CylinderをBore-UpしてTuningすると、当然ながら、排気量Upで高出力になりますから、吸気&排気共、マッチングを図らねばなりません。
排気系は取り敢えずは後回しでもよしとしても、燃料を供給する一次側のCarburettorがオリジナルのSettingのままでは燃料供給不足となってしまいます。
ですので、CarburettorのJetを交換して、燃料/空気比をCylinder側に合わせてTuningします。
さて、先ず、rally 200(VSE1T)オリジナルのCarburettorのJet Settingはというと:
rally 200 Factory Standard - Carburettor Type: Dell'orto SI 24/24E
そして、Pinascoさん推奨の215cc Kitに交換後のJet Settingは:
rally 200 w/Pinasco 215cc Cylinder Kit - Carburettor Type: Dell'orto SI 24/24E
今回、Settingの為にわたしが予め用意したJetは下記のものです:
* Idle Jetは、オリジナルの2.00を含めて、薄めの3種を用意して、大まかに4段階としました。
* Choke Jetは、効果的に交換の必要性がありません。
* Idle Jetの"Air Calibrator Jet"は、rally 200 Original SI 24/24Eの場合、交換不可能なCarburettor Body固定式です。
▲ Air Collector Jetは、数字が大きくなる程、通過する空気量が増します。
▲ Main Jetは、数字が大きくなる程、通過する燃料が増します。
▲ Idle Jetは、分母÷分子の数値が大きくなる程、通過する燃料の空気比率が高くなります(混合気が薄くなる)。
"Bore-Up" Tuningした場合、簡単に言うと、「必要混合気吸入量が増える分、全体的に「空気:燃料」の比率を濃いめにしなさい」 - Main Jetの番手を上げる。しかし、Main Jetだけ番手を上げると、エマルジョン・バランスが崩れるので、併せてAir Corrector Jetの番手も上げる。
ところが、SI Typeの場合、Main JetはThrottle Slide Valveが1/2 Open少し手前からFully-Open時に主に影響を及ぼし、それ以下では然程影響がないのです(つまり、Throttle Slide Valveの開度によるThrottleのヴェンチュリー効果に相対する)。
一方、Idle JetはThrottle-OFF時からFull-Throttleまで全域に渡って常に一定の影響を及ぼします(Idle Jetの排出穴[Pilot Adjuster]がThrottle Slide Valveより以前のEngine側に近い部分にある為)。
Float Chamberからの燃料の供給経路は2系統あって、1つはChoke Jet専用。もう1つはMain Jet系で、順番で言うと、Idle Jetは燃料がMain Jetを通過した後にあります。つまり、Idle Jetへの燃料流入量の多/少は、Main JetのSizeに依存します。
Main Jetの番手を上げて、Idle jetがオリジナルの"2.00"のままだと、Idle JetはMain JetのSizeが拡大された影響を受け、全回転域で混合気が濃くなり過ぎ、特にアイドリングのAdjustが不安定になります。
この対策として、Idle Jetの番手を上げて、燃料を薄すめに設定してPreset調整する - ということです。例えば、走行中にThrottleをゼロに絞ったとき、一旦Engineの回転が落ちると同時に連動してRev.が若干上がる、というような事例の場合、Idle Jetが濃い - ということですね。逆に、Engineストールする場合は、Idle Jetが薄い - ということです。
以上がだいたいのわたしの大雑把なSI Carburettor Settingの理解です。間違っているかも知れませんが、シンプルにわかり易く説明すると、こういうことなのだと。要は、JetのSettingは、全回転域に渡って良好な燃焼状態で、バランスのとれたJetのBestの組み合わせを見つけ出す、ということです。
だいたい、メーカーやTunerは、濃いめの混合気Settingを推奨します。何故なら、薄めの混合気Settingは2-Stroke EngineにとってはOil切れのリスクを伴うからです。逆に、Userは薄めの混合気Settingに傾倒しがちです。何故なら、薄めのSettingの方が実際は高回転まで吹けが良いからです。
わたしのrally 200のように分離給油Typeの場合、2 Stroke Oilの混合比は指定の2%よりも安全策で若干濃いめに設定されていると思われます。この傾向の理由はもう一つあって、昔のOilは、現在ポピュラーな化学合成Oilではなく、鉱物Oilが主流で、それらは粘度が高いものでした。現在主流の化学合成Oilの場合、昔の鉱物Oilと比較すると粘度はかなり低い。つまり、現在の化学合成Oilを使用すると、より多くのOilをOil Mixerが供給しがち、ということです。なので、分離給油Typeの場合、Oil切れリスクについては、それほど神経質になる必要もないかなー、とは思います。
Jetの価格は案外安くはないので、Air CollectorとIdle Jetは今回予算削減の狙い撃ち購入分です。いずれにせよ、安全策をとって、濃いめSettingから順番に組み合わせを試してみます。
もう一つ、CarburettorのSettingと併せて、Spark Plugについても同様にSettingせねばなりません。
rally 200のオリジナルの場合、NGKの番手でいうと、B6ESになります。これも、Pinasco 215 Kit装着の場合、Pinascoさん推奨では「9番にせよ」とあります。「熱価を"Cold"側に修正しなされ」ということですね。
Spark Plugも季節(気候温度条件)や、車輌の個別の状態によってマッチングに差があるので、Testして様子を見て次第と思います。3番手Upはちょっと大袈裟かなー、とか思います。
ストック・パーツをゴソゴソしてたら、何故か新品のBeru製の"Silverstone"てのが出てきて、それが一番手UpのNGK-7相当だったので、取り敢えず、それで試してみます。
排気系は取り敢えずは後回しでもよしとしても、燃料を供給する一次側のCarburettorがオリジナルのSettingのままでは燃料供給不足となってしまいます。
ですので、CarburettorのJetを交換して、燃料/空気比をCylinder側に合わせてTuningします。
CarburettorのSettingは、季節や、機械的な状態など、個体差も含めてセンシティブなので、一概に正しい決まりというのはありませんが、下記を大凡の目安として、Jetを揃えておいて、それぞれの組み合わせを試しながら、最上のSettingを見つけ出さなくてはなりません。
Dell'orto SIは、Bike用としては珍しい"Down-Draft" TypeのCarburettorで、Main JetはNeedle Jetではありません。クルマ用で有名なWebberなどと同じく、ThrottleのOpeningの度合いに合わせて複数のJetを組み合わせた"Pre-Set" Jetなのですね。
Main Jet系は、
これらを差し込んでくっつけて、カタチとしては1個の体にした状態でCarburettorに装着します。
機能としては、上から空気を吸い込み、下から燃料を吸い込み、それらを真ん中で混合、霧化してNozzleからベンチュリー噴射、て感じですかね。
要するに、Air Collector JetとMain Jetは、空気と燃料の総量制御装置で、Mixerは、その空気と燃料を混ぜて霧化する装置。
Idle JetとChoke Jetはそれぞれ別体で、Choke JetはMixerを省略したもの、Idle Jetはそれ単体でAir Collector + Mixer + Main Jetが一体になったもの、というか、"Mixer"と考えればわかりやすいです。
名称ですが、Idle Jetとわたしは表記してますが、"Slow-Running Jet"とも言いますし、"Pilot Jet"と呼ばれたりもします。
同様に、Choke Jetも、"Starter Jet"とも言います。
Top: Air Collecotor Jet
Middle: Mixer Jet
Bottom: Main Jet
の3段組みで、左の画像のようにバラバラになります。Middle: Mixer Jet
Bottom: Main Jet
これらを差し込んでくっつけて、カタチとしては1個の体にした状態でCarburettorに装着します。
機能としては、上から空気を吸い込み、下から燃料を吸い込み、それらを真ん中で混合、霧化してNozzleからベンチュリー噴射、て感じですかね。
要するに、Air Collector JetとMain Jetは、空気と燃料の総量制御装置で、Mixerは、その空気と燃料を混ぜて霧化する装置。
Left: Idle Jet, Middle: Air Collector Jet + Mixer + Main Jet, Left: Choke Jet |
名称ですが、Idle Jetとわたしは表記してますが、"Slow-Running Jet"とも言いますし、"Pilot Jet"と呼ばれたりもします。
同様に、Choke Jetも、"Starter Jet"とも言います。
さて、先ず、rally 200(VSE1T)オリジナルのCarburettorのJet Settingはというと:
rally 200 Factory Standard - Carburettor Type: Dell'orto SI 24/24E
- Air Collector Jet: 160/100
- Mixer: BE3
- Main Jet: 116/100
- Idle Jet: 50/100 (2.00) *No Air Inlet Hole
- Choke Jet: 60/100
そして、Pinascoさん推奨の215cc Kitに交換後のJet Settingは:
rally 200 w/Pinasco 215cc Cylinder Kit - Carburettor Type: Dell'orto SI 24/24E
- Air Collector Jet: 190/100
- Mixer: BE3
- Main Jet: 118/100 to 125/100
- Idle Jet: 50/120 (2.40) to 55/160 (2.92)
今回、Settingの為にわたしが予め用意したJetは下記のものです:
- Air Collector Jet: 190/100
- Main jet: 116/100、118/100, 120/100, 122/100, 125/100, 130/100
- Idle Jet: 50/100 (2.00)、50/120 (2.40), 50/140 (2.80), 40/120 (3.00)
* Idle Jetは、オリジナルの2.00を含めて、薄めの3種を用意して、大まかに4段階としました。
* Choke Jetは、効果的に交換の必要性がありません。
* Idle Jetの"Air Calibrator Jet"は、rally 200 Original SI 24/24Eの場合、交換不可能なCarburettor Body固定式です。
▲ Air Collector Jetは、数字が大きくなる程、通過する空気量が増します。
▲ Main Jetは、数字が大きくなる程、通過する燃料が増します。
▲ Idle Jetは、分母÷分子の数値が大きくなる程、通過する燃料の空気比率が高くなります(混合気が薄くなる)。
"Bore-Up" Tuningした場合、簡単に言うと、「必要混合気吸入量が増える分、全体的に「空気:燃料」の比率を濃いめにしなさい」 - Main Jetの番手を上げる。しかし、Main Jetだけ番手を上げると、エマルジョン・バランスが崩れるので、併せてAir Corrector Jetの番手も上げる。
ところが、SI Typeの場合、Main JetはThrottle Slide Valveが1/2 Open少し手前からFully-Open時に主に影響を及ぼし、それ以下では然程影響がないのです(つまり、Throttle Slide Valveの開度によるThrottleのヴェンチュリー効果に相対する)。
一方、Idle JetはThrottle-OFF時からFull-Throttleまで全域に渡って常に一定の影響を及ぼします(Idle Jetの排出穴[Pilot Adjuster]がThrottle Slide Valveより以前のEngine側に近い部分にある為)。
Float Chamberからの燃料の供給経路は2系統あって、1つはChoke Jet専用。もう1つはMain Jet系で、順番で言うと、Idle Jetは燃料がMain Jetを通過した後にあります。つまり、Idle Jetへの燃料流入量の多/少は、Main JetのSizeに依存します。
Main Jetの番手を上げて、Idle jetがオリジナルの"2.00"のままだと、Idle JetはMain JetのSizeが拡大された影響を受け、全回転域で混合気が濃くなり過ぎ、特にアイドリングのAdjustが不安定になります。
この対策として、Idle Jetの番手を上げて、燃料を薄すめに設定してPreset調整する - ということです。例えば、走行中にThrottleをゼロに絞ったとき、一旦Engineの回転が落ちると同時に連動してRev.が若干上がる、というような事例の場合、Idle Jetが濃い - ということですね。逆に、Engineストールする場合は、Idle Jetが薄い - ということです。
以上がだいたいのわたしの大雑把なSI Carburettor Settingの理解です。間違っているかも知れませんが、シンプルにわかり易く説明すると、こういうことなのだと。要は、JetのSettingは、全回転域に渡って良好な燃焼状態で、バランスのとれたJetのBestの組み合わせを見つけ出す、ということです。
だいたい、メーカーやTunerは、濃いめの混合気Settingを推奨します。何故なら、薄めの混合気Settingは2-Stroke EngineにとってはOil切れのリスクを伴うからです。逆に、Userは薄めの混合気Settingに傾倒しがちです。何故なら、薄めのSettingの方が実際は高回転まで吹けが良いからです。
わたしのrally 200のように分離給油Typeの場合、2 Stroke Oilの混合比は指定の2%よりも安全策で若干濃いめに設定されていると思われます。この傾向の理由はもう一つあって、昔のOilは、現在ポピュラーな化学合成Oilではなく、鉱物Oilが主流で、それらは粘度が高いものでした。現在主流の化学合成Oilの場合、昔の鉱物Oilと比較すると粘度はかなり低い。つまり、現在の化学合成Oilを使用すると、より多くのOilをOil Mixerが供給しがち、ということです。なので、分離給油Typeの場合、Oil切れリスクについては、それほど神経質になる必要もないかなー、とは思います。
Jetの価格は案外安くはないので、Air CollectorとIdle Jetは今回予算削減の狙い撃ち購入分です。いずれにせよ、安全策をとって、濃いめSettingから順番に組み合わせを試してみます。
もう一つ、CarburettorのSettingと併せて、Spark Plugについても同様にSettingせねばなりません。
rally 200のオリジナルの場合、NGKの番手でいうと、B6ESになります。これも、Pinasco 215 Kit装着の場合、Pinascoさん推奨では「9番にせよ」とあります。「熱価を"Cold"側に修正しなされ」ということですね。
Spark Plugも季節(気候温度条件)や、車輌の個別の状態によってマッチングに差があるので、Testして様子を見て次第と思います。3番手Upはちょっと大袈裟かなー、とか思います。
ストック・パーツをゴソゴソしてたら、何故か新品のBeru製の"Silverstone"てのが出てきて、それが一番手UpのNGK-7相当だったので、取り敢えず、それで試してみます。
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