10/31/2012

@ Konaya Coffee, Kyoto

@ Shop front of Konaya Coffee, Kyoto
 ひょんなことからお知り合いになったvespa Ownerが店主のCafe。

 京都大徳寺の辺り、今宮大宮通りの商店街のすぐ近くの所謂京町家をリノベーションしたお店で、オリジナル焙煎のサイフォン珈琲がとても美味しくて、落ち着いたインテリアの店内でホッコリ一服できる、正に京都らしい隠れ処的雰囲気のお店。お薦めです。

 Road Testがてら、Coffeeを飲みに立ち寄ってきました。
 こうして見ると、vespaは古風な京町家にも何故か大変馴染みますな。それが京都にvespaが多い理由の一つでもあるのかな。

 店主は気さくな長身の美人さんで、Bar Handleに大々的に改造されたET3にお乗りです。

粉屋珈琲(Konaya Coffee)
京都市北区紫竹四高縄町48-1
Tel: 075 406 1422
Open: 8:00 - 18:00
Closed: Every Monday
Web Site: http://www7b.biglobe.ne.jp/~konaya/

10/29/2012

differences in under the seat

 我がrally 200は、日本ではかなり希少なRare Modelです。
 それがよくわかるのが、この画像の部分。
Original ignition switch & oil level site glass
 Ignition Switch(w/Key)とOil Mixer付きで、これらは後付け改造したものではなく、どちらもOriginal仕様のまま。Ignition Switchは列記としたpiaggio Genuine Partで、"vespa car"に取付けられている物に似た高級なCEV製のShielded Typeの物です。
 元々着いていたこのSwitchはSpare Keyが紛失欠品だったのですが、これが特殊な形状なので、汎用Spare Keyが作成不可能。Spare Key付きの同じ新品の純正Switchを探しに探して見つけてゲットン。交換したものです。
 位置もここが正解。この位置のIgnition Switchは、案外使い勝手が良いですよ。

 このわたしのrally 200よりも先代の初期rally 200には、Key式ではないEngine Cut-Out Button Switchが同じ位置に着けられていました。つまり、このKey SwitchはそのUp-Dated版の仕様な訳です。これは、北米仕向けModelだけの特別な仕様で、当時のUS Modelは最も高級な装備が与えられたvespaだったのです。

 この後のEuro Typeでは、更にこのIgnition SwitchがHandlebar HeadsetのSpeedometer上の位置に移動されましたが、Switch UnitはOpen Typeの廉価な物に変更されています。わたしが最初に所有していたrally 200は、その後期Typeでした。Ducati CDI付きのModelはその仕様になります。

 確か、Cut-Out SwitchとOil Mixerのコンビネーションの仕様は、本国Italy版のOptionのいわゆる"Lusso" Versionとして存在していた筈ですが(当時のカタログにも掲載されている)、北米以外のその他の仕向地ModelにはOil MixerのOption設定が無かったようで、その為、Oil Mixer Typeのrally自体が生産数がかなり少なく、現在、最もRareなrally 200かと思います。
 これらLusso Versionのrally 200は、当時、日本には正規輸入されていないので、日本では更に見かけることの少ないRareなrally 200だと思いますし、vespa好きの方でも、Oil Mixer Typeのrally 200自体が存在しないと思われている方も多いのではないかと思います。
piaggio genuine US rally 200 original ignition switch with key

 Oil Mixerは、やはり、給油時に手が汚れないし、Oilも計量Cupの置き場も不用。Oil TankへのOilの備蓄さえ怠らなければ、混合のし忘れや、誤計量は起こり得ませんし、ゴミの混入等も最小限に防げます。計量は機械式自動混合なので正確です。やはり、これは遥かに利便性が高いです。
 よく、「分離自動混合じゃない混合給油の方が性能は良い」という話しがありますが、その根拠がイマイチよく解りません。正しく説明できる方がいらしたら教えてください。わたしは過去に混合給油のrally 200も所有経験があるのですが、少なくとも、双方で実際にパーフォーマンス的にどちらかが劣るようにはわたしはまったく感じませんし、この分離自動混合Typeで今のところ不具合もありません。分解整備時のCylinder & Pistonの燃焼状態も大変良好でしたし。他の車種についてはわかりませんが、vespaにおいては、混合給油/分離自動給油の性能的な違い、差異を感じ取ることができません。

 ただ、このアナログなOil残量確認用のSite Glass(樹脂製)は、疲労劣化や、振動などが原因で割れることがあるので、それだけはウィークポイントかと思いますが、後のP-Typeの樹脂製Oil Tankと違って、rallyまでのOil TankはFuel Tankと一体の鉄チン製なので、振動が原因によるOil Tankの接続部の不具合等に対するアドバンテージは高いかな、と思います。

 Oil Mixer付きの場合、Choke Knobの位置がこの画像のような位置になります。

legshield mouldings

 元々現車に着いてたLegshield Mouldingsは、piaggioのOriginal品でしたが、初代オーナーさまが傷めていて、傷や凹みがありました。それをちょこっと板金修正して使用していたのですが、やはりくたびれ感があり、新調したいとずっと思っていました。

 以前、最初に入手したのは社外品のCuppini製の物で、これはOriginalの物よりも径が一回り太く、実際に取り付けてみると、僅かなことなのに、かなり見た目に大きな違和感があり、わたしとしてはどうしても納得いかなかったので、泣く泣くN.G.として不良在庫保管していました。しかし、当時、piaggio GenuineのLegshield Mouldingsは生産されておらず、廃版。その後、入手出来ないままだったので、仕方なく、傷んでいたOriginalのを着けた状態で我慢していた、というわけです。

 ところが、最近はこれもpiaggioから再生産されているようだったので、入手して取り替えることにしました。

LH Side Legshield Moulding - Left: piaggio original, Center: piaggio reproduction, Right: Cuppini
 Left Hand Sideの方のを3種並べてみました。
 左から当時のpiaggio Original、piaggio Reproduction、Cuppiniです。

 それぞれ、微妙に板金の曲げ加工のカーヴィングに違いがあります。生産公差による個体差もあるかと思いますが、出来映えは歴然で、やはり1970年代当時のpiaggioの物が一番よろしいです。

 当時の物はStainless Steel製のPolish仕上げで、実はメッキ仕上げではありません。Reproのはたぶん普通のSteelにChromeメッキ仕上げなのだと思いますが、ひょっとすると、Originalに準じたStainless製かも知れませんが、定かではありません。Cuppiniのは明らかにSteelにChromeメッキです。しかし、地金自体の厚みはCuppiniのものが最も厚く、頑丈で強固です。

 これ、左右センター合わせの部分(Headlightの真下の位置)を一部重ね合わせるようになっているのですが、面白いことに「右前」と「左前」がありまして、当時のpiaggioのは右前、ReproとCuppiniが左前仕様でした。
 なので、ここを見れば、当時のGenuine品かどうかが見分けつきますね。というか、それ以前に、実際に見て確かめられれば、造りの良さの違いで解りますけどね。

 ちなみに、当時のOriginalには"044"という刻印が端のところに打たれていました。

 取り付けScrewは、日本で言うところのイモネジで、piaggio Reproのは左右4個づつの計8個で取り付けます。

 実際に取り付けると、画像のように引っ掛かりのないフラッシュな仕上がりになり、美しく、こういった細部の仕上げのデザイニングにも拘りがあるところが、日本車とは一味も二味も違うvespaの良さの一つでもあるのですが、ここにも3種で微妙に違いがありまして、Cuppiniのだけ、Tapping Screwです。また、Originalの場合は1個づつ多い5個 x 2で取り付けで、Screw Holeの位置もそれぞれで異なります。

 両端のEnd部は、Floor RailのEnd部分との取り合せに併せて、piaggioのはOriginalもReproのも、どちらにも内側に芸の細かい斜めの切り欠きがあるのに対して、Cuppiniのは真っ直ぐCut。

 さて、これら3種の細部の違いを検証してみましたが、「それぞれ別物」と言えると思います。
 なので、片方だけ取り替える、ということは不可能ではないものの、実際には無理があるので、左右Set交換が必須ですな。まぁ、バラ売りはないですし、そんなに高価なアイテムではありませんけどもね。
 そして、トータルのクォリティは、風合い&仕上がり共、やはり1970年代当時のpiaggioのOriginal品に軍配ですね。

 このLegshield Mouldingsは、早い話しが、切り目を入れたPipeを曲げて加工してあるだけの物なのですが、中々アピアランス的には侮れんPartなのです。
 piaggio Repro品を取り付け交換後の画像。

 うーん、Corner部の曲げ加工が甘いですよねー。この撮影後に少し修正しましたが、でも、まぁ、こんなもんでしょう。

 Body Frame本体の板金の状態とMouldings自体の板金のカーヴィング状態の兼ね合いによって、Fittingはドンピシャにピッタリ! なんてのは稀な例だと思います。大抵、Mouldingsの方を小細工しないとフィットせず、上手く取り付けられません。でも、下手にバカ力で「エイヤッ!」と大胆に曲げてしまうと、歪んでしまって取り返しのつかないことになってしまうので、要注意(Body/Mouldingsの何れも)。

 Legshield Moudingsは、単なる見た目だけのドレスアップ・アイテムと侮ってらっしゃるあなた、それは見当違いなのです。
 このMouldingsにはBody Panelの補強の役割があり、これがある/なしではLegshield全体の強度が全く違うんですよ。それは、Legshieldに少し力を加えて、Legshieldある/なしで試してみれば解ります。なので、結構大事な物でもあるんです。
 rallyの場合、Legshieldの内側にはGlove Boxが取付けられており、それもまた、構造的に一体となってPanelの強度を高めるサポートにもなっているので、rallyのFront Panel部は他のModelよりもかなり強靭です。
 よく、廉価な樹脂製のMouldingで代用されている方が居られますが、あれだと見た目はまぁまぁでも強度補強の貢献度はゼロなので、ぶつけた時のLegshield Panelの壊れ方の度合いに大きな差が表れること請け合いです。だから、これは「転ばぬ先の杖」でもあるアイテムなのです。

10/26/2012

Dunlop TT100 GP

 ウチのBlogをご贔屓にしていただいてる方の中で、これまでの画像を見て、「あのTyreは?」と思われていた方は中々良い目されてます。
Dunlop Roadmaster TT100 GP 3.50-10
 Dunlopの"Roadmaster TT100 GP"というModelでして、あの「マン島GPレース」で活躍したクラシカルな伝統的Tread Patternを持つTyreで、DunlopのBike用Tyre中、最もロングランなModelです。Classic Bikeマニアの間では今尚信仰者の多いTyreですね。
 わたしはこのTyreを履かせたvespaを他に見たことがありません。

 以前、偶々覗いたレッドバロンにTT100の3.50 x 10"が在庫していたのを見つけたので、3本まとめて買ったのですよね、rally用に、と。
 これがですね、大変良いんですよ。
 わたしはこれまで、vespaにはCEATとPirelliでした。でも、ItalyのClassicなTyreってのはCompoundが硬めで、ツルツル滑り易いし、雨の日なんて怖くて乗れたもんじゃない。夏場はまだ良いとしても、冬場は特にガチガチで最悪なTyreでした。
 昨今では、vespa用Sports Typeとなると、Michelin "S1"が定番みたいですけど、S1は未だ試したことがありません。あのPatternは好きじゃないんですよね。P200には良いかもしれないけど、Classicなrallyにはちょっと似合わない感じがするし。
 わたしはこの"TT100"を使ってから、これにぞっこん惚れちゃった。

 このClassicalなPatternから想像すると、なんだか頼り無さげな印象を持たれる方も居られるかも知れませんが、実際はそうではないんです。我がrallyは雨天未使用なので、Wet時は不明なんですけど、Dryでは大変Gripが良く、rallyとの相性も抜群のTyreなんです。
 例えば、マンホール上通過時なんか、Pirelliでバンクで倒してたら、トゥルッ! なんですけど、TT100ならまったくそういうことがない。常時安心して走行できるんです。PatternはClassicalですけど、Compoundは今どきのそれなんですよね。だから、現在の道路事情にも外れてなくて、しっかりGripする。乗り心地もゴツゴツしてなくて、かといってソフトでもなくて、路面の状況を掴み易く、癖がなく、ステアリング・ワークも自然で非常にコントローラブル。ちょっとコレを試したら、信頼感という意味でも、もう他のTyreには換えられなくなります。素晴らしいTyreです。
 ルックスもClassicalなのにSportyで、一見、目立たないようでいてキリッと絞まって見える。そのあたりのバランスが何とも絶妙で、Vintageなvespaにも見た目がよく馴染む。

 ところが、大変残念なことに10"は現在ではカタログ落ちで廃版になったらしい。Dunlopのサイトをチェックすると、8"はまだ在るのに、なんとも残念。そういうことになるのなら、買いだめしておけばよかった、と今では後悔しきり。
 このTT100が入手不可能となると、残る選択肢がまたしても限られてしまう。是非、10"を復活させて欲しい。
 少なくとも、またこのTT100の3.50-10"が手に入るのなら、わたしは他には絶対浮気しませんよ、Dunlopさん。

10/24/2012

road test pt. 4

 Road TestによるJetting & Fine Tuningはいよいよ大詰め。

 Spark PlugをClean-Upし、Main Jet:を122/100から120/100に交換して走行Testしました。
 そして、40 km程走行後のSpark Plugの状態をCheckです。
 これまでで最も良質な燃焼状態で、これでCarburettorのJettingはBestのSettingになったと思われます。

 走行FeelingもThrottle - Open/Closedの何れの状況でもこれまでで最も滑らか、且つ、自然な応答で、Perfectです。
 ちょっと濃いめの122でも良いかな? とも思いますが、今の気候条件的には120がやはりBestで、結局、rally 200 Standardの118/100の一段階濃いめのMain Jetで決まりました。まぁ、Air CollectorのSizeを上げてますので、総量的なFuelの流量は増量されています。

 ということで、まだ慣らし中で、Pinasco 215 Cylinder換装後、約400 km走行ですが、1,000 km程の慣らし期間終了までは、問題が起こらない限り、このJetting固定でいくことにします。
 Full Throttleは未だ試してませんが、実際問題、Gear Ratioの問題もあり、慣らしが終わったとしても、Right Hand Gripをそこまで回すような機会はまずないでしょう。Top GearではSpeedがもう恐ろしい領域になりますしね。
 ここまで、段階を経て、自分也にBestなJettingに辿り着けたことには達成感を感じますです。

Last Up Dated -
Best Jetting w/Pinasco 215 Cylinder + Pinasco Exhaust + Ducafemsa CDI + NGK Iridium #9 Set Up
  • Air Collector: 190/100
  • Mixer Tube: BE3
  • Main Jet: 120/100
  • Idle Jet: 50/120(2.40)
As this type of mini ratchet tool is very useful for Dell'orto SI type carburettor jetting
 Road Test中、工具屋さんにちょっと立ち寄ってゲットンしてきましたのは、全長100 mmのMini Ratchet Tool。810 yen也。
 今頃……て感じではありますが、Carburettor Caseの開け閉めや、Air Filter、Jetの取付け/外し時、場所が窮屈な箇所なので、一般的なScrew Driverではアクセスし難く、非常に作業し辛いのですよね。Carburettorの正確な調整は、Openな状態だと混合気の濃度が変わってしまう為、Caseを閉じた状態にまで復帰してから調整しないと完璧にはならないので、ただでさえ付け/外し作業が面倒なのです。
 で、このToolなら、このようにCarburettorにアクセス・フリーで、かなり楽に作業可能です。でも、Carburettorへの頻繁なアクセスは今回でほぼ終了なんですけどね(笑)。もっと早く購入しておくべきToolでした。

 さて、Carburettor Tuningはもう決まり。
 これで車輌本体は正常な動体状態にまで漕ぎ着けました。

 これからは他の箇所の総仕上げに移ります。

10/22/2012

road test pt. 3


 Road Test Pt. 2での走行Feelingは良く、体感的には「これで決まり!」と思っていたのですが、その後、Spark PlugをCheckしてみますと、尚、濃いめの徴候でした。
NGK BR9EIX - Air Collector jet:190, Mixer Tube: BE3, Main Jet: 125, Idle Jet: 50/120(2.40)
*(ネジ山にはCopper Greaseを塗布していますので、黒く見えます)

 うむ、ここからはMain Jetの領域、ということで、Idle Jetは2.40のまま、Main Jet: 125を1段階薄めに落としの122に交換して、20 km程の短距離Testをしました。

 Main Jet: 122、Goodです! Main Jetは125で決まりと思っていましたが、走行Feelingは122で更に磨きが掛かった感じです。北島康祐じゃないですけど、「ちょーきもちエエー!」です。
 懸案のThrottle-On時のしゃくりも解消。Exhaust Soundも微妙に変化して、乾いた音質になりました。
 走行後のSpark PlugのCheckでは、濃いめの徴候は消えて、ほぼ理想に近い焼け具合に。

Up-Dated -
Best Jetting with Pinasco 215 Cylinder + Pinasco Exhaust + DucaFemsa CDI + NGK Iridium #9 Set Up


  • Air Collector: 190/100
  • Mixer Tube: BE3
  • Main Jet: 122/100
  • Idle Jet: 50/120(2.40)
@ Japanese country road in Yase-Ohara Kyoto
 次回、再度、120を試して、確かめたいと思います。
 恐らく、Main Jetは120か、122のどちらかがBestになるでしょう。

10/21/2012

road test pt. 2

 第2回Road Test敢行しました。

出発前に、先ずはSpark PlugのCheck。

 分離混合給油の場合、若干濃いめになる傾向なので、いい感じの焼けではありますが、やはり、若干濃いめの徴候が見て取れます。(画像では色が濃く写っています)

 これはIdle Jet: 2.67、Pilot Adjust@ 2 Turns-Outの結果なのですが、懸案の走行時のThrottle Off時のしゃくり上げに関しては、完全には解消されていない状態で、つまり、これはその時、一時的に混合気が濃い状況になってるんですよね。要するに、Fast Idleの安定とThrottle On/Off時とのBalanceのBest状態の間を取って調整すると、結果としては、全体的には若干濃いめのSettingになる訳です。
 分析すると、これは薄めのIdle JetをPilot Adjusterで濃いめに調節している状態、と言えるでしょう。

 そこで、その確認の為、逆を試してみることにします。今回はIdle Jet: 2.40でSetして、走行Testすることにしました。

 先ず、2.40に交換して、Fast Idleを調整。始動性、優秀。すると、Fast IdleはPilot Adjust@ 1 Turns-OutがRev.が最も高く安定し、Throttle SlideはほぼFull Closed位置でBestとなりました。1.5 Turns-Outを基準とすると、正に1.5 Turns-Outを挟んで2.67と逆転した感じで、分析を裏付けています。ということは、2.40と2.67の中間くらいがBest Of The Bestと言うことか?

 Idlingの安定具合は、2.40の方が2.67よりも良いようです。
 一転、どうやらこっちが当たりな気がしてきました。

 そこで、更なるUp-Gradingとして、Iridium Spark Plugに交換してみることにします。
NGK Standard B9ES & Iridium BR9EIX spark plugs
NGKのIridiumを購入しました。
 熱価は、B9ESでバッチリでしたので、同じ#9相当の"BR9EIX"です。並べて比較すると、外観からして高級な質感ですね。
Left: Standard, Right: Iridium
電極部形状が明らかに違います。
 Iridium Spark Plugの価格はStandard品の約3倍強、というところですが、費用対効果は非常に高く、耐用期間も遥かに長いので、十分元が取れます。

 このIridiumに交換して、いざ、出発。

 やはり、2.40が当たりでした。
 走り出してすぐにわかりました。Throttle Off時のしゃくり上げが完全に解消されました。Smooth Responceで自然なRev.落ちと戻り。Throttle Workが気持ち善いです。そして、Stop時のFast Idelも安定。
 ただ、今度は逆に1st. & 2nd.のGearでのThrottle-On時にほんの少しだけしゃくる。でも、それ程気になるレベルではなく、無視してもよい範囲で、気にすれば気になる、という非常に微妙なレベルです。そのせいで加速が鈍って、性能がスポイルされるという訳ではないです。3rd.と4th.はその徴候なし。

 そのまま、またしても100 km程走行。途中、Engine停止後の再始動性も問題なく、優秀。全般的に2.67よりも良いです。途中、再調整の必要も感じなかったので、走り出す前のSettingのままで帰ってきました。

 ふむ、2.40が良い。でも、"Best Of The Best"は2.50くらいってとこか。しかし、2.50てのは存在しないんですよね。要するに2.40と2.67の中間てのは設定が無いのです。となると、これまでのRoad Testでの結果から比較検討して、どっちを取るか、ということになると、2.40の方がBestと判断。

 やはり、Idle JetのJettingは、1.5 Turns Outを基準に選択して、Pilot Adjusterで微調整、というのが正しいです。つまり、Fast Idleが1.5 Turns Outから大幅に外れる場合(+-1/2 Turns以上)、そのIdle Jetは恐らく適正ではありません(或いは、他の何かがおかしい)。Pilot Adjusterを大幅に絞り込む/開ける、してJettingしてるひとも居られるようですが、その手法ではThrottle ClosedからHalf Throttle間の混合気濃度とIdling時の濃度とのBalanceが崩れるので、非常に不安定なSettingになります。やはり、面倒でも総当たりしてBestのIdle Jetの番手を選ぶのが結局は早道で、そうしないと、結局は帳尻が合わない訳です。

 Main Jetは、125のままですが、これに関しては今のところまったく問題を感じないんですよね。加速性能は依然素晴らしいし、Spark Plugの焼け具合からもMain Jetが濃いとは思えませんしね。

 そして、Iridium Spark Plug、やはり良いです。ミスファイアー皆無で、火花の飛びも強く、着火性が更に良くなったのが体感できます。
 DucaFemsa CDIの安定度も非常に高く、まったく不満がありません。Ignition系のTuningに関しては、もうこれで完璧と言ってもよいでしょう。

 ということで、DucaFemsa換装前の不調FemsaのときのJetting Testの結果とは全然違う結果となりました。安定したSparkは大変大事ってことで、CarburettorのSettingにまで大きな影響を及ぼす、てことですよね。

 今回の更なるBrush Upによって、Tuning DataをUp-Date修正します。

Up Dated -
Best Jetting with Pinasco 215 Cylinder + Pinasco Exhaust + DucaFemsa CDI + NGK Iridium #9 Set Up
  • Air Collector: 190/100
  • Mixer Tube: BE3
  • Main Jet: 125/100
  • Idle Jet: 50/120(2.40)
これで決まり! だ。
 ホントか?(笑)。

10/19/2012

road test pt. 1

 本日、お日柄もよろしく、Road Test Riding決行しました。
@ Lakeside of Biwa
 京都を出て、Shake Downよろしく、お隣の滋賀県琵琶湖畔を疾走してきました。
 琵琶湖の湖南、西側の湖岸道路は景色も良く、Road Testには最適な道路なんです。
 本日は台風通過の影響か、風が強くて走り辛かったのですが、一気にToatal: 100 km強の距離を走破しました。

 これくらい走ると、徐々に馴染みと当たりが着いてきてる、というか、Engineの状態(Balance)が少しづつ変化してきました。
 あ、そうそう、ずっとIdle Jet: 2.80と言ってたんですが、それは誤りで、実は2.67だったんです。思い違いしてました。すいません。

 走行中の加速時の状態は、いつでも申し分無く、それは文句なく素晴らしいのですが、どうも、Throttle-OffにしてEngine Brakeが掛かったとき、若干しゃくるのが気になってきましたので、途中、何度もCarburettorのSettingをいろいろ試してみました。
 すると、この前は、1-1/4 Turns-OutがBestだったFast IdleのSettingが、2 Turns-Outに変化してました。Pilot Adjusterの調整は濃いめ(と言うか、多いめ)にシフトしてるわけですが、Throttle Slideの開度との兼ね合いもあるので、単純に大幅に濃くなったというわけでもないです。しかし、若干、濃いめではあるようです。で、Pilot Adjusterで薄めに絞ってみると、今度はThrottle SlideのAdjustがかなり微妙で、Idlingを安定させるのが難しくなってしまいます("Stop & Go"のStop時)。なので、やはり、基本的に濃度調整はIdle Jetそのもので決めるのが定石で、Pilot Adjustはあくまでも微調整の範囲かと。実際、その方が状況変化に順応し易いし、安定幅が遥かに広いんですよね。
 とにかく、今回のRoad Testの結果、Throttle-On時は完璧なんですが、Throttle-Off時の僅かな挙動だけが気になる訳で、Main Jetは関係なくて、やはりIdle Jetの番手とPilot AdjusterのSettingだと思うんですよね。それ以外は2.67でまったく問題ないです。

 そして、薄めの判断基準として、2.80と言ってたけど、2.80じゃなかったその2.80に交換してみると、Fast Idleが高過ぎて調整範囲を超えてしまい(Throttle Slide - Full Closed)、使えませんでした。従って、これを無理矢理使うとしたら、かなりPilot Adjusterを絞り込まないとFast Idle Speedを落とせなんですけど、それでは実際、Idlingが不安定になってしまい、どうにもこうにもダメでした。
 うーん、Idle Jetは2.67で決まりと思ってたのですが(2.80は勘違い)、微妙に2.69かも知れませんねー。
 Jettingは奥が深いなー。というか、やっぱり、慣らしが終了するまでは未だわかりませんねー。

 CarburettorのFine Tuningは今後も継続します。

low down?

 Road Test Pt. IIに颯爽と走り出した途端、頭打ちで吹け上がらなくなり失速してしまいました。
 路肩に停めて、Center Standを掛けると、異常にFrontが高く持ち上がりました。RH Side Cowlを外してみると、Air Duct Bellowsがくしゃっと折れ曲がってしまっており、そのせいでAirを吸い込めなくなってカブってしまったのでした。
Wrong ride height - Rear end low downed caused top mount of rear shock absorber dropped out!
 まー、それはよしとして、そんなことになるってのは、明らかにRearがLow Downしてしまっているからであって……「もしかしてRear Shock抜けたか?!」と、取り敢えず引き返してCheckしてみることに。自宅から殆ど離れてないところだったので幸いでした。

 調べると、なんと、Shock AbsorberのTop Mountが外れており、Frameに突っかえて留まってました。いつの間にか緩んでたんかー。Shock Absorber本体自体は問題なかったので良かったです。このSebacのは大変お気に入りだったもので。ちゃんと取り付け直せばO.K.です。

 正常な状態に取り付け直すには、ShockのLower Mountも一旦バラさないといけないので、この際、ついでなので"Zippy Stand"を取り付けておくことにしました。これは、言わば折りたたみ式簡易Engine Standで、取り付けておくと、Rear Tyre Changeなどが楽ちんになるアイディア・アイテム。比較的昔からあるもので、Large Frame vespa用Accessoryとしてはよく知られているものです。
 ところが、これ、Engine CaseのBolt x 2とRear ShockのLower Mountに共締めしておくのですが、加工精度が悪くて、Lower Mountに位置が微妙に合いません。それで、ずっと以前から保有はしていたのですが、これまで取付けずにいたんですよね。
 今回はもう、Lower Mountの共締め部分はぶった切って、そこは端折って取付けることにしました。別に無くたって強度的には然程問題ないし、機関的にも無関係ですし。そもそもテンポラリーに使用するものですしね。

 ということで、ShockもZippy Standもササッと取付けたので、作業中の画像は撮ってません。
 Zippy Standはなんてことないアイテムなのですが、走行中の不意のトラブルでの簡易修理時にはやはり便利なのです。

 Low Downは解消。
 しかし、Road Test Pt. IIは時間切れで中止。やれやれ。

10/17/2012

first impression - Pinasco 215 + exh. pipe + DucaFemsa

 さて、これまでの経過をまとめしてみます。

My rally 200 @ the road test running
Modified:
  1. Pinasco 215cc Cylinder w/NGK B9ES
  2. Pinasco Exhaust Pipe
  3. DucaFemsatronic CDI Conversion
Dell'orto SI 24/24E Jetting:
  • Air Collector Jet: 190/100
  • Mixer Tube: BE3
  • Main Jet: 125/100
  • Idle Jet: 50/140(2.80)
 First Impressionは、未だ慣らし期間中なので暫定的ですが、Pinasco 215 Kitは過激なTuningではなくて、Torqueを維持したまま、全域に渡ってPower Upという感じ。それでも、CarbのJettingがバッチリだと、加速感は恐ろしいくらいで、ストレスなくTop Endまで回りきる感じで、Standardとの差は歴然です。元々、rally 200は1st. Gearでウィリーなじゃじゃ馬ですけど、それが更に荒くなって野生馬に戻っちゃった、て感じ。Idling時の振動も大きくなりました。しかし、Tuning Engine独特の扱い難さはまったく感じられませんし、Clutchは無交換ですが、特に問題を感じません。Long Stroke化で本領発揮なCylinderなので、増々、Long Stroke Crankを入れてみたくなりました。

 Pinasco Exhaustは、抜けが良いので、アクセラレーションの俊敏さに貢献していて、吹け上がり(抜け)は非常に素早いんですけど、その分、やはり低速時のTorqueは若干奪われてる感じです。でも、低速では走らせにくい、ということでもありません。ある程度カーボンが溜まるとChamber内の負圧も変化してくるでしょうし、むしろ、それくらいの状態を想定しているのかも知れませんね。新品状態のSoundはかなりやかましいです。これについても、Agingされた状態の方が望ましい感じになるでしょう。

 Original ModifiedのDucaFemsa CDI、これは大Hit作でした。始動性は大幅に向上し、安定度も高く、素晴らしいです。同時交換だったので、効果の見極めができませんが、Nology Hotwireの貢献度もあるのかも知れませんが、とにかく、OriginalのFemsatronic CDI搭載時の貧弱な感じとはまったく違います。始動性は完璧だし、コンスタントに確実に火が飛んでいることがCylinderの音からわかりますからね。このCDI Unitを更にUp-Gradingする方法もあるのですが、今回は実用可能になることを大前提に仕上げましたので、そこまではやりませんでしたが、また次回に試してみたいと考えています。このUnitの優秀さを実感してしまったので、もうFemsaに戻すことはないと思います。

 CarburettorのJettingに関しては、Tuningの度合い、車輌の個体差、気候の条件などで、必ずしも同じにはならないとは思いますが、だいたいPinascoさん推奨の範囲内に収まると思いました。Main Jetに関しては、慣らし後にもう少し煮詰めてもいいかな? とも思っていますが、Idle Jetに関しては、慣らし期間後もこれで決まりかなと思います。

 あと、近々にEngine関係でUp-Gradingしたいと考えているのは、Spark PlugをIridiumのに交換してみようか、と。これは、過去に自分のクルマで試して効果を実際に確かめられましたので、性能向上はもう間違いないと思っています。それによって、Ignition系は更に信頼度が増しますしね。今回、Ignition系の確実性の確保は全ての面で安定性と信頼度を高くする要と実感しましたので、実利に見合う投資だと思います。Test走行で適応Spark Plugの番手を確定できたので、早々にIridium Plugに交換予定です。

ここまでのTuning総合評価:
 これらTuning Partsの組み合わせは、当初、思っていたよりも性能が高く、かなり実用的な範囲内のものでした。メンテナンス性も頗る良いです。
 一つだけ難点を挙げるとしたら、音がかなりデカくなる、ということだけでしょうか(StandardのExhaust Pipeのままであっても)。
 ただし、Tuningのキモとなるのは、やはりCarburettorのJettingだと思いますね。これがバッチリ決まるかどうかで結果の反映には大分差が出るのではないでしょうか。乗り易さをを損なうことなく、同時にCylinderの性能も最大限引き出すSet-Upはそれ次第だと思います。なので、幅広い選択肢から、面倒でもJetを一つづつ試して煮詰める忍耐力が必要ですね(用意した殆どのJetは無駄にはなってしまいますが)。
 また、それ以前に、Carburettorの取付けを完璧にすること、これが大事。ここの取付けNutがゆるゆるで、Engine Caseとの合わせ目から漏れ&吸い込みがあるようだと(すぐには判明しない)、走りはしますがPerfectなSettingはできないです(巷のvespaは、大方この状態ですけど)。恐らく、締め付けTorqueで言うと、1 kg辺りが境目ですね。ここのSet-Upをパーフェクトにするのは中々難しく、Throttle Slideの固着を避けて、結局、締め付け不足で仕上げてしまうvespa Shopさんが殆どだと思います。お店の腕を確認できるポイントとも言えます。「ここからの漏れはvespaの場合フツーだから」は、できないメカさんの言い訳でしかありません。

 もう一度、今度はもう少し距離を伸ばしてRoad Testしてみます。

10/16/2012

jetting with Pinasco 215 cylinder & exh. pipe

 DucaFemsatronic CDI、激快調です!
 今のところ、どんな状況でもKick一発始動。今までのFemsa CDIでの不調はなんだったの状態。

 カーボン詰まりのExhaust PipをPinascoのに交換したので、これで始動性とCarburettorのJettingが正常な状態になる筈なので、再Tuning開始です。
 Pinasco Exhaustですが、交換後は空Kickで直ぐにわかる抜けの良さ、です。明らかにOriginalのは詰まってましたねー。その影響でCarburettorからCylinderへのBalanceが崩れていたのは間違いなかったです。
 しかし、Pinasco Exhaustさん、ウッサイ!(笑)215 Cylinderに交換しただけでも、OriginalのExhaust Pipeの音量が大きくなり(ポンポンポン……が、バンバンバン……に)、「音デカくなったなー」と思ってたのに、今度は「ガンガンガン……」に。
 すいません、文章表現に乏しいですが、Idling中に横で通常声量での会話が不可能な圧力の高い音量です。たぶん、215 Cylinderとの組み合わせにもよるのでしょう。OriginalのCylinderとの組み合わせなら、もうちょっとは大人しめな筈。
 Exhaust Soundは、周波数帯域的には低域は殆ど出てなくて、かなり高域寄りです。下ろしたての新品ですし、Chamber内部の反響音が金属的になるので最初のうちは仕方ないですが、使い込めば内壁にCarbonの膜が付着し、その吸音効果で高音域成分は減るでしょう。早くそうなって欲しい気が。

 では、Carburettor Settingのやり直しです。

 ですが、その前に、Idle Jet(Slow Running Jet)の番手の選択方法について、意見してみたいと思います。
 というのも、日本でポピュラーな方法解説には大きな誤り、というか説明不足があるように思えるからです。

 某国内通販vespa Partsショップのサイトでは、「交換の際にはスロージェット部分前2桁の大小でまず変更します」とあります。ネットで公開されている多くのvespa関連の個人Blogでは、この方法を鵜呑みにして「スロージェットを一番手濃いめの50番にしてみた」というような表記がよくされていて、わたし的には「50番て、一体どの50番よ?」と思うのですが、正に上記の説明どうりにIdle Jetを選択されている方が大半みたいで、この解説の影響力は大きいようです。しかし、Tuningを施して、StandardなCarburettor Setting状態から大幅に外れている場合、それで果たしてJet Settingは上手くいくのでしょうか?
 補足的におさらいですが、Idle Jetの番手は、前2桁がFuel流入穴径、後3桁がAir Mix穴径を表しており、例えば、rally 200のstandard Idle Jetでは、「50-100」という表記です。
 話し戻って、つまり、言い換えれば、「Air HoleのSizeは手持ちの番手そのままで、Fuel HoleのSizeの大小でSettingを見出すべし」ということになります。しかし、全体的なSI Type CarburettorのIdle Jetの設定基準がはっきり示されていませんので、これでは全体像が把握できずに迷子状態で、殆ど手探りSettingになってしまいます。
 また、Dell'ortoが用意しているIdole Jet SizeのVariationは、全てがこの解説を裏付けるようなステップの組み合わせで用意されているのではないんです。なので、前述の解説のような選択方法ではFuel/Air Ratio(燃料対空気比)のステップが大まか過ぎて、段階的な微調整が可能な選別が出来ないのです。
 このことを理解し易いようにチャートを作ってみましたので、下記をご覧ください。

Dell'orto SI Type Carburettor Idle Jet Chart

Red = Air Hole Size
Blue = Fuel Hole Size
Green = Fuel/Air Ratio

              100    120    130    140    160
1.666      60       -         -         -         -   
1.818      55       -         -         -         -
2.000      50       -         -         -         -
2.083      48       -         -         -         -
2.222      45       -         -         -         -
2.308       -        52       -         -         -
2.380      42       -         -         -         -
2.400       -        50       -         -         -
2.667       -        45       -         -         -
2.692       -         -         -        52       -
2.800       -         -         -        50       -
2.909       -         -         -         -       55
2.917       -         -         -        48       -
3.000       -        40       -         -         -
3.111       -         -         -        45       -
3.158       -        38       -         -         -
3.200       -         -         -         -       50
3.250       -         -        40       -         -
3.333       -        36       -        42     48
3.429       -        35       -         -         -
3.556       -         -         -         -       45
3.810       -         -         -         -       42
4.000       -         -         -         -       40

 チャートの縦軸は、「燃料対空気比率」で、わたしがIdle Jet選択で度々表記しているものです。rally 200のStandard Idle Jetである50-100の場合、10050で割って、2.0となり、燃料に対して空気が2.0倍の比率ということです。この比率数値の大小は、即ち、Idle JetからPilot Adjusterを介してThrottleに排出される燃料の相対的「燃料混合濃度」を表します。

 横軸は、Idle JetのAir Hole径SizeのVariationで、5 Sizeのみ用意されています。
 混合濃度は、60-100(1.666)が最も濃く、40-160(4.000)が最も薄い、ということになり、その幅の中で選択して調整できるようになっています。

 さて、前述の解説で問題のIdle JetのFuel HoleのSizeが、用意されているVariation中、どのように分布しているかがこのチャートでよくよくお解りいただけるでしょう。
 解説がそのまま当てはまるのは、Air Hole Sizeが100番手のものだけで、しかも、Idle JetのVariation全体で言えば、濃いめの5種限定です。言い換えれば、固定Air Hole Size共通で連続して5段階微調整可能なのはこの5種のみなのです。それ以上薄い目の2.308からはAir Hole Sizeとの関係は飛び飛びになってしまいます。例として、前述の解説の法則に照らし合わせると、もし、45-120(2.667)の次に薄めのSetが欲しい場合、それは40-120(3.000)ということになりますが、これでは濃度が薄めに大幅にジャンプしてしまいます。

 次に、Air Hole Sizeの選択方法についての解説では、「後ろの数字はスロットルを1/4程度に開いた時のアイドリング(S/J領域)から走行(M/J領域)への継ぎ目でのトルク感に影響します」とあり、「M/Jの大きさやエンジンの低回転時の特性に影響されますが、基本的には30番台なら12045前後で14050より大で160で、この時に反応が悪いとなれば、番手を一つ落として確認します」となっています。
 つまり、1節めではIdle JetとMain JetのOverlapについて解説しているようで、間違いではありませんが、正しくもありません。2節めの解説は支離滅裂で、まったく意味を成していないことが上のチャートから解るでしょう。この解説でIdle Jetの全体の段階的な基準設定を理解できるひとが居たら、それは凄いとわたしは思います。
 Idle JetとMain JetとのOverlapに関しては、Idle JetのAir Holeの大きさに起因しており、このSizeが大きい程、OverlapがWideになる傾向になります(「160」が最大幅)。つまり、これはThrottle開度によるVenturiの負圧の大小と、その変化に応じたidle Jetの時間あたりの流量の多少に関連しています。しかし、この変化幅は燃料の混合濃度変化に比較すれば微細であり、Overlapに関しては、Idle Jetを選択する目安としては優先順位的には無視しても差し支えのない範囲のものだと思います。また、同じ混合比率で、Overlapの違いを直接的に比較検証できるのは3.333の濃度域にある3種だけです。

 ということで、日本式(?)の不可解なIdle Jet選択方法が、何故、日本でポピュラーになったのか、その経緯はわたしにはわかりませんが、同様の方法論はOverlapに関して以外、海外ではまったく見掛けないもので、独特で、大方意味不明です。というか、説明不足で非合理的です。この解説を理解して、実際に首尾よくIdle JetをSettingできたひとはいるんでしょうか?
 なので、Fuel/Air Ratio(燃料対空気比率)を基準にしてTestし、その結果から目標の数値を選択する方法が最も合理的であり、海外では通常この選択方法です。

 Idle Jetの役割は、簡単に言うとIdle Jet通過後の「燃料の濃度と流速のPreset」です。その最終的な総量調節と霧化に関してはPilot Adjusterがその役割を担っており、言わば、Idle Jetは、Pilot Adjuster(Jet)と一組みでMain Jet的な働きをするものであり、Idle Jet単体では、むしろ、Choke Jetに近いものと言えると思います。

 以上、わたしのIdle Jetに関する検証と解説は終了。
 日本のvespaショップさんがネット上で詳しく解説されたものを他に見掛けなかったので、取り上げてみました。たぶん、詳しくネタバラシすると、少なからず商売に影響する、ということなのでしょう。
 わたしの解説は間違ってはいないとは思いますが、これも決してそのまま鵜呑みにはなさらないでくださいね。

 では、実際の作業に立ち返り、わたし自身の理論に従って、先ず、始動性とFast Idleの安定度が最も良好なIdle Jetを絞り込みます。

 Air Collector: 190、Main Jet: 125、Spark Plug: #9の固定で、Pilot Adjustは1.5 Turns-Out固定で始動Testし、Idle Jetのみ交換してBestなidle Jetを絞り込みます。
 セオリーどうり、最もRichな2.40から始めて、前回Testしたときのだいたいの調子が下記のようなものでした。
  • 2.40 - Exaust Pipe交換前とは大分状態が変化して、更に明らかに濃い。Spark Plugがかなりカブリ気味になるので、始動性も良くない。Chokeを使うと、まったく始動不可能。Fast IdleはPilot Adjusterを大分絞らないとダメで、それでもカブリ気味。
  • 2.67 - 始動性優秀で、Fast Idleも安定するが、若干カブリ気味。でも、Main JetとのOverlapは良好。まだ若干濃いめではあるものの、いけなくはない。
  • 2.69 - 未調達
  • 2.80 - 始動性良。Fast Idleも安定。Main JetとのOverlapは微妙かも知れないが、それは実走行で変化するかも知れない。
  • 2.90 - 未調達
  • 2.92 - 未調達
  • 3.00 - 始動可能も、Fast IdleのAdjustがPilot Adjusterを開き気味でも微妙。Main JetとのOverlapが悪い。全体的に薄い。
 以上の結果は、不具合のあったFemsa CDI時のTest結果なので、今や始動性に関してはここまで悪い結果にはならないと思われます。
 しかし、Pinascoさんの指示どうり、Idle jetに関しては「2.40から2.90の範囲」というのは正しいことがほぼ実証されてました。
 どうやら、我がrallyの場合、2.69から2.90くらいの間が本命っぽいのですが、次にPilot Adjustして後、実走行Testで今度はMain Jetを絞り込んで、再びIdle jetも煮詰めます。あとは、Main JetとSpark Plug、そして、気温変化との兼ね合いでのFine Tuningということになります。

 そして、DucaFemsaに換装後、Idle Jet: 2.80で教科書どうり、Pilot adjust@1-1/2 Turns-Out付近が最も安定したFast Idleとなりましたので、このSettingで実走行Testに出てみました。

 温まって調子が出ると、Fast Idleは若干高めにシフトしましたので、途中、Throttle SlideとPilot Adjusterを調整。Throttle Slideを若干締め込み、最終的にPilot Adjust@1-1/4 Turns-OutがBestとなりました。Idlingは非常に安定しています。
 加速性能に関しては、Idle Jet: 2.80とMain Jet: 125との繋がり感は良好で、加速時の息突き/もたつき感も皆無です。Throttleの開き具合に応じた吹け上がりも非常に俊敏で、逆の戻りの応答も同様で気持良いです。Rev.がIdle状態に戻って安定するときのギャップ、タイム・ラグもありません。
 しかし、Cylinder & Pistonがまだ新品で慣らし中の為、Full-Throttle走行は未だ試すことが出来ません。なので、のんびりめのHalf Throttle走行で10 km程走って帰ってきました。従って、Full-Throttle時のMain Jetの混合気の具合は完全には把握しきれてませんが、Test走行中、エンストもAfter Fireもなく、濃過ぎ/薄過ぎ、の徴候は現れませんでしたので、逆に言うと、Street Useで最も多用する領域のHalf Throttle走行で問題ない状態がほぼBestかとも思います。Pinasco推奨最大RichのMain Jet: 125/100で、Rev. Range全域の混合比はほぼ問題ないと見て良いようでした。

 帰宅後、Spark Plugの焼け具合をCheckすると、電極はいわゆる「キツネ色」で、ほぼ理想的なBestの焼け具合でした。若干、濃いかな? くらいで、薄い徴候はありませんでしたので、今のところのJettingとしてはこのSettingで間違いなさそうです。恐らく、Idle Jetは2.80以下ではちょっと濃過ぎてカブリ気味になるでしょうね。
 Spark Plugの熱価も、Pinascoさん推奨どうり、#9でバッチリでした。今後、冬場にどうなるか、というところですが、真冬には#8に落とせばいい感じかも知れません。とにかく、10月半ば現在も含めた「夏場」は#9で問題ないと思います。Standardの#6のままではあまりにもHot過ぎるでしょう。

 ということで、慣らし中のJettingに関してはこれで決まりました。
 始動もバッチリだし、いつでも走行可能な動体状態にはなりました。おめでとー。

re-starting w/DucaFemsatronic CDI

 自作DucaFemsatronic CDIに換装しました。

 見る人が見れば、アッと驚く、初期型rally 200 FlywheelとDucati CDIとの本来有り得ないマッチングの絵!(笑)

 Fittingはバッチリ。見栄え的には、案外、何の違和感もなく馴染んじゃいました。まー、それを考慮した上での苦心の工作だったのですけどもね。
 CDI UnitとHT WireのRedは、派手と言うよりも、意外にもアクセントとして効いてますよね。
 実際、Femsa CDI不良で交換するなら、ReproのFemsaに交換するよりもこっちの方が見栄えがすると思います。しかも、信頼性&機能的な実利面でも格段に上ですし。
 Spark TestはO.K.! 火花飛んでました。
 Nology Hotwireの場合、Ground Wireの取付けが必須なので、ココのCylinder Head Nutと共締めに。位置的にはBestです。
 あとは、Ignition Timing等の問題ですが、付加した回路さえ問題なければ、Femsa仕様のStatorでも大丈夫な筈です。

 Connector上、一番上の端子が余ってますが、ここはGround用で、Femsaの場合、端子形状が違い、Bodyアースなのでここは空き屋になってます。Blue端子は、実は、内部回路的にはどこにも結線されてません。つまり、Ducati CDI側の回路的には必要のない回路なんです。でも、それでは端末が宙ぶらりんになるので、便宜的に端子を設けてそこに接続させてあるんです(芸が細かいでしょ? 笑)。
 HT WireとConnectorのRubber Capが欠品ですが、また取り寄せて装着しさえすれば防水も完璧です。

 さて、これまでの作業で苦労しながらも掴んだ感覚から、取り敢えず、Jettingは、Air Jet: 190/100、Main Jet: 125/100、Idle Jet: 50/140(2.80)、Spark Plug: NGK B9ESのSetで再始動を試みます。

 「頼むぞ、もうKickの鬼はさせないでくれ……」と、内心祈りながら……。
 ヤッホ! お見事、一発始動!
 Pilot Adjusterは、1-1/2 Turns-OutでIdlingは力強くもコンスタントに安定。素晴らしや。
 一度、Engine Cutした後の再始動も、これまたKick一発で、完璧です! マグレじゃなかったー。

 やはり、Femsa CDIの故障が始動困難&不安定の根本的な元凶でしたね。IgnitionのStator側は問題なしと判明。

 そして、"DucaFemsatronic" CDI自作作戦も大成功。災い転じて福と成す、じゃー!
 拍子抜けの安定具合。何?、このStartingの軽妙さは。なんか、これまでの不具合続きのモヤモヤが晴れて、達成感高くも気持よろしく、爽快感この上ないです。こりゃよろしいわー。

 よし、次は走行Testしながらの本格的なJetting再開です(あー、やっと舞い戻れた)。

DucaFemsatronic CDI

 オーダーしていたCDIが到着したので、"DucaFemsatronic" CDIの製作に取り掛かります。

 CDI Unitは、piaggio GenuineのDucati CDI (Made In Italy)を入手しました。
 純正でも、本体ColorがRed、Blue、BlackとVersionがありますが、全て中身の回路は同じ。これは「赤ドカ」Versionで、N.O.S.の新品です。

 因みに、社外品には"DUCATI Made In Italy"の文字がないだけで、機能的には同じで価格はそちらの方が遥かに安価に入手可能ですが、かなり不良故障率が高いようです(たぶん、インドか台湾製、或いは中華製のNo Brand品)。恐らく、内部の回路に使用されている素子が安物だからだと思います。

 さて、今回はFemsa風Mountingに拘って、CDI UnitをマウントするFemsa擬きのBase Plateを2 mm厚のアルミ板から切り出して自作してみました。
 後期型rally 200、P200E用のMount Base PlateでEngine Case側に同様にマウント可能なのですが、今回はそれの入手が間に合わなかったのと、このUnitが機能不全になる場合のことを見据えて、WiringをFemsa用のままにして、いつでもFemasa CDIにも交換可能なようにする為の苦肉の工夫策です。また、FemsaのBody Frame側Mount式の方が、汚れにくい配置でもあるんですよね。
With fabricated Femsa "look a like" mounting plate
 自作品にしては中々上出来でしょ? 幅をDucati CDI向けに幅広にアレンジ。2 mm厚アルミ板の手曲げ加工はちょっと苦労しました。

 しかし、このまま直結したのでは、Femsa CDIの代用としてDucati CDIはFemsa用rally 200 Statorでは正しく機能しません。
 そこで、回路に手を加えて小細工します。

 とは言っても、電子工作に慣れている人ならお茶の子な仕事なのですが、この付加回路は、わたしのオリジナル・アイディアではありませんで、海外の達人が公開されていたレポを拝借&アレンジしたものです。付加する回路は至極単純で、材料代も僅かで済むものです。でも、それだけのことで、より安定したUp-Grade CDIを手に入れられるのだから、これはやらない手はありません。
 ただし、この回路の詳細についてはここでは紹介いたしません。何故なら、この記事を見て同じような改造をされて、「壊れた」、「機能しない」等の苦情を言われてもわたしは困るからです。他のvespa系D.I.Y. Blogを拝見してますと、電子回路の基本を理解せぬままに、自車に無茶苦茶な改造を試しておられる方が実際に多々なので。
 まぁ、この回路のソースは探せば見つかりますので、そこから先は個人の努力次第、ということでお願いします。
 また、同様のDeviceは既に商品化もされておりまして、そちらはUKのBeedspeedさんで入手可能です。自作が苦手な方はそちらをどうぞ。ただし、見てくれがイマイチな割にお値段は結構お高いですが。
I made Femsa to Ducati conversion socket adaptor
 わたしは見栄えも気にする質なので、コンパクト、且つ、美観に配慮したSocket Adaptor型にデザインしてイチから自製しました。つまり、Add-On Convertorですね。
 筐体はBakeliteで成型し、内部回路はEpoxyで固定&絶縁対策した後に完全密封しました。Wireは一本も使用していないので、断線の可能性ゼロ。見た目もCompactでSmartでしょ?!
Convertor attached
 ConvertorをCDI本体に取付けるとこうなります。
 これなら、CDI Unit、Original Wiringの何れにも手を加えずに済むので、いつでもオリジナルの状態に現状復帰が可能。なので、CDI Unitは本来のDucati TypeのStator用としても使用可能です。
 どうです? 殆ど違和感なく、とても素人仕事とは思えない仕上がりでしょう? (自画自賛)笑。
Left: DucaFemsatronic CDI conversion, Right: Oiginal Femsatronic CDI
 HT Wireは、CDI UnitにはAssy.としては含まれておりませんので別途必要になるのですが、偶々、昔購入したものの、未使用のままお蔵入りになっていたNology "Hotwire"がストック箱から出てきました。これが上手い具合にDucati CDIとお揃いのRedで、ちょっとばかり見た目が派手ですけども、この際、これを使ってみます。
 このNology Hotwireについては、効果あり/効果なし、巷の使用者の評判が真っ二つに別れる製品ですが、わたしとしては、特別な効果は今回は期待していません。あくまで、新しいHT Wireを購入する予算が不用だから、ということでの使用です。勿論、相乗効果があれば、それに超したことはありませんが。

 さて、これで秘密兵器"DucaFemsatronic" CDI Uniteの製作は完了。
 正に思惑どうりの仕上がりで、大変満足してるんですけれど、実際に正常に機能させることが出来なければ絵に描いた餅状態で何の意味もありません。工作は完璧。理屈が正しければ機能する筈です。
 次回、装着&Testingレポします。

10/07/2012

Femsa v/s Ducati CDI system

 はてさて、Ignition系にも手を入れなければならなくなった我がrallyですが、Ducati CDIに換装することにしました。
 つまり、Ignitionに関しては後期型rally 200に準じた仕様にしよう、という訳ですが、これは、本来はStator PlateとFlywheelを含めて同時交換しないと成り立ちません。何故なら、FemsaとDucati TypeではIgnitionのPick Upから根本的にSystemが異なるので互換性がない為です。
 ところが、Ducati Type CDIにちょっと手を加えるだけで、Femsa TypeのStator & FlywheelのCombinationのままでも問題なく安定的に動作させることが出来るんです。
 本来、わたしとしては初期型rallyの特徴である、このFemsatronic仕様は崩したくはないのですが、今回のトラブルを期に思い切って変更する方針を取ることにしました。
 その理由としては、
  1. Femsatronic CDI UnitのOriginalの新品は入手不可能(Repro品は動作は同じでも見た目が大きく異なる)
  2. Ducati Type CDI Unitの方が機能的に優秀で、安価で入手が容易
  3. Ducati Type CDIなら、後期rally、P200E TypeのStatorとFlywheel、Crankが使用可能になる
です。

 実は、今後の密かなUp-Grading Planとして、「60 mm Long Stroke化」したい、という考えがありました。というのも、Pinasco 215 Cylinderは、そもそも60 mm Long Stroke Crankとのマッチングを前提にした設計なのです。

An early US type Femsatronic ignition stator plate of my rally 200
 ところが、初期型rallyではこれが不可能ではありませんが、困難なのです。

 それは、Crankshaftの形状に起因する問題で、初期型rally 200のFlywheel SideのCrankshaftにはFemsa TypeのPick Up Coil用Trigger Cam取付け用のスペースがあります。このTypeのCranksfaftは、初期型rally 200だけの独特のもので、後継的に受け継がれることありませんでした。なので、以降の200cc vespa ModelのCrankshaftにはこのFemsaのTrigger Camを取付けることが出来ません。つまり、後期型rally 200、P200E用にFemsa用Stator & Flywheelの取付けは不可能、ということになります。

 逆に、初期型rally 200の場合は、Crankshaftはそのままでも後期型rally 200、P200E用Ducati TypeのStator & Flywheelへの交換が可能です。これについては後に述べますが、Femsa TypeのCamのある/無しについては無視出来るからです。

 しかし、現在製造されている社外品のLong Stroke Crankは、後期型rally 200以降の200cc Model用の物しか生産されていませんので、事実上、Femsa Typeの初期型rally 200にはTuning用Crankshaftの選択肢がないのです。
 また、Light Weight Flywheelを取付けたい場合も同様に選択肢がありません。
 つまり、初期型rally 200は、今となってはかなりレアな仕様で現存数が限られている為、マーケット的にUp Grade Partsのサプライも限られる、という訳です。実際、Femsa TypeのCDI Unitさえも長い間廃版状態が続き、代替品が無かったのです(現在はRiproduction品が供給されている)。

 この現状は、「初期型rally 200の60 mm Long Stroke化」は、Femsatronic Ignitionを捨てて、Ducati Ignitionに変更しない限り成立不可能、ということです。(注:)Femsa用Crankを改造すれば可能ではありますが、これには高い加工技術を要するので除外しています。

 あともう一つ、Femsa TypeのIgnition TimingはFixed(固定)で、Ignition Timingは調整不可能です。これも、Pick Up Systemに起因しています。Femsa TypeのPick Upは、円周の小さなCrankshaft軸の回転を基にしています。恐らく、これを調整式にした場合、設計上、非常にシビアな調整が必要になる為と思われます。一方、Ducati Typeでは、この考え方を内外ひっくり返して、Flywheelの内周にTriggerを配置して、Pick UpはStator上で外側向けに配置されており、Stator Plateを回転させることで安易に調整可能に改められています。
 ということは、Femsa TypeのCrankshaftのままでも、IgnitionのPick Upに関しては支障がないので、初期型rally 200にこのDucati TypeのStator & Flywheelは取付け可能、ということです。

 ちょっと説明がややこしくなってしまいましたが、要は、後期rally 200以降、200cc vespaにおいてはDucati TypeのCDI Systemが主流になった為に、様々な点においてDucati Typeの方が圧倒的に有利、ということなんです。

 因みに、同じDucati Ignition Systemである後期型rally 200(6v)とP200E(12v)用Statorは基本的に同じ物で、同じStatorを使用して、6v/12v何れのElectrical Systemにも変更可能なものです。
 このStatorの基本設計は、そもそもET3に端を発し、出力の大小を除いて現在までほぼ変更されていない物で、根本的な相違点はCoilの結線と出力を制御するRectifierの仕様の違いだけです。つまり、ET3もStatorの交換なしにそのままAC 12v化が可能です。

 わたしは、わたしのrallyの12v化は必要ないと考えています。というのも、US仕様の初期型rally 200のElectrical Systemは、Series中最も安定したDC Systemで、実際、Lightningに関して不満がなかったからです。同じBattery付きのEuro仕様とは安定度が違うんです。またAC 6v仕様とはかなりレベルが違います。
 しかし、Old Styleの最終発展型である初期型rally 200のFemsa Type StatorのままでもAC 12v化は実は可能です。これらについては、また別の機会に詳しく取り上げたいと思っています。

 ということで、取り敢えず、Ducati TypeのCDI Unitをオーダーすることにします。
 ただし、後期Type rally 200化は段階的に進める方向です。
 次回のお題は、「DucaFemsatronic化」です(笑)。

10/06/2012

ignition failure

 Exhaust Pipeも新調したし、あとはじっくりJetting……というところだったのですが、またしても始動困難状態に。なんなの一体……もう、どんだけKickしたことやら。

 これはどう考えても、吸排気系の問題ではないと考え至り、Ignition系を疑って、初心に立ち返ってSpark Checkしてみましたら、火が飛んでない……。当たりでした。まったく、まるでBlogのネタづくりしているかのようなトラブルの目白押し状態。
 ただ、単純にSpark Plug Capがアウトなら最も簡単に直るので、Capを外してWire剥き出しの直でTestするも、飛ばない……Capは問題なし。逆に、深刻。Blogのネタとしては美味しい(?)。

 ということは、HT Wireか、CDI Unitか、はたまた、Stator Plate上のHT Coilか、PU Coilか、Registerか、の何れか。或いは、それらの複合的問題。
 まぁ、始動困難の原因がIgnition系ということが判明したので、Testerでチェックすれば故障箇所ははっきり限定出来ますからモヤモヤ感なくスッキリ諦めがつきますし、吸排気系の不具合の原因究明よりは遥かに手順としても楽な作業ではあります。
Genuine Femsatronic CDI unit on my rally 200
 何回かはStart & Idlingしていたので、その状態からして、HT Wireの断線が最も怪しいと思うのですが、初期型rally 200専用のFemsatronic CDI Unitの場合、HT Wireは本体直付けなんですよね。だから、HT Wireだけを取り替えるということが出来ないんです。つまり、例え本体機能には問題がなくても本体丸ごと交換が必須。また、Unit本体も樹脂で固められた成型で、バラせませんから内部の回路の素子を交換して直す、ということも出来ません。
 現在、このFemsa CDI UnitはReproductionの物なら新品が入手可能ですが、このRepro Femsa CDIは結構割高なんですよね。そして、形状が本物Femsaとは似ても似つかない形状です。でも、HT Wireは交換可能なTypeに改善されてはいます(Reproの新品にはHT Wireは付属せず)。本物のTypeは今では会社が存在していない為、製造されておらず、新品の入手不可能です(今やOriginal Femsaは貴重品です)。

 しかし、実は、後期型rally 200から搭載されたDucati CDIに少し手を加えると、Femsaの代用品として初期型rally 200にも使用可能なんですよね。しかも、CDIとしての機能は、実はFemsa TypeよりもDucati Typeの方が優れているのです。
 Ducati CDI Unitは、ET3やP200、PX系と、共用Partsなので比較的安価で入手が容易で、piaggio Genuine品に拘らなければ、OEM社外品は更に安く入手できます。
 ですので、CDI Unitだけの問題なら代替Up Grade案として、このModified Ducati CDIオプションがあります。

 もし、CDI以前の部分が問題だとすると、あとはFlywheelをバラして、Stator Plateを確認してみないとわかりません。しかし、CDI - Stater間の断線は有り得ません。何故なら、前回、わたしがしっかりと新製でひき直したからです。これには自信があります。
 では、Stator Plate上の問題だとすると、HT Coilが断線したとは考えにくいし、残るは、PU CoilかRegisterの不良になりますが、これらも余程の高圧が掛かるか、高温に曝されるようなことがない限り、経緯と症状からして故障したとはちょっと考えにくい。また、これらも初期型rally 200専用で割高なPartsです。

 やはり、HT Wireの断線が限りなくクロな気がします。それでなくとも、経年劣化による電圧のLeakageも大きいことと想像されますしね。

10/03/2012

Pinasco exhaust pipe - fitting

 オーダーした荷物のTrackingをチェックしてたら、一度は成田にまで来てたのに何故か中国の広州に空輸されて、そしてまた関空にトンボ帰りで舞い戻ってきて到着、という、無駄でややこしいトランジション経由でPinasco Exhaust Pipeさんが我が家に届きました。
New Pinasco #25580825 exhaust pipe for vespa rally, PX, PE, COSA
 同じTypeで、vespa各Model用に5 Versionあるうちの#25560825 - rally、PX、PE、COSA用という排気量200cc以上用のやつです。
 同梱内容は、またしても、安直なCopyのInstallation Manual & Catalogueと、Sticker、Fitting Kit、そして本体、という商品構成。
Included fitting kit
 Fitting Kitは、どのvespa Model用のVersionのを購入しても同じ構成で、他のModel用のと共通備品のようで、全部ひとまとめPackagingのようですね。なので、多分、不必要な余りが出ます。イタリアンな大雑把コスト管理です。ロス管理を徹底して、その分、価格を抑えてー。
Rear mont style changed in latest version
 オーダーする前に確認してた画像のものとはRear部の取り付け方が変更されているようで、付属Manualによると、このLatest VersionのではRear Shock MountにBracketを介して取り付けるみたいです。
 Old Versionのは、Pipeを凹ませてある部分にBolt貫通Sleeveが溶接されていて、Engine Caseの一番下のBoltで共締めするようになってた筈です。見た目的にはOld Versionの方がスッキリしててスマートに感じますが、恐らく、製造の精度的に取り付け位置に誤差が生じる分がFittingの際に問題になる為に、位置の誤差を修正し易い取り付け方法に改めたものと思われます。Manualにも「Hand Madeなので取付けには微調整が必要です……」と、"Hand Made"をやたら強調してありますしね。
 また、装着後、縁石などにHitさせた場合など、Engine CaseのBolt共締め取付けだと、Boltが曲がってしまうケースが可能性として考えられます。これは貫通BoltなのでCaseから抜き取れなくなってしまいますし、最悪の場合、Hit時にEngine Case側にもダメージを負わせる危険性もありますから、この箇所の変更は安全対策でもあるのでしょう。
"GRUPPI PINASCO GENOVA"
 さり気なく刻まれてて、よく見ないと確認できませんが、逆に派手に主張してないので好感です。
 全体的な質感は、「フツー」ですかね。特に感動するような仕上がりではありませんが、粗悪でもありません。至極標準的です。
piaggio genuine rally exhaust and Pinasco exhaust
 Originalのを取り外して、お約束のpiaggio Genuine rally Exhaust Pipeと並べて比較。
 Pinascoは明らかに容積/面積が増してますが、案外、重量は軽量でした。むしろ、Originalのは、やはりカーボン蓄積が多いのか、ずっしり重たく感じました。
 でも、コンパクトさではどう見てもOriginalの勝ち。これのOutlet Pipeが右だしじゃなくて、左出しVersionをどこかの業者さんが造ってくれないかなー。別段加工が難しいことはない筈。Tire汚れないし、きっと売れると思うんだけどなー。

 では、バラ保管は無駄に場所を取って邪魔なだけなので、早速、ちゃちゃっと本体にお取り付けー。
Exhaust pipe perfectly fit to pinasco 215 cylinder outlet
 流石にPinasco 215 Cylinder + Pinasco Exhaust Pipe、お家元が同じなので相性が悪い筈がなく、ドンピシャJustでハマりました。
 ここのFittingは、Pipeの下側から大きめのヘッドのRubber Hammerで徐々にトントンやれば上手く嵌め合いさせられます。ただし、piaggio OriginalのCylinderの場合は、相手が鉄チンで丈夫なので少々手荒にガッツンやってもいいですが、Pinasco 215 Cylinderはアルミですので、慎重に徐々に叩くべしです。斜めに強くこじるとCylinderのOutlet Pipeが割れる可能性があるので絶対ダメです。
 付属のPipe Clampは最新のTypeで、これは締め込み易いですが、Boltの先っぽが長く、無駄に先端が飛び出し過ぎて邪魔ー。一先ず、嵌まったら仮留め状態にしておきます。
Fitting under the body frame
 LH Side側に回って、ココの取り付けは、OriginalのPipeの場合は、Exhaust Pipeに溶接されているBracketの前後2カ所で挟み込むかたちですが、Pinascoの場合は片側(前方)のBracketだけで、その穴にBoltを貫通させてNutを締めるのみ。Cylinder側の嵌め合いがピッタリになると、BracketのBolt通し穴の位置はほぼ合いました。Boltを通して緩めに仮留めした状態で、再度、Cylinder側の嵌め合いを完全にします。
 Cap Head Bolt & Nylock Nutが付属されていて、それらで取り付けるようになってますが、勿体ないので、わたしはBoltはHex HeadのOriginalのをそのまま使用して、WasherとNutだけ付属のものを使いました。
New style rear mount bracket between in exhaust and rear shock mount
 取り付け順で言うと最後の箇所がRearのココで、付属のBracketを介して、このようにRear Shock Mount Boltに共締めして取り付けます。
 取付け前は、なんとなく「イマイチ垢抜けしない取付け方法だなー」と思ってたのですが、実際に取付けてみると、メカニカルな見栄えな感じで、「これもまた良いかも?」な印象です。
 確かに、この方法だと位置決め誤差があっても関連箇所で分散され、位置修正がし易いので、取付けBolt貫通穴を大幅に削ったり、といったイタリアン・プロダクトお約束の定番誤差調整加工の手間は一切掛かりません。
 Rear Shock Mount Boltは、Bracketの厚さ分の長さが足りなくなってしまいますが、換わりの長めのものがFitting Kitにちゃんと入っていました(でも、これが微妙に長過ぎ)。
 しかし、これだとBracketが邪魔になり、Rear BrakeのCable取り付けCam部にはまったく手が入らなくなり、事実上、アクセス不可能にはなりますし、あのPipeの凹ませ加工は必要ないじゃん、という突っ込みどころも。また、ご覧のようにGround Clearanceはかなり少ないです。Tyreがパンクしたときは間違いなく擦って火花散り捲りすねー。

 こうして、これら計3カ所の取り付け部を仮留めした後、最後にExhaust Pipe全体の歩留まり状態を確認、微調整して、問題なければ、各Bolt & Nutを本締めして完了です。

 ということで、このPinasco Exhaust Pipe、Fitting自体は特になんの問題なく、取付け部分の修正加工作業もまったく必要なしの正に"Bolt-On" Fitting。まるで日本製品であるかのような、取り付け作業は至ってスムースに完了させることが出来ました。
 作業開始前は、歩留まりの悪い箇所が絶対あるだろうと予想していたのですが、嬉しい想定外の拍子抜け加減でしたー。これなら、全行程、手慣れた人なら15分、そうでなくても30分もあれば完了できる楽ちん作業です。

 あと、取り付け前までは、Center Standとの干渉を若干気にしてたのですが、Standの足の開き具合の誤差修正だけの問題ですね(Standの"コ"の字の開放間隔が狭いと、Stand Release時にPipeの外側の溶接しろの部分と若干干渉する)。Standの開き具合は、ちょっと力を掛けて手で引っ張れば簡単に曲がるので、その場合の修正は容易ですが、通常の開き具合ならそのままで問題ない筈です。ただし、このあたりの兼ね合いは、車輌、各Parts、取付け状態で個体差がでると思いますので、加工調整が必要な場合はあるかと思います。
Fitting work was easy to complete
 RH下側Sideから見上げた仕上がりはこのように。
 このアングルから見ると、結構、「ヤル気」なTuned vespaな感じに見えますが、実際は、このような地面スレスレ蟻さん目線では見えませんので、Chrome Finishであることを含めてもあんまりド派手には目立ちません。私的には、Mat Black仕上げの方がRacyで好きなんですけどね。
 今回の取付け完了段階では、作業の簡易さでも、ルックス的にも、私的満足度は高いです。

 さてさて、これで、前回からのCarburettorのJettingは、一旦「振り出しに戻る」です。
 このExhaust PipeのImpressionは次回にお預けのお楽しみ。
 今日は遅がけからだったので、作業はここまでで日没終了ー。サンキュー。

10/01/2012

braker's yard

 Parts到着待ち&台風凌ぎ中なので、コラム記事です。
 そもそも、わたしが何から何まで自分でやっちまおうと決心したのは、まぁ、元々機械いじりが大好き、てのはあるんですが、vespaに関して、自分の愛車を安心して任せられるショップてのが見当たらなかったからでもあります。

 どういうことなのか、だいたいvespa専門店の店主てのは大抵ヘンコが多くて、本音と建前とうか、裏表のギャップが激しいとこが多い。特にわたしの地元、京都のvespaショップは、昔から成川商会ディーラー店同士が、水面下でいがみ合いというか、客の取り合いというか、とにかくディーラー店舗同士の仲が悪くて、裏の争いが昔は激しかった。そういう車輌自体とはまったく関係のない、ショップ間の政治的な部分で大変嫌な思いをされた京都の古参vespaオーナーは、わたしを含めて多い筈です。
 以前、京都の成川正規ディーラーの某店を訪れて、或るPartsを欲しいのだけど……と店主に聞いてみたところ、「ウチはパーツ単体売りはせん!」と、殆ど怒鳴る勢いで追い返されたこともあります。ヒョッコリ訪れた一見のお客様に対して、ですよ?
 まぁ、「拘り」とは言いますけれどもね、「偏執」というか、店主の片寄った思い込みとか、おかしな理解不可能なポリシーを押し付けられるのは敵わんです。

 vespaって、数年置きにブームが来ることが多いですけど、その度にムック本なんかが書店に並び、全国のvespa専門店が紹介されたりしますけども、それらの紹介記事なんてのも眉唾もんです。何故なら、それらのお店の広告料で出版の予算成り立ってますしね、悪いことは書かれる筈がありません。編集者がしっかりお客目線で専門的な知識をもってして、お店を調べてから書かれてるような記事なんて殆どないに等しいと思います。
 儲け主義の専門店てのは、USEDの場合、車輌の見た目の仕上がりには拘りますけども、肝心の中身の仕上がりが実際に購入して乗ってみないとわからない。
 「vespaはオサレな乗り物」という一般的なイメージから、ファッション性重視だけど、メカ音痴さんが購入されるケースが多く、そういう人たちをエサにして肥え太った悪徳ショップさんも多いのではないのかなー、と、穿った見方をすれば思えなくもないです。

 ネットで検索していろいろ調べていると、ショップさんのblogも見れますし、参考になる記事は度々拝見しているのですが、多くの場合、ネタ・バラシ率は低いですね。なんちゅーか、器の狭いとこが多い、というか、しょーもないことは大袈裟に自慢するけど、肝心なとこは抜けとる。つまり、誰でも知れば解ることを知ったか自慢はするけども、知ったところでそれをやるのには経験と腕がいる、みたいな事例紹介は少ない。というか、そもそもvespaは、設計の特殊性という意味では大いに珍種ではあるものの、修理難易度的には特に高い技術を要求されるものではない。
 でも、一店だけ、熊本のVeloce Scootersさんというお店のblogはネタ・バラシ度高く、内容も大変おもしろく、メンテナンスの参考になる唯一のblogではないかと思います。ココの店主さんの拘りは良い意味での拘りで、腕の確かな数少ないvespa専門店ではないかと思いました。わたしもこのお店にならお任せしてもよいかな、と思います。正直、こういうショップばかりなら良いのだけどなー、と思うのですが、今のところ、わたしが信頼できそうなお店は、ネット検索では唯一、この一店舗しか見つかってません。

 あ、遅れましたが、わたしのvespa歴は、16の時、免許取り立てで友人の友人からUSEDで購入した50Sに始まって(初バイク、というか、初スクーター)、新車の50SにBore-Up、USEDのrally 200、これまた知人のオッサンから譲り受けたV100、そして、現在レストア中の個人輸入したrally 200となります。最初の50Sは、Engineを1度も割ることもなく、メジャーな故障歴なしで80,000km程を走破した伝説の50Sでした(下取り査定ゼロ円だった!)。2台目の50Sは直ぐに手放しましたが、これと、次の最初のrally 200は京都の某正規ディーラー店購入でした。V100は、現在不動ポンコツ状態で、rally 200を横目にガレージで休眠中。次はV100をなんとかしてやらねば、です。
 わたしの場合、過去所有のvespa達は、かなりハードに下駄使いしたにも関わらず、全ての車輌でオーバーホールが必要なような故障経験はありません。基本、2 Stroke Oil混合を欠かさず、日頃メンテをそれなりにしておけば(でも、殆どテキトー)、「vespaは頑丈で壊れない」てのが、わたしの長年のvespa実体験による感覚です。

 でも、ネットでのvespaの修理を紹介したblogを見てますと、過去に酷い修理をされた車輌てのが実に多い。その殆どはプロの仕業ですよ? プロが呆れるプロの修理が施されたvespaが山ほどあるんですよ。そのお陰で、大事に至っている車輌の方が実は多いのではないか? とも思えてくるほどです。要は、修理に対する技術の高/低の問題ではなく、修理をする側の意識の高/低の問題なのではないでしょうか?
 下手なお店にEngine割らせるくらいなら、Oilだけはキッチリ入れて、そのまんま乗り続けた方が絶対いいです(新車から乗り出した場合)。その方がvespaは壊れない。やはり、わたしにはそう思えるー。わたしの初代50Sは、当時、まだまだ現役で走れる状態でしたから。

 わたしのように「自分でD.I.Y.でレストアはムリ!」なvespaオーナーさんは、くれぐれもショップ選びは慎重にされるがよろしいです。