですが、正に上記の説明どうりにIdle Jetを選択されている方が大半みたいで、この解説の影響力は大きいようです。しかし、Tuningを施して、StandardなCarburettor Setting状態から大幅に外れている場合、それで果たしてJet Settingは上手くいくのでしょうか?
 補足的におさらいですが、Idle Jetの番手は、前2桁がFuel流入穴径、後3桁がAir Mix穴径を表しており、例えば、rally 200のstandard Idle Jetでは、「50-100」という表記です。
 話し戻って、つまり、言い換えれば、「Air HoleのSizeは手持ちの番手そのままで、Fuel HoleのSizeの大小でSettingを見出すべし」ということになります。しかし、全体的なSI Type CarburettorのIdle Jetの設定基準がはっきり示されていませんので、これでは全体像が把握できずに迷子状態で、殆ど手探りSettingになってしまいます。
 また、Dell'ortoが用意しているIdole Jet SizeのVariationは、全てがこの解説を裏付けるようなステップの組み合わせで用意されているのではないんです。なので、前述の解説のような選択方法ではFuel/Air Ratio(燃料対空気比)のステップが大まか過ぎて、段階的な微調整が可能な選別が出来ないのです。
 このことを理解し易いようにチャートを作ってみましたので、下記をご覧ください。

Dell'orto SI Type Carburettor Idle Jet Chart

Red = Air Hole Size
Blue = Fuel Hole Size
Green = Fuel/Air Ratio

              100    120    130    140    160
1.666      60       -         -         -         -   
1.818      55       -         -         -         -
2.000      50       -         -         -         -
2.083      48       -         -         -         -
2.222      45       -         -         -         -
2.308       -        52       -         -         -
2.380      42       -         -         -         -
2.400       -        50       -         -         -
2.667       -        45       -         -         -
2.692       -         -         -        52       -
2.800       -         -         -        50       -
2.909       -         -         -         -       55
2.917       -         -         -        48       -
3.000       -        40       -         -         -
3.111       -         -         -        45       -
3.158       -        38       -         -         -
3.200       -         -         -         -       50
3.250       -         -        40       -         -
3.333       -        36       -        42     48
3.429       -        35       -         -         -
3.556       -         -         -         -       45
3.810       -         -         -         -       42
4.000       -         -         -         -       40

 チャートの縦軸は、「燃料対空気比率」で、わたしがIdle Jet選択で度々表記しているものです。rally 200のStandard Idle Jetである50-100の場合、10050で割って、2.0となり、燃料に対して空気が2.0倍の比率ということです。この比率数値の大小は、即ち、Idle JetからPilot Adjusterを介してThrottleに排出される燃料の相対的「燃料混合濃度」を表します。

 横軸は、Idle JetのAir Hole径SizeのVariationで、5 Sizeのみ用意されています。
 混合濃度は、60-100(1.666)が最も濃く、40-160(4.000)が最も薄い、ということになり、その幅の中で選択して調整できるようになっています。

 さて、前述の解説で問題のIdle JetのFuel HoleのSizeが、用意されているVariation中、どのように分布しているかがこのチャートでよくよくお解りいただけるでしょう。
 解説がそのまま当てはまるのは、Air Hole Sizeが100番手のものだけで、しかも、Idle JetのVariation全体で言えば、濃いめの5種限定です。言い換えれば、固定Air Hole Size共通で連続して5段階微調整可能なのはこの5種のみなのです。それ以上薄い目の2.308からはAir Hole Sizeとの関係は飛び飛びになってしまいます。例として、前述の解説の法則に照らし合わせると、もし、45-120(2.667)の次に薄めのSetが欲しい場合、それは40-120(3.000)ということになりますが、これでは濃度が薄めに大幅にジャンプしてしまいます。

 次に、Air Hole Sizeの選択方法についての解説では、「後ろの数字はスロットルを1/4程度に開いた時のアイドリング(S/J領域)から走行(M/J領域)への継ぎ目でのトルク感に影響します」とあり、「M/Jの大きさやエンジンの低回転時の特性に影響されますが、基本的には30番台なら12045前後で14050より大で160で、この時に反応が悪いとなれば、番手を一つ落として確認します」となっています。
 つまり、1節めではIdle JetとMain JetのOverlapについて解説しているようで、間違いではありませんが、正しくもありません。2節めの解説は支離滅裂で、まったく意味を成していないことが上のチャートから解るでしょう。この解説でIdle Jetの全体の段階的な基準設定を理解できるひとが居たら、それは凄いとわたしは思います。
 Idle JetとMain JetとのOverlapに関しては、Idle JetのAir Holeの大きさに起因しており、このSizeが大きい程、OverlapがWideになる傾向になります(「160」が最大幅)。つまり、これはThrottle開度によるVenturiの負圧の大小と、その変化に応じたidle Jetの時間あたりの流量の多少に関連しています。しかし、この変化幅は燃料の混合濃度変化に比較すれば微細であり、Overlapに関しては、Idle Jetを選択する目安としては優先順位的には無視しても差し支えのない範囲のものだと思います。また、同じ混合比率で、Overlapの違いを直接的に比較検証できるのは3.333の濃度域にある3種だけです。

 ということで、日本式(?)の不可解なIdle Jet選択方法が、何故、日本でポピュラーになったのか、その経緯はわたしにはわかりませんが、同様の方法論はOverlapに関して以外、海外ではまったく見掛けないもので、独特で、大方意味不明です。というか、説明不足で非合理的です。この解説を理解して、実際に首尾よくIdle JetをSettingできたひとはいるんでしょうか?
 なので、Fuel/Air Ratio(燃料対空気比率)を基準にしてTestし、その結果から目標の数値を選択する方法が最も合理的であり、海外では通常この選択方法です。

 Idle Jetの役割は、簡単に言うとIdle Jet通過後の「燃料の濃度と流速のPreset」です。その最終的な総量調節と霧化に関してはPilot Adjusterがその役割を担っており、言わば、Idle Jetは、Pilot Adjuster(Jet)と一組みでMain Jet的な働きをするものであり、Idle Jet単体では、むしろ、Choke Jetに近いものと言えると思います。

 以上、わたしのIdle Jetに関する検証と解説は終了。
 日本のvespaショップさんがネット上で詳しく解説されたものを他に見掛けなかったので、取り上げてみました。たぶん、詳しくネタバラシすると、少なからず商売に影響する、ということなのでしょう。
 わたしの解説は間違ってはいないとは思いますが、これも決してそのまま鵜呑みにはなさらないでくださいね。

 では、実際の作業に立ち返り、わたし自身の理論に従って、先ず、始動性とFast Idleの安定度が最も良好なIdle Jetを絞り込みます。

 Air Collector: 190、Main Jet: 125、Spark Plug: #9の固定で、Pilot Adjustは1.5 Turns-Out固定で始動Testし、Idle Jetのみ交換してBestなidle Jetを絞り込みます。
 セオリーどうり、最もRichな2.40から始めて、前回Testしたときのだいたいの調子が下記のようなものでした。
  • 2.40 - Exaust Pipe交換前とは大分状態が変化して、更に明らかに濃い。Spark Plugがかなりカブリ気味になるので、始動性も良くない。Chokeを使うと、まったく始動不可能。Fast IdleはPilot Adjusterを大分絞らないとダメで、それでもカブリ気味。
  • 2.67 - 始動性優秀で、Fast Idleも安定するが、若干カブリ気味。でも、Main JetとのOverlapは良好。まだ若干濃いめではあるものの、いけなくはない。
  • 2.69 - 未調達
  • 2.80 - 始動性良。Fast Idleも安定。Main JetとのOverlapは微妙かも知れないが、それは実走行で変化するかも知れない。
  • 2.90 - 未調達
  • 2.92 - 未調達
  • 3.00 - 始動可能も、Fast IdleのAdjustがPilot Adjusterを開き気味でも微妙。Main JetとのOverlapが悪い。全体的に薄い。
 以上の結果は、不具合のあったFemsa CDI時のTest結果なので、今や始動性に関してはここまで悪い結果にはならないと思われます。
 しかし、Pinascoさんの指示どうり、Idle jetに関しては「2.40から2.90の範囲」というのは正しいことがほぼ実証されてました。
 どうやら、我がrallyの場合、2.69から2.90くらいの間が本命っぽいのですが、次にPilot Adjustして後、実走行Testで今度はMain Jetを絞り込んで、再びIdle jetも煮詰めます。あとは、Main JetとSpark Plug、そして、気温変化との兼ね合いでのFine Tuningということになります。

 そして、DucaFemsaに換装後、Idle Jet: 2.80で教科書どうり、Pilot adjust@1-1/2 Turns-Out付近が最も安定したFast Idleとなりましたので、このSettingで実走行Testに出てみました。

 温まって調子が出ると、Fast Idleは若干高めにシフトしましたので、途中、Throttle SlideとPilot Adjusterを調整。Throttle Slideを若干締め込み、最終的にPilot Adjust@1-1/4 Turns-OutがBestとなりました。Idlingは非常に安定しています。
 加速性能に関しては、Idle Jet: 2.80とMain Jet: 125との繋がり感は良好で、加速時の息突き/もたつき感も皆無です。Throttleの開き具合に応じた吹け上がりも非常に俊敏で、逆の戻りの応答も同様で気持良いです。Rev.がIdle状態に戻って安定するときのギャップ、タイム・ラグもありません。
 しかし、Cylinder & Pistonがまだ新品で慣らし中の為、Full-Throttle走行は未だ試すことが出来ません。なので、のんびりめのHalf Throttle走行で10 km程走って帰ってきました。従って、Full-Throttle時のMain Jetの混合気の具合は完全には把握しきれてませんが、Test走行中、エンストもAfter Fireもなく、濃過ぎ/薄過ぎ、の徴候は現れませんでしたので、逆に言うと、Street Useで最も多用する領域のHalf Throttle走行で問題ない状態がほぼBestかとも思います。Pinasco推奨最大RichのMain Jet: 125/100で、Rev. Range全域の混合比はほぼ問題ないと見て良いようでした。

 帰宅後、Spark Plugの焼け具合をCheckすると、電極はいわゆる「キツネ色」で、ほぼ理想的なBestの焼け具合でした。若干、濃いかな? くらいで、薄い徴候はありませんでしたので、今のところのJettingとしてはこのSettingで間違いなさそうです。恐らく、Idle Jetは2.80以下ではちょっと濃過ぎてカブリ気味になるでしょうね。
 Spark Plugの熱価も、Pinascoさん推奨どうり、#9でバッチリでした。今後、冬場にどうなるか、というところですが、真冬には#8に落とせばいい感じかも知れません。とにかく、10月半ば現在も含めた「夏場」は#9で問題ないと思います。Standardの#6のままではあまりにもHot過ぎるでしょう。

 ということで、慣らし中のJettingに関してはこれで決まりました。
 始動もバッチリだし、いつでも走行可能な動体状態にはなりました。おめでとー。

re-starting w/DucaFemsatronic CDI

 自作DucaFemsatronic CDIに換装しました。

 見る人が見れば、アッと驚く、初期型rally 200 FlywheelとDucati CDIとの本来有り得ないマッチングの絵!(笑)

 Fittingはバッチリ。見栄え的には、案外、何の違和感もなく馴染んじゃいました。まー、それを考慮した上での苦心の工作だったのですけどもね。
 CDI UnitとHT WireのRedは、派手と言うよりも、意外にもアクセントとして効いてますよね。
 実際、Femsa CDI不良で交換するなら、ReproのFemsaに交換するよりもこっちの方が見栄えがすると思います。しかも、信頼性&機能的な実利面でも格段に上ですし。
 Spark TestはO.K.! 火花飛んでました。
 Nology Hotwireの場合、Ground Wireの取付けが必須なので、ココのCylinder Head Nutと共締めに。位置的にはBestです。
 あとは、Ignition Timing等の問題ですが、付加した回路さえ問題なければ、Femsa仕様のStatorでも大丈夫な筈です。

 Connector上、一番上の端子が余ってますが、ここはGround用で、Femsaの場合、端子形状が違い、Bodyアースなのでここは空き屋になってます。Blue端子は、実は、内部回路的にはどこにも結線されてません。つまり、Ducati CDI側の回路的には必要のない回路なんです。でも、それでは端末が宙ぶらりんになるので、便宜的に端子を設けてそこに接続させてあるんです(芸が細かいでしょ? 笑)。
 HT WireとConnectorのRubber Capが欠品ですが、また取り寄せて装着しさえすれば防水も完璧です。

 さて、これまでの作業で苦労しながらも掴んだ感覚から、取り敢えず、Jettingは、Air Jet: 190/100、Main Jet: 125/100、Idle Jet: 50/140(2.80)、Spark Plug: NGK B9ESのSetで再始動を試みます。

 「頼むぞ、もうKickの鬼はさせないでくれ……」と、内心祈りながら……。
 ヤッホ! お見事、一発始動!
 Pilot Adjusterは、1-1/2 Turns-OutでIdlingは力強くもコンスタントに安定。素晴らしや。
 一度、Engine Cutした後の再始動も、これまたKick一発で、完璧です! マグレじゃなかったー。

 やはり、Femsa CDIの故障が始動困難&不安定の根本的な元凶でしたね。IgnitionのStator側は問題なしと判明。

 そして、"DucaFemsatronic" CDI自作作戦も大成功。災い転じて福と成す、じゃー!
 拍子抜けの安定具合。何?、このStartingの軽妙さは。なんか、これまでの不具合続きのモヤモヤが晴れて、達成感高くも気持よろしく、爽快感この上ないです。こりゃよろしいわー。

 よし、次は走行Testしながらの本格的なJetting再開です(あー、やっと舞い戻れた)。