DucaFemsatronic CDI、激快調です!
今のところ、どんな状況でもKick一発始動。今までのFemsa CDIでの不調はなんだったの状態。
カーボン詰まりのExhaust PipをPinascoのに交換したので、これで始動性とCarburettorのJettingが正常な状態になる筈なので、再Tuning開始です。
Pinasco Exhaustですが、交換後は空Kickで直ぐにわかる抜けの良さ、です。明らかにOriginalのは詰まってましたねー。その影響でCarburettorからCylinderへのBalanceが崩れていたのは間違いなかったです。
しかし、Pinasco Exhaustさん、ウッサイ!(笑)215 Cylinderに交換しただけでも、OriginalのExhaust Pipeの音量が大きくなり(ポンポンポン……が、バンバンバン……に)、「音デカくなったなー」と思ってたのに、今度は「ガンガンガン……」に。
すいません、文章表現に乏しいですが、Idling中に横で通常声量での会話が不可能な圧力の高い音量です。たぶん、215 Cylinderとの組み合わせにもよるのでしょう。OriginalのCylinderとの組み合わせなら、もうちょっとは大人しめな筈。
Exhaust Soundは、周波数帯域的には低域は殆ど出てなくて、かなり高域寄りです。下ろしたての新品ですし、Chamber内部の反響音が金属的になるので最初のうちは仕方ないですが、使い込めば内壁にCarbonの膜が付着し、その吸音効果で高音域成分は減るでしょう。早くそうなって欲しい気が。
では、Carburettor Settingのやり直しです。
ですが、その前に、Idle Jet(Slow Running Jet)の番手の選択方法について、意見してみたいと思います。
というのも、日本でポピュラーな方法解説には大きな誤り、というか説明不足があるように思えるからです。
某国内通販vespa Partsショップのサイトでは、「交換の際にはスロージェット部分前2桁の大小でまず変更します」とあります。ネットで公開されている多くのvespa関連の個人Blogでは、この方法を鵜呑みにして「スロージェットを一番手濃いめの50番にしてみた」というような表記がよくされていて、わたし的には「50番て、一体どの50番よ?」と思うのですが、正に上記の説明どうりにIdle Jetを選択されている方が大半みたいで、この解説の影響力は大きいようです。しかし、Tuningを施して、StandardなCarburettor Setting状態から大幅に外れている場合、それで果たしてJet Settingは上手くいくのでしょうか?
補足的におさらいですが、Idle Jetの番手は、前2桁がFuel流入穴径、後3桁がAir Mix穴径を表しており、例えば、rally 200のstandard Idle Jetでは、「50-100」という表記です。
話し戻って、つまり、言い換えれば、「Air HoleのSizeは手持ちの番手そのままで、Fuel HoleのSizeの大小でSettingを見出すべし」ということになります。しかし、全体的なSI Type CarburettorのIdle Jetの設定基準がはっきり示されていませんので、これでは全体像が把握できずに迷子状態で、殆ど手探りSettingになってしまいます。
また、Dell'ortoが用意しているIdole Jet SizeのVariationは、全てがこの解説を裏付けるようなステップの組み合わせで用意されているのではないんです。なので、前述の解説のような選択方法ではFuel/Air Ratio(燃料対空気比)のステップが大まか過ぎて、段階的な微調整が可能な選別が出来ないのです。
このことを理解し易いようにチャートを作ってみましたので、下記をご覧ください。
Dell'orto SI Type Carburettor Idle Jet Chart
Red = Air Hole Size
Blue = Fuel Hole Size
Green = Fuel/Air Ratio
100 120 130 140 160
1.666 60 - - - -
1.818 55 - - - -
2.000 50 - - - -
2.083 48 - - - -
2.222 45 - - - -
2.308 - 52 - - -
2.380 42 - - - -
2.400 - 50 - - -
2.667 - 45 - - -
2.692 - - - 52 -
2.800 - - - 50 -
2.909 - - - - 55
2.917 - - - 48 -
3.000 - 40 - - -
3.111 - - - 45 -
3.158 - 38 - - -
3.200 - - - - 50
3.250 - - 40 - -
3.333 - 36 - 42 48
3.429 - 35 - - -
3.556 - - - - 45
3.810 - - - - 42
4.000 - - - - 40
チャートの縦軸は、「燃料対空気比率」で、わたしがIdle Jet選択で度々表記しているものです。rally 200のStandard Idle Jetである50-100の場合、100を50で割って、2.0となり、燃料に対して空気が2.0倍の比率ということです。この比率数値の大小は、即ち、Idle JetからPilot Adjusterを介してThrottleに排出される燃料の相対的「燃料混合濃度」を表します。
横軸は、Idle JetのAir Hole径SizeのVariationで、5 Sizeのみ用意されています。
混合濃度は、60-100(1.666)が最も濃く、40-160(4.000)が最も薄い、ということになり、その幅の中で選択して調整できるようになっています。
さて、前述の解説で問題のIdle JetのFuel HoleのSizeが、用意されているVariation中、どのように分布しているかがこのチャートでよくよくお解りいただけるでしょう。
解説がそのまま当てはまるのは、Air Hole Sizeが100番手のものだけで、しかも、Idle JetのVariation全体で言えば、濃いめの5種限定です。言い換えれば、固定Air Hole Size共通で連続して5段階微調整可能なのはこの5種のみなのです。それ以上薄い目の2.308からはAir Hole Sizeとの関係は飛び飛びになってしまいます。例として、前述の解説の法則に照らし合わせると、もし、45-120(2.667)の次に薄めのSetが欲しい場合、それは40-120(3.000)ということになりますが、これでは濃度が薄めに大幅にジャンプしてしまいます。
次に、Air Hole Sizeの選択方法についての解説では、「後ろの数字はスロットルを1/4程度に開いた時のアイドリング(S/J領域)から走行(M/J領域)への継ぎ目でのトルク感に影響します」とあり、「M/Jの大きさやエンジンの低回転時の特性に影響されますが、基本的には30番台なら120、45前後で140、50より大で160で、この時に反応が悪いとなれば、番手を一つ落として確認します」となっています。
つまり、1節めではIdle JetとMain JetのOverlapについて解説しているようで、間違いではありませんが、正しくもありません。2節めの解説は支離滅裂で、まったく意味を成していないことが上のチャートから解るでしょう。この解説でIdle Jetの全体の段階的な基準設定を理解できるひとが居たら、それは凄いとわたしは思います。
Idle JetとMain JetとのOverlapに関しては、Idle JetのAir Holeの大きさに起因しており、このSizeが大きい程、OverlapがWideになる傾向になります(「160」が最大幅)。つまり、これはThrottle開度によるVenturiの負圧の大小と、その変化に応じたidle Jetの時間あたりの流量の多少に関連しています。しかし、この変化幅は燃料の混合濃度変化に比較すれば微細であり、Overlapに関しては、Idle Jetを選択する目安としては優先順位的には無視しても差し支えのない範囲のものだと思います。また、同じ混合比率で、Overlapの違いを直接的に比較検証できるのは3.333の濃度域にある3種だけです。
ということで、日本式(?)の不可解なIdle Jet選択方法が、何故、日本でポピュラーになったのか、その経緯はわたしにはわかりませんが、同様の方法論はOverlapに関して以外、海外ではまったく見掛けないもので、独特で、大方意味不明です。というか、説明不足で非合理的です。この解説を理解して、実際に首尾よくIdle JetをSettingできたひとはいるんでしょうか?
なので、Fuel/Air Ratio(燃料対空気比率)を基準にしてTestし、その結果から目標の数値を選択する方法が最も合理的であり、海外では通常この選択方法です。
Idle Jetの役割は、簡単に言うとIdle Jet通過後の「燃料の濃度と流速のPreset」です。その最終的な総量調節と霧化に関してはPilot Adjusterがその役割を担っており、言わば、Idle Jetは、Pilot Adjuster(Jet)と一組みでMain Jet的な働きをするものであり、Idle Jet単体では、むしろ、Choke Jetに近いものと言えると思います。
以上、わたしのIdle Jetに関する検証と解説は終了。
日本のvespaショップさんがネット上で詳しく解説されたものを他に見掛けなかったので、取り上げてみました。たぶん、詳しくネタバラシすると、少なからず商売に影響する、ということなのでしょう。
わたしの解説は間違ってはいないとは思いますが、これも決してそのまま鵜呑みにはなさらないでくださいね。
では、実際の作業に立ち返り、わたし自身の理論に従って、先ず、始動性とFast Idleの安定度が最も良好なIdle Jetを絞り込みます。
Air Collector: 190、Main Jet: 125、Spark Plug: #9の固定で、Pilot Adjustは1.5 Turns-Out固定で始動Testし、Idle Jetのみ交換してBestなidle Jetを絞り込みます。
セオリーどうり、最もRichな2.40から始めて、前回Testしたときのだいたいの調子が下記のようなものでした。
しかし、Pinascoさんの指示どうり、Idle jetに関しては「2.40から2.90の範囲」というのは正しいことがほぼ実証されてました。
どうやら、我がrallyの場合、2.69から2.90くらいの間が本命っぽいのですが、次にPilot Adjustして後、実走行Testで今度はMain Jetを絞り込んで、再びIdle jetも煮詰めます。あとは、Main JetとSpark Plug、そして、気温変化との兼ね合いでのFine Tuningということになります。
そして、DucaFemsaに換装後、Idle Jet: 2.80で教科書どうり、Pilot adjust@1-1/2 Turns-Out付近が最も安定したFast Idleとなりましたので、このSettingで実走行Testに出てみました。
温まって調子が出ると、Fast Idleは若干高めにシフトしましたので、途中、Throttle SlideとPilot Adjusterを調整。Throttle Slideを若干締め込み、最終的にPilot Adjust@1-1/4 Turns-OutがBestとなりました。Idlingは非常に安定しています。
加速性能に関しては、Idle Jet: 2.80とMain Jet: 125との繋がり感は良好で、加速時の息突き/もたつき感も皆無です。Throttleの開き具合に応じた吹け上がりも非常に俊敏で、逆の戻りの応答も同様で気持良いです。Rev.がIdle状態に戻って安定するときのギャップ、タイム・ラグもありません。
しかし、Cylinder & Pistonがまだ新品で慣らし中の為、Full-Throttle走行は未だ試すことが出来ません。なので、のんびりめのHalf Throttle走行で10 km程走って帰ってきました。従って、Full-Throttle時のMain Jetの混合気の具合は完全には把握しきれてませんが、Test走行中、エンストもAfter Fireもなく、濃過ぎ/薄過ぎ、の徴候は現れませんでしたので、逆に言うと、Street Useで最も多用する領域のHalf Throttle走行で問題ない状態がほぼBestかとも思います。Pinasco推奨最大RichのMain Jet: 125/100で、Rev. Range全域の混合比はほぼ問題ないと見て良いようでした。
帰宅後、Spark Plugの焼け具合をCheckすると、電極はいわゆる「キツネ色」で、ほぼ理想的なBestの焼け具合でした。若干、濃いかな? くらいで、薄い徴候はありませんでしたので、今のところのJettingとしてはこのSettingで間違いなさそうです。恐らく、Idle Jetは2.80以下ではちょっと濃過ぎてカブリ気味になるでしょうね。
Spark Plugの熱価も、Pinascoさん推奨どうり、#9でバッチリでした。今後、冬場にどうなるか、というところですが、真冬には#8に落とせばいい感じかも知れません。とにかく、10月半ば現在も含めた「夏場」は#9で問題ないと思います。Standardの#6のままではあまりにもHot過ぎるでしょう。
ということで、慣らし中のJettingに関してはこれで決まりました。
始動もバッチリだし、いつでも走行可能な動体状態にはなりました。おめでとー。
今のところ、どんな状況でもKick一発始動。今までのFemsa CDIでの不調はなんだったの状態。
カーボン詰まりのExhaust PipをPinascoのに交換したので、これで始動性とCarburettorのJettingが正常な状態になる筈なので、再Tuning開始です。
Pinasco Exhaustですが、交換後は空Kickで直ぐにわかる抜けの良さ、です。明らかにOriginalのは詰まってましたねー。その影響でCarburettorからCylinderへのBalanceが崩れていたのは間違いなかったです。
しかし、Pinasco Exhaustさん、ウッサイ!(笑)215 Cylinderに交換しただけでも、OriginalのExhaust Pipeの音量が大きくなり(ポンポンポン……が、バンバンバン……に)、「音デカくなったなー」と思ってたのに、今度は「ガンガンガン……」に。
すいません、文章表現に乏しいですが、Idling中に横で通常声量での会話が不可能な圧力の高い音量です。たぶん、215 Cylinderとの組み合わせにもよるのでしょう。OriginalのCylinderとの組み合わせなら、もうちょっとは大人しめな筈。
Exhaust Soundは、周波数帯域的には低域は殆ど出てなくて、かなり高域寄りです。下ろしたての新品ですし、Chamber内部の反響音が金属的になるので最初のうちは仕方ないですが、使い込めば内壁にCarbonの膜が付着し、その吸音効果で高音域成分は減るでしょう。早くそうなって欲しい気が。
では、Carburettor Settingのやり直しです。
ですが、その前に、Idle Jet(Slow Running Jet)の番手の選択方法について、意見してみたいと思います。
というのも、日本でポピュラーな方法解説には大きな誤り、というか説明不足があるように思えるからです。
某国内通販vespa Partsショップのサイトでは、「交換の際にはスロージェット部分前2桁の大小でまず変更します」とあります。ネットで公開されている多くのvespa関連の個人Blogでは、この方法を鵜呑みにして「スロージェットを一番手濃いめの50番にしてみた」というような表記がよくされていて、わたし的には「50番て、一体どの50番よ?」と思うのですが、正に上記の説明どうりにIdle Jetを選択されている方が大半みたいで、この解説の影響力は大きいようです。しかし、Tuningを施して、StandardなCarburettor Setting状態から大幅に外れている場合、それで果たしてJet Settingは上手くいくのでしょうか?
補足的におさらいですが、Idle Jetの番手は、前2桁がFuel流入穴径、後3桁がAir Mix穴径を表しており、例えば、rally 200のstandard Idle Jetでは、「50-100」という表記です。
話し戻って、つまり、言い換えれば、「Air HoleのSizeは手持ちの番手そのままで、Fuel HoleのSizeの大小でSettingを見出すべし」ということになります。しかし、全体的なSI Type CarburettorのIdle Jetの設定基準がはっきり示されていませんので、これでは全体像が把握できずに迷子状態で、殆ど手探りSettingになってしまいます。
また、Dell'ortoが用意しているIdole Jet SizeのVariationは、全てがこの解説を裏付けるようなステップの組み合わせで用意されているのではないんです。なので、前述の解説のような選択方法ではFuel/Air Ratio(燃料対空気比)のステップが大まか過ぎて、段階的な微調整が可能な選別が出来ないのです。
このことを理解し易いようにチャートを作ってみましたので、下記をご覧ください。
Dell'orto SI Type Carburettor Idle Jet Chart
Red = Air Hole Size
Blue = Fuel Hole Size
Green = Fuel/Air Ratio
100 120 130 140 160
1.666 60 - - - -
1.818 55 - - - -
2.000 50 - - - -
2.083 48 - - - -
2.222 45 - - - -
2.308 - 52 - - -
2.380 42 - - - -
2.400 - 50 - - -
2.667 - 45 - - -
2.692 - - - 52 -
2.800 - - - 50 -
2.909 - - - - 55
2.917 - - - 48 -
3.000 - 40 - - -
3.111 - - - 45 -
3.158 - 38 - - -
3.200 - - - - 50
3.250 - - 40 - -
3.333 - 36 - 42 48
3.429 - 35 - - -
3.556 - - - - 45
3.810 - - - - 42
4.000 - - - - 40
チャートの縦軸は、「燃料対空気比率」で、わたしがIdle Jet選択で度々表記しているものです。rally 200のStandard Idle Jetである50-100の場合、100を50で割って、2.0となり、燃料に対して空気が2.0倍の比率ということです。この比率数値の大小は、即ち、Idle JetからPilot Adjusterを介してThrottleに排出される燃料の相対的「燃料混合濃度」を表します。
横軸は、Idle JetのAir Hole径SizeのVariationで、5 Sizeのみ用意されています。
混合濃度は、60-100(1.666)が最も濃く、40-160(4.000)が最も薄い、ということになり、その幅の中で選択して調整できるようになっています。
さて、前述の解説で問題のIdle JetのFuel HoleのSizeが、用意されているVariation中、どのように分布しているかがこのチャートでよくよくお解りいただけるでしょう。
解説がそのまま当てはまるのは、Air Hole Sizeが100番手のものだけで、しかも、Idle JetのVariation全体で言えば、濃いめの5種限定です。言い換えれば、固定Air Hole Size共通で連続して5段階微調整可能なのはこの5種のみなのです。それ以上薄い目の2.308からはAir Hole Sizeとの関係は飛び飛びになってしまいます。例として、前述の解説の法則に照らし合わせると、もし、45-120(2.667)の次に薄めのSetが欲しい場合、それは40-120(3.000)ということになりますが、これでは濃度が薄めに大幅にジャンプしてしまいます。
次に、Air Hole Sizeの選択方法についての解説では、「後ろの数字はスロットルを1/4程度に開いた時のアイドリング(S/J領域)から走行(M/J領域)への継ぎ目でのトルク感に影響します」とあり、「M/Jの大きさやエンジンの低回転時の特性に影響されますが、基本的には30番台なら120、45前後で140、50より大で160で、この時に反応が悪いとなれば、番手を一つ落として確認します」となっています。
つまり、1節めではIdle JetとMain JetのOverlapについて解説しているようで、間違いではありませんが、正しくもありません。2節めの解説は支離滅裂で、まったく意味を成していないことが上のチャートから解るでしょう。この解説でIdle Jetの全体の段階的な基準設定を理解できるひとが居たら、それは凄いとわたしは思います。
Idle JetとMain JetとのOverlapに関しては、Idle JetのAir Holeの大きさに起因しており、このSizeが大きい程、OverlapがWideになる傾向になります(「160」が最大幅)。つまり、これはThrottle開度によるVenturiの負圧の大小と、その変化に応じたidle Jetの時間あたりの流量の多少に関連しています。しかし、この変化幅は燃料の混合濃度変化に比較すれば微細であり、Overlapに関しては、Idle Jetを選択する目安としては優先順位的には無視しても差し支えのない範囲のものだと思います。また、同じ混合比率で、Overlapの違いを直接的に比較検証できるのは3.333の濃度域にある3種だけです。
ということで、日本式(?)の不可解なIdle Jet選択方法が、何故、日本でポピュラーになったのか、その経緯はわたしにはわかりませんが、同様の方法論はOverlapに関して以外、海外ではまったく見掛けないもので、独特で、大方意味不明です。というか、説明不足で非合理的です。この解説を理解して、実際に首尾よくIdle JetをSettingできたひとはいるんでしょうか?
なので、Fuel/Air Ratio(燃料対空気比率)を基準にしてTestし、その結果から目標の数値を選択する方法が最も合理的であり、海外では通常この選択方法です。
Idle Jetの役割は、簡単に言うとIdle Jet通過後の「燃料の濃度と流速のPreset」です。その最終的な総量調節と霧化に関してはPilot Adjusterがその役割を担っており、言わば、Idle Jetは、Pilot Adjuster(Jet)と一組みでMain Jet的な働きをするものであり、Idle Jet単体では、むしろ、Choke Jetに近いものと言えると思います。
以上、わたしのIdle Jetに関する検証と解説は終了。
日本のvespaショップさんがネット上で詳しく解説されたものを他に見掛けなかったので、取り上げてみました。たぶん、詳しくネタバラシすると、少なからず商売に影響する、ということなのでしょう。
わたしの解説は間違ってはいないとは思いますが、これも決してそのまま鵜呑みにはなさらないでくださいね。
では、実際の作業に立ち返り、わたし自身の理論に従って、先ず、始動性とFast Idleの安定度が最も良好なIdle Jetを絞り込みます。
Air Collector: 190、Main Jet: 125、Spark Plug: #9の固定で、Pilot Adjustは1.5 Turns-Out固定で始動Testし、Idle Jetのみ交換してBestなidle Jetを絞り込みます。
セオリーどうり、最もRichな2.40から始めて、前回Testしたときのだいたいの調子が下記のようなものでした。
- 2.40 - Exaust Pipe交換前とは大分状態が変化して、更に明らかに濃い。Spark Plugがかなりカブリ気味になるので、始動性も良くない。Chokeを使うと、まったく始動不可能。Fast IdleはPilot Adjusterを大分絞らないとダメで、それでもカブリ気味。
- 2.67 - 始動性優秀で、Fast Idleも安定するが、若干カブリ気味。でも、Main JetとのOverlapは良好。まだ若干濃いめではあるものの、いけなくはない。
- 2.69 - 未調達
- 2.80 - 始動性良。Fast Idleも安定。Main JetとのOverlapは微妙かも知れないが、それは実走行で変化するかも知れない。
- 2.90 - 未調達
- 2.92 - 未調達
- 3.00 - 始動可能も、Fast IdleのAdjustがPilot Adjusterを開き気味でも微妙。Main JetとのOverlapが悪い。全体的に薄い。
しかし、Pinascoさんの指示どうり、Idle jetに関しては「2.40から2.90の範囲」というのは正しいことがほぼ実証されてました。
どうやら、我がrallyの場合、2.69から2.90くらいの間が本命っぽいのですが、次にPilot Adjustして後、実走行Testで今度はMain Jetを絞り込んで、再びIdle jetも煮詰めます。あとは、Main JetとSpark Plug、そして、気温変化との兼ね合いでのFine Tuningということになります。
そして、DucaFemsaに換装後、Idle Jet: 2.80で教科書どうり、Pilot adjust@1-1/2 Turns-Out付近が最も安定したFast Idleとなりましたので、このSettingで実走行Testに出てみました。
温まって調子が出ると、Fast Idleは若干高めにシフトしましたので、途中、Throttle SlideとPilot Adjusterを調整。Throttle Slideを若干締め込み、最終的にPilot Adjust@1-1/4 Turns-OutがBestとなりました。Idlingは非常に安定しています。
加速性能に関しては、Idle Jet: 2.80とMain Jet: 125との繋がり感は良好で、加速時の息突き/もたつき感も皆無です。Throttleの開き具合に応じた吹け上がりも非常に俊敏で、逆の戻りの応答も同様で気持良いです。Rev.がIdle状態に戻って安定するときのギャップ、タイム・ラグもありません。
しかし、Cylinder & Pistonがまだ新品で慣らし中の為、Full-Throttle走行は未だ試すことが出来ません。なので、のんびりめのHalf Throttle走行で10 km程走って帰ってきました。従って、Full-Throttle時のMain Jetの混合気の具合は完全には把握しきれてませんが、Test走行中、エンストもAfter Fireもなく、濃過ぎ/薄過ぎ、の徴候は現れませんでしたので、逆に言うと、Street Useで最も多用する領域のHalf Throttle走行で問題ない状態がほぼBestかとも思います。Pinasco推奨最大RichのMain Jet: 125/100で、Rev. Range全域の混合比はほぼ問題ないと見て良いようでした。
帰宅後、Spark Plugの焼け具合をCheckすると、電極はいわゆる「キツネ色」で、ほぼ理想的なBestの焼け具合でした。若干、濃いかな? くらいで、薄い徴候はありませんでしたので、今のところのJettingとしてはこのSettingで間違いなさそうです。恐らく、Idle Jetは2.80以下ではちょっと濃過ぎてカブリ気味になるでしょうね。
Spark Plugの熱価も、Pinascoさん推奨どうり、#9でバッチリでした。今後、冬場にどうなるか、というところですが、真冬には#8に落とせばいい感じかも知れません。とにかく、10月半ば現在も含めた「夏場」は#9で問題ないと思います。Standardの#6のままではあまりにもHot過ぎるでしょう。
ということで、慣らし中のJettingに関してはこれで決まりました。
始動もバッチリだし、いつでも走行可能な動体状態にはなりました。おめでとー。
0 件のコメント:
コメントを投稿