9/09/2012

repairing inside of fuel tank - step 1

 Fuel TankのRepairは、1. Cleaning、2. Rust removing & Metal Prep、3. Coatingの3 Stepです。

 先ずは、Step 1 - Cleaning。

 前の記事で紹介のように、Tankの内部は変質したGasolineの沈殿物が付着して正に悪の巣窟になっております。
 この沈殿物は、油分が全て蒸発すれば、不活性固形物にはなりますが、表面的にはそう見えても簡単には油分は無くならず、大方が粘着質のタール、ガム状の非常に頑固なもので、ワイヤーブラシ等を使ってこそぎ落とそうとしても、へばり着いて、これはそうは簡単には除去できるものではありません。そんなことをしていても時間と作業モチベーションの無駄です。これは油分を多く含んでいるので、大変厄介な代物なのです。
 しかも、手の入らないTankの内部全体に付着したこれらをどう処理するか? が最大の難題なわけです。
 何れにせよ、上の画像の状態から、簡単に除去できる分は大まかにLong Driverで底の沈殿槽を掻き取って捨てます。

 「うわぁ……」出てくるわ、出てくるわ。満タン分の変質Gasolineですからね……。

 そして、ケミカル剤を使用しての科学的分解除去を実施します。

 これは、日本のスーパーマーケットやホームセンターならどこででも手に入るもの。そう、家庭の配水管まわりのクリーナー。塩素系で、だいたい1 liter Bottle@200-300 yenです。こいつを合計2 liter分使用して、脱脂&Cleaningすることにします。

 そして、もう一つ用意するもの - 不用な小ネジ等を多数適量。

 塩素系クリーナー(1 Liter)&小ネジをTank内に同時投入します。今回は1 Literづつの2回に分けて施行実施しました。
 Lidを閉めて、Tankを両手で抱え、振る。「ジャラちゃぽジャラちゃぽジャラちゃぽ……」これを数回繰り返しては放置。つまり、小ネジさんたちにTank内部を駆け回ってもらって、表面に付着した沈殿物をこそぎ落としてもらおう、という作戦。この効果、バカにならんのですよ。

 また、化学薬品というのは、熱反応で反応が促進されますので、今の時期の気温ならほぼベスト・コンディションです(冬場の気温ではあまり効果が期待できません)。昼間に適度な回数マラカス作業をしては放置を数回繰り返し、後はそのまま一夜漬けにします。

 翌日、Lidを開けると、Tank内部からは変質Gasolineの悪臭から一転、なんか懐かしい匂いが。夏の学校のプールの匂い……そうかー、学校のプールて塩素濃厚だったのだなー。などと感慨はさて置き、内部の液体を捨てます。「ジャバちゃらジャバちゃらジャバー……」茶色いヘドロ状の液体。やっぱし予想どうり一回じゃ足りなかったです。内部に圧水を吹き入れて、残留した汚れを可能な限り排出します。

 再度、一回目と同じ行程をします。つまり、丸2日間の行程ですが、実作業時間的には知れたもので、殆どが放置の90%は薬剤さんのお仕事です。

 すると、結果はこうなりました。
 どうですか? 前後比較。Fuel Tapの付け根もこれでやっと露になりました。左上の方に小ネジさん2個が残ってますね。

 Tank内は一部、地金表面も確認できます「錆びているのではない」と言ったのは本当だったでしょう? もし、錆びているのなら、このようなスムースな表面(銀色に見える部分)ではなく、痘痕状の虫食い層が現れる筈です。前回施行のMetal Prepの効果はちゃんと生きている証拠です。
 まわりの大半の茶色く見える部分は、まだ頑固に表層に付着している変質Gasolineの薄い膜の層です。一部濃い茶色に見えるのがタール状の更に頑固な付着物。
 錆があるとしたら、その大半は、恐らくTankの上部の部位でしょう。何故なら、Gasolineは鉄と同じく、鉱物が大元なので、お互いに遠い親戚関係で親和性です。空気の層に長く曝され、結露も発生していたであろう上部の空間になる面の方がPanelの酸化は促進されていたと見て間違いなく、錆の発生確率は高い筈です。

 最初のTank内部の状態の画像の実際を見たら、大方のプロでも再生不可能な錆状態と判断されるでしょう。このクリーニング後の状態でも、もし、ショップで見せたら、「要交換ですね」と言われること必至。実際、それで再生不可能とされて廃棄処分されたTankの数計り知れず、かと。しかし、それは無知で再生テクニックを持っていないショップさんの見解です。実際は違うんです。後のStep 2の行程で更に証明してご覧にいれます。

 塩素クリーナーでは錆びの分解除去はできませんので、効果としてはここまでがほぼ限界かと思われます。

 大活躍の小使用後のネジさん達も見ていただきましょう。元々はユニクロ・メッキの新品でしたので、このクタクタ状態を見ればよくお仕事してくれたことがわかりますでしょ? Guitar Partsヲタクだと、「コレ、Aged加工じゃん!」て大喜びもんです。

 さて、廃液排出後は、Tank内をよくよく十二分に水洗いリンスを施し、中和させます。塩素系ですので、酸性の液体と混合すると、有毒ガスが発生するのは、ボトルにも注意書きがある通りです。
 
 これで、Step 1の脱脂クリーニングはFinishedとします。
 水を使いましたので、このまま放置してしまうと、今度は本物の錆が忽ち発生してしまいますので、もう短時間でも放置はよろしくありません。間髪空けずに直ぐさまStep 2作業を実行しますが、手順としては、ここでFuel Tapを外さねばなりません。
 
 Fuel Tap AssyをTank内部で留めている大型Nutの取り外しにはvespa Special Toolが必要になります。これが無ければ、この部分の取り外し/取り付けどうにもなりませんので、これは予め用意必須のToolです。
vespa Special Tool - Fuel Tap Nut Wrench
 しかし、このNutが変質Gasolineの影響で固く固着しておりまして、なかなか外れてくれません。
 仕方ないので、外側からFuel TapのFeed Pipeにドライバーを突っ込んで同時に力を掛けたら、なんとか外れてくれました。
 当然、Feed Pipe部はこのようにポッキリ……ご臨終。

 これはオリジナルのPartsでしたが、最早再使用することは考慮しておりませんでしたので、私的には問題ないです。このAssyは入手が容易ですし、価格も安価な部類の物だからです。
 見てください、沈殿物の層に塗れたFilter部分を。Fuel Tap Assyの母体はCarburetorと同じく鋳造アルミ製(Air Vent Pipeは真鍮製)ですので、鉄錆は発生しませんが、内部通路の表層は変質Gasolineによって結構傷んでいます。これまでご苦労さまでした。ナ〜ム〜。

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